個性豊かなワイン産地、フランケン

個性豊かなワイン産地、フランケン

ドイツワインの一つの銘醸地、フランケン

ドイツの中央部に位置するフランケンは、個性豊かなワインを生み出す銘醸地として知られています。13あるドイツの特定栽培地域の一つに数えられ、大都市フランクフルトの東側に広がり、蛇行を繰り返すマイン川沿いに美しいブドウ畑が広がっています。 ドイツワインといえば、一般的にはモーゼルやラインガウといった地域が有名ですが、フランケンもまた、長い歴史と伝統を誇るワイン産地です。

フランケンワインの特徴は、何といってもその独特のボトル形状にあります。
ずんぐりとした円筒形で、少し扁平した形をしたボトルは「ボックスボイテル」と呼ばれ、フランケンワインの象徴として広く知られています。この個性的なボトルは、一説によると、18世紀頃にラインガウ地方で使用されていたボトルを参考に、フランケン地方のガラス工房が独自にアレンジを加えたものだと言われています。

フランケン地方では、シルヴァーナーやリースリングといったブドウ品種から、ミネラル感あふれる辛口の白ワインが多く造られています。特に、石灰岩土壌で育ったシルヴァーナー種から造られるワインは、しっかりとした骨格と上品な酸味が特徴で、世界中のワイン愛好家を魅了しています。近年では、ピノ・ノワール種などを使った赤ワイン造りも盛んに行われており、新たな銘醸地としての地位を確立しつつあります。

独特のボトルが目を引く「ボックスボイテル」

ドイツ・フランケン地方のワインといえば、その独特なボトル形状がまず思い浮かびます。まるでお酒が入っているとは思えない、ずんぐりとしたその形は、まるで水筒かヒョウタンのよう。一度見たら忘れられない強烈なインパクトを与えます。このユニークなボトルは「ボックスボイテル」と呼ばれ、フランケンワインの象徴として親しまれています。
その歴史は古く、一説には古代ローマ時代まで遡るとも言われています。長い年月を経てもなお、この伝統的なボトルはフランケン地方でワインを造り続ける人々に大切に受け継がれてきました。
ユニークなのはその見た目だけではありません。ずんぐりとした形は、実は不安定で転がりやすいという特徴があります。そのため、かつて人々はボトルを寝かせて保管する際に、誤って転がらないように工夫を凝らしていました。
ただし、フランケン地方の全てのワインがこの「ボックスボイテル」に詰められているわけではありません。一部のワインでは、一般的なボルドー型のボトルを使用する場合もあります。とはいえ、フランケンワインの多くは、今もなおこのユニークなボトルに詰められ、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。

気候と土壌が生み出す、フランケンワインの味わいの特徴

ドイツ南部のフランケン地方は、ブドウ栽培の北限に位置し、大陸性気候の影響を強く受けます。夏は暑く乾燥し、太陽の光をいっぱいに浴びたブドウは、凝縮した果実味を蓄えます。一方で、冬は非常に寒く、雪が降り積もることもあります。
このような寒暖差の大きい気候は、ブドウにしっかりとした酸を与え、フランケンワインの特徴であるきりっとした味わいを生み出すのです。
また、フランケン地方の土壌は、石灰岩や砂岩、貝殻石灰岩など、多様な mineral を豊富に含んでいます。これらの mineral は、ブドウの生育に大きな影響を与え、ワインに複雑な風味と独特のミネラル感を与えます。
フランケンワインは、辛口でボディーのしっかりした白ワインが多いのが特徴です。特に、リースリングやジルヴァーナーといった品種から造られるワインは、その土地の個性を存分に表現しています。
きりっとした酸味と、複雑なミネラル感が織りなす味わいは、肉料理や魚料理など、幅広い料理との相性が良いのも魅力です。

フランケンの主要品種：シルヴァーナ、ミュラー・トゥルガウ、バッフス

ドイツ南西部に位置するフランケン地方は、絵のように美しいブドウ畑が広がるワイン産地として知られています。温暖な気候と、マイン川沿いに広がる石灰岩土壌が、個性豊かなワインを生み出します。
フランケンワインの特徴は、なんといっても白ワインの品質の高さにあります。栽培されているブドウの約8割が白ブドウで、その中でも特にシルヴァーナ、ミュラー・トゥルガウ、バッフスの3品種が主要な品種として挙げられます。
フランケンを代表する品種であるシルヴァーナは、しっかりとした酸味とミネラル感が特徴で、エレガントで複雑な味わいの辛口ワインを生み出します。シーフードや白身魚の料理との相性が抜群です。
ミュラー・トゥルガウは、ドイツで生まれた交配品種で、フルーティーな香りと、柔らかな酸味が特徴です。軽やかな飲み口で、どんな料理にも合わせやすい親しみやすいワインとなります。
マスカットの血を引くバッフスは、華やかな香りが魅力の品種です。甘口から辛口まで、様々なスタイルのワインが造られていますが、フランケンでは、みずみずしさと上品な甘さを兼ね備えたワインが多く造られています。
個性豊かな白ブドウ品種が織りなすフランケンワインの世界。それぞれの品種が持つ魅力を、ぜひご自身の舌で確かめてみて下さい。

フランケンワインをもっと知りたいなら

– フランケンワインをもっと知りたいなら

フランケンワインといえば、独特のフォルムをしたボトルを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。この地域特有の、少しずんぐりとした可愛らしいボトルは“ボックスボイテル”と呼ばれ、一度見たら忘れられないインパクトがありますよね。

しかし、フランケンワインの魅力は見た目だけではありません。味わいもまた、他のワイン産地とは一線を画す個性にあふれているのです。特に白ワインは、キリッとした辛口で、ミネラル感が豊か。口に含んだ瞬間に、まるで大地のエネルギーが伝わってくるような感覚を覚える方もいるかもしれません。そして、その余韻の長さも魅力のひとつ。食事と共に楽しむのはもちろんのこと、食後の一杯としても存分にその味わいを堪能できます。

フランケンワインは、まだまだ日本ではあまり知られていないかもしれません。しかし、だからこそ、“新しいお気に入り”との出会いを期待させてくれるワインでもあります。個性的なボトルを目印に、ぜひ一度、フランケンワインを探してみて下さい。きっと、忘れられない味わいとの出会いとなるはずです。