ワインの「I.G.T.」って?
ワインを知りたい
先生、「I.G.T.」ってワインのラベルに書いてあったんですけど、どういう意味ですか?
ワイン研究家
良いところに気がついたね。「I.G.T.」は、イタリアのワインの分類で、特定の地域で作られた、ある程度の品質基準を満たしたワインにつけられる表示だよ。簡単に言うと「地酒クラス」みたいなものかな。
ワインを知りたい
へえー、そうなんですね。日本の地酒と似たような感じですか?
ワイン研究家
そうだね。地域独自のブドウの品種や製法で作られていることが多いから、その土地ならではの味が楽しめるワインが多いよ。
I.G.T.とは。
「I.G.T.」っていうワインの言葉があるんだけど、これは、2009年に変わったんだけど、それより前のヨーロッパのワインの法律で、産地をある程度示す表示の種類で、イタリアで使われていた名前のことなんだ。地方のお酒の分類みたいな感じだね。イタリアでは法律が変わっても前の呼び方を使っていいことになっているから、「I.G.T.」って書き方をしているところが今でも多いんだよ。
イタリアワインで見かける「I.G.T.」
– イタリアワインで見かける「I.G.T.」
イタリアワインのラベルには、「D.O.C.G.」や「D.O.C.」といった品質保証の表示をよく目にしますよね。これらの表示は、厳しい基準をクリアした高品質なワインであることを示しています。
一方で、「I.G.T.」という表示を見かけることもあるかと思います。これは一体どのようなワインなのでしょうか?
「I.G.T.」は、「Indicazione Geografica Tipica 」の略称で、日本語では「地理的表示保護ワイン」と訳されます。 これは、特定の地域で収穫されたぶどうを使用し、その地域の伝統的な製法で造られたワインであることを証明するものです。
「D.O.C.G.」や「D.O.C.」と比べると、規定は少しだけ緩やかです。そのため、自由な発想で個性的なワインを造ることが許されています。
例えば、「D.O.C.G.」や「D.O.C.」では使用が認められていないぶどう品種が使われている場合もあります。
「I.G.T.」のワインは、高品質でありながら、手頃な価格で楽しめるのも魅力です。
イタリアワインの魅力をさらに深く味わいたい方は、「I.G.T.」表示のワインにもぜひ注目してみてください。
表示 | 意味 | 特徴 |
---|---|---|
D.O.C.G./D.O.C. | 厳しい基準をクリアした高品質なワイン | 伝統と品質を重視 |
I.G.T. |
地理的表示保護ワイン 特定の地域で収穫されたぶどうを使用し、その地域の伝統的な製法で造られたワイン |
|
旧ワイン法に基づく分類
– 旧ワイン法に基づく分類
ワインの世界では、その土地の気候や土壌を反映した個性的な味わいを守るため、様々なルールが設けられています。その中でも、「地理的表示保護」は、ワインの品質と伝統を保証する上で重要な役割を担っています。
かつてEUで使われていた旧ワイン法では、この地理的表示保護に基づき、ワインはいくつかのクラスに分類されていました。その中で、「I.G.T.」は、「Indicazione Geografica Tipica」の略称で、日本語では「典型的な地理的表示」という意味でした。
この「I.G.T.」は、「V.d.T.」と呼ばれる「地酒」クラスの上位に位置付けられていました。「V.d.T.」よりも厳しい条件をクリアしたワインだけが、「I.G.T.」を名乗ることが許されていたのです。
例えば、使用できるブドウ品種や醸造方法が細かく定められていたり、一定の品質基準を満たす必要がありました。
このように、「I.G.T.」表示は、その土地ならではの個性を持つ高品質なワインであることを消費者に示すものでした。しかし、2009年のEUワイン法改正により、「I.G.T.」は「I.G.P.(地理的表示保護)」という表示に統合され、現在では使われていません。
分類 | 説明 |
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I.G.T. (Indicazione Geografica Tipica) |
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V.d.T. |
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現在のワイン法との関係は?
