クロ・ド・ヴージョ：ブルゴーニュの至宝

クロ・ド・ヴージョ：ブルゴーニュの至宝

グラン・クリュの中で最大規模を誇る畑

フランスのブルゴーニュ地方、ヴージョ村に広がる「クロ・ド・ヴージョ」。ワインを愛する人なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。その名の通り、石垣で囲まれた特別な区画を意味する「クロ」を冠するこの畑は、およそ50ヘクタールという広大な面積を誇ります。これは、ブルゴーニュ地方の中でも最高級ワインを生み出す「コート・ド・ニュイ」地区の特級畑「グラン・クリュ」の中でも最大規模です。
広大な面積を誇るクロ・ド・ヴージョですが、その品質の高さも折り紙付きです。石灰岩を多く含んだ水はけの良い土壌は、ブドウ栽培に最適で、力強く深みのある味わいのワインを生み出します。
さらに、クロ・ド・ヴージョは単一の畑でありながら、区画ごとに異なる土壌や日照条件を持つため、多様な個性を持ち合わせたワインが造られることでも知られています。そのため、同じクロ・ド・ヴージョを名乗るワインであっても、生産者や区画によって味わいが異なり、飲み比べてみるのも楽しみの一つと言えるでしょう。
ヴージョ村の畑の大半を占めるクロ・ド・ヴージョは、まさにブルゴーニュワインの象徴と言えるでしょう。

多様な土壌が生み出す複雑な味わい

ブルゴーニュ地方を代表する銘醸地、クロ・ド・ヴージョ。その名の通り、石垣に囲まれたブドウ畑が広がるこの一帯は、なだらかな丘陵地帯に位置し、標高240～255mの緩やかな斜面に広がっています。この傾斜こそが、クロ・ド・ヴージョのワインに複雑な味わいを生み出す、重要な要素なのです。同じ畑でありながら、場所によって土壌の性質が大きく異なるため、ブドウの味わいに個性をもたらします。

丘の頂上付近にあたる斜面の上部は、浅い茶色をした石灰岩土壌が広がっています。水はけの良さが特徴で、太陽の光をふんだんに浴びて育ったブドウからは、力強い果実味としっかりとしたタンニンを感じさせるワインが生まれます。

一方、斜面の下部は、上部とは対照的に、石灰岩に加えて、細かい泥灰質や粘土が混ざり合った土壌が広がっています。水持ちが良く、豊富な栄養分を含んだこの土壌からは、より繊細でエレガントな味わいのブドウが実ります。

このように、クロ・ド・ヴージョは、ひとつの畑でありながら、異なる個性のワインを生み出す、まさにブルゴーニュワインの神秘を感じさせることができる銘醸地と言えるでしょう。

80名の生産者による個性豊かなワイン

ブルゴーニュ地方を代表する銘醸地、クロ・ド・ヴージョ。その広大な畑は、単独の所有者ではなく、なんと80名もの生産者によって大切に管理されています。そのため、一口にクロ・ド・ヴージョと言っても、その味わいは実に多種多様。それぞれの生産者の哲学やこだわりが、それぞれのボトルに詰まっているのです。

長い歴史の中で受け継がれてきた伝統的な製法を守る生産者。彼らの手掛けるワインは、力強く重厚で、時を経て熟成することで真価を発揮する、まさに「ワインの王様」と呼ぶにふさわしい風格を備えています。一方、現代的な感性と技術を駆使して、新たなスタイルを生み出す生産者も少なくありません。彼らのワインは、みずみずしい果実味とエレガントな味わいが特徴で、比較的早くから楽しむことができます。

このように、同じクロ・ド・ヴージョという畑から、全く異なる個性を持ったワインが生まれるのも、この地の大きな魅力と言えるでしょう。それぞれの生産者の想いが込められたワインを飲み比べて、自分にとって最高の1本を見つける、そんな贅沢な体験を、ぜひクロ・ド・ヴージョで味わってみてください。

エレガントなフィネスと力強さを兼ね備えた赤ワイン

ブルゴーニュ地方の銘醸地として名高いクロ・ド・ヴージョ。そこで造られるワインは、ほとんどが赤ワインで、ブドウ品種は、気品あふれるピノ・ノワール種のみが使われています。この地の個性である土壌や気候といったテロワルと、ピノ・ノワール種が見事に調和し、他に類を見ない唯一無二のワインが生まれます。クロ・ド・ヴージョの赤ワインの特徴は、何と言っても優雅さと力強さの絶妙なバランスです。グラスに注ぐと、熟したブラックベリーやブラックチェリーを思わせる芳醇な香りに、スパイスやトリュフの複雑な香りが重なり合い、豊かなアロマが広がります。口に含むと、しっかりとしたタンニンが骨格となり、深みのある果実味が広がり、飲みごたえのある味わいです。そして、余韻が長く続くのも魅力の一つです。時が経つにつれて熟成が進み、円熟味が増していく様は、まさにブルゴーニュの至宝と呼ぶにふさわしいでしょう。

至高のワインを求めて

– 至高のワインを求めてフランスのブルゴーニュ地方には、数々の銘ワインを生み出す畑が存在します。その中でも特に、「クロ・ド・ヴージョ」は別格の扱いを受けています。このワインは、力強く深みのある味わいで、世界中のワイン愛好家を魅了し続けてきました。クロ・ド・ヴージョがこれほどまでに特別なワインとされる理由は、その品質の高さだけではありません。ブルゴーニュ地方のワインは、基本的に小さな区画に分けて管理されています。しかし、クロ・ド・ヴージョは、単独の畑としては異例の広さを誇り、単一の畑名で呼ばれています。このことから、古くから特別な区画として認識されていたことがうかがえます。当然ながら、その希少性と品質の高さから、クロ・ド・ヴージョの価格は高騰する傾向にあります。しかし、その価格に見合うだけの、あるいはそれ以上の価値が、このワインには確かに存在します。熟した果実を思わせる芳醇な香りと、力強さの中に繊細さを兼ね備えた味わいは、まさに至高の一言と呼ぶにふさわしいでしょう。もし機会があれば、ぜひ一度、この至高のワインを味わってみてください。きっと忘れられない感動を味わえるはずです。そして、その奥深い世界に足を踏み入れたあなたは、さらなるワイン探求の旅に出ることを望むかもしれません。