– 現在のワイン法との関係は?現在の欧州連合におけるワインの法規では、「I.G.T.」に相当する分類は「I.G.P. (Indicazione Geografica Protetta)」と定められています。これは、「保護された地理的表示」を意味し、特定の地域で伝統的な方法で生産された農産物や食品に与えられる認証です。しかしながら、イタリアではワイン法改正以前の呼称をそのまま使用することが認められています。そのため、「I.G.T.」という表記は、現在でも多くの生産者によって使用されています。これは、長年に渡って「I.G.T.」という表示がイタリアワインの品質の証として、消費者にとって広く認知されてきたためです。「I.G.T.」ワインは、特定の地域の気候や土壌などの特徴を活かした、個性豊かな味わいが魅力です。また、「D.O.C. (Denominazione di Origine Controllata)」や「D.O.C.G. (Denominazione di Origine Controllata e Garantita)」といった、より厳しい基準を満たすワインに比べて、比較的求めやすい価格帯であることも特徴です。イタリアワインを選ぶ際には、「I.G.T.」という表示を見かけたら、その背景にある歴史や生産者のこだわりにも思いを馳せてみて下さい。きっと、より一層ワインを楽しむことができるでしょう。
分類 | 説明 |
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I.G.T. (Indicazione Geografica Tipica) | 特定の地域で伝統的な方法で生産されたワインに与えられる認証。現在ではEUの法規上は「I.G.P. (Indicazione Geografica Protetta)」に相当するが、イタリアでは従来の呼称である「I.G.T.」も使用が認められている。 |
I.G.P. (Indicazione Geografica Protetta) | EUの法規における「保護された地理的表示」。特定の地域で伝統的な方法で生産された農産物や食品に与えられる認証。 |
I.G.T.ワインの特徴
– I.G.T.ワインの特徴I.G.T.は、イタリアのワインの格付けのひとつで、「Indicazione Geografica Tipica」の略称です。日本語では「典型的な地理的表示」を意味し、その名の通り、ワインの産地を特定することを目的としています。I.G.T.ワインは、より厳しい規定を持つD.O.C.G.やD.O.C.といった格付けワインとは異なり、生産地の範囲や、使用できるぶどうの品種、醸造方法に関する規制が比較的緩やかです。このため、I.G.T.の生産者たちは、伝統的な手法にとらわれることなく、自由な発想と創意工夫で個性的なワイン造りに取り組むことができます。例えば、本来その地域では栽培が認められていない国際的な人気品種を取り入れたり、新しい醸造技術を導入したりすることで、従来のイタリアワインとは一線を画す、斬新で個性的な味わいのワインを生み出しています。また、I.G.T.ワインの魅力は、その自由度の高さだけが理由ではありません。高品質なワインを手頃な価格で楽しめる点も大きな魅力と言えるでしょう。厳しい規定を守る必要がない分、生産コストを抑えることができ、それが消費者にとって手に取りやすい価格に繋がっています。このように、I.G.T.ワインは、自由な発想から生まれる多様な味わいと、親しみやすい価格設定によって、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。
特徴 | 詳細 |
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意味 | 典型的な地理的表示 ワインの産地を特定 |
規制 | DOCGやDOCと比べて、産地、品種、醸造方法の規制が緩やか |
ワイン造り | 自由な発想と創意工夫 ・国際的な人気品種の使用 ・新しい醸造技術の導入 |
ワインの特徴 | 斬新で個性的な味わい |
価格 | 高品質ながら手頃な価格 |
魅力 | 多様な味わいと親しみやすい価格設定 |
まとめ
– イタリアワインに見る「I.G.T.」の印
イタリアワインのラベルにしばしば見られる「I.G.T.」という表示。これは、かつてイタリアで用いられていたワインの分類のひとつ「Indicazione Geografica Tipica」の略称です。
現在は、この分類は「I.G.P. (Indicazione Geografica Protetta)」に名称が変更されています。これは、ヨーロッパ連合(EU)の地理的表示保護制度に合わせたためです。しかし、長年親しまれてきたこともあり、現在でもイタリアでは「I.G.T.」の表記が多く使われています。
「I.G.T.」ワインの特徴は、その自由度の高さにあります。 ぶどうの品種や栽培方法、醸造方法などに関する規定が、他の分類に比べて比較的緩やかです。そのため、ワイン生産者は、伝統にとらわれず、自由な発想で個性豊かなワインを造り出すことができます。
「I.G.T.」ワインは、高品質ながらもお手頃な価格で楽しめるものも多いです。イタリアワインの魅力を、気軽に体験できるという点でも、注目すべき存在と言えるでしょう。
項目 | 説明 |
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名称 | I.G.T. (Indicazione Geografica Tipica) ※現在はI.G.P. (Indicazione Geografica Protetta) |
規定 | ぶどうの品種、栽培方法、醸造方法に関する規定が比較的緩やか |
特徴 | ワイン生産者は伝統にとらわれず、自由な発想で個性豊かなワインを造り出すことができる。 高品質ながらもお手頃な価格で楽しめるものも多い。 |