甘美なる奇跡 ベーレンアウスレーゼ

甘美なる奇跡 ベーレンアウスレーゼ

ワインを知りたい

先生、「ベーレンアウスレーゼ」って言葉、ワインの本で見たんですけど、どんな意味ですか?

ワイン研究家

よくぞ聞いてくれました! ドイツ語で「特別な粒を選り抜いた」という意味なんだ。その名の通り、特別に甘くて美味しいワインに使われる言葉だよ。

ワインを知りたい

特別な粒って、どんな粒なんですか?

ワイン研究家

「貴腐」って呼ばれる、ちょっと変わったブドウからできているんだ。このブドウは、ある特別なカビが生えることで、すごく甘くなるんだよ。

ベーレンアウスレーゼとは。

「ベーレンアウスレーゼ」はワインの言葉の一つで、甘くて腐ってしまったブドウの実や、熟しすぎたブドウの実だけを選んで作ったワインのことです。このワインは、アルコール度数が少なくとも5.5%以上ないといけません。

貴腐ブドウが生み出す至高の甘味

貴腐ブドウが生み出す至高の甘味

– 貴腐ブドウが生み出す至高の甘味「選り抜かれた果実」という意味を持つドイツ語「ベーレンアウスレーゼ」。その名の通り、選び抜かれた特別なブドウから造られる、極上の甘口デザートワインです。このワインの最大の特徴は、貴腐ブドウと呼ばれる、特殊な環境下で育ったブドウのみを使用している点にあります。貴腐ブドウとは、貴腐菌と呼ばれる菌の影響を受けたブドウのこと。晩秋、霧が晴れ、日中の気温が上がることで、ブドウの果皮に貴腐菌が付着し、小さな穴を開けていきます。すると、その穴から水分が蒸発し、ブドウはまるで干しブドウのように、凝縮されていきます。貴腐菌の活動は、ブドウの糖度や芳香成分を極限まで高めるための、自然の魔法。蜂蜜やアプリコット、ドライフルーツを思わせる、複雑で芳醇な香りは、この貴腐菌の働きによって生まれます。口に含めば、とろけるような甘みが広がり、至福のひとときをもたらしてくれるでしょう。このようにして生まれるベーレンアウスレーゼは、まさに「奇跡の雫」。その希少性と類まれなる味わいは、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。

項目 説明
ワイン名 ベーレンアウスレーゼ
意味 選り抜かれた果実
特徴 貴腐ブドウを使用
貴腐ブドウとは 貴腐菌の影響を受けたブドウ
– 晩秋、霧が晴れ、日中の気温が上がることで、ブドウの果皮に貴腐菌が付着
– 貴腐菌がブドウに小さな穴を開け、水分が蒸発
– ブドウが凝縮され、糖度や芳香成分が極限まで高まる
味わい 蜂蜜、アプリコット、ドライフルーツを思わせる、複雑で芳醇な香り
とろけるような甘み

厳しい自然条件が生み出す希少性

厳しい自然条件が生み出す希少性

ベーレンアウスレーゼは、その名の通り「選り抜かれた果実」を意味する、甘美で芳醇な香りが特徴の極めて貴重な甘口ワインです。しかし、このワインは、世界中のあらゆるワイン産地で造られるわけではありません。

ベーレンアウスレーゼの原料となるのは、貴腐菌と呼ばれる特殊な菌が付着し、糖度が極限まで高まったブドウです。貴腐菌がブドウに付着するためには、秋口に霧が多く発生し、日中は温暖で乾燥した、特殊な気候条件が必要となります。霧はブドウに貴腐菌を付着させ、日中の乾燥した気候はブドウの水分を奪い、糖度を凝縮させる役割を担っています。

このような気候条件は、ドイツのモーゼル地方やラインガウ地方をはじめ、オーストリア、ハンガリーなど、限られた地域でしか見られません。そのため、ベーレンアウスレーゼは、極めて希少価値の高いワインとして知られています。

また、貴腐菌の発生は自然の力に大きく左右されるため、生産量は年によって大きく異なります。気候条件によって品質が大きく左右されるため、まさに「一期一会」の味わいを楽しむことができるのも、ベーレンアウスレーゼの魅力と言えるでしょう。

項目 内容
ワイン名 ベーレンアウスレーゼ
(選り抜かれた果実)
特徴 甘美で芳醇な香り、極めて貴重な甘口ワイン
原料 貴腐菌が付着し、糖度が極限まで高まったブドウ
貴腐菌発生の条件 秋口に霧が多く発生し、日中は温暖で乾燥した気候
主な産地 ドイツ(モーゼル地方、ラインガウ地方)、オーストリア、ハンガリーなど
希少性 極めて希少価値の高いワイン
(貴腐菌の発生は自然に左右され、生産量も不安定)

最低アルコール度数と残糖度

最低アルコール度数と残糖度

ドイツのワイン法では、「ベーレンアウスレーゼ」と呼ばれる極甘口ワインの最低アルコール度数を5.5%と定めています。しかし、実際には貴腐ブドウを用いるため、その糖度の高さゆえに発酵がなかなか進まず、アルコール度数は10%前後になることが多いです。
一般的なデザートワインと比べても、ベーレンアウスレーゼの残糖度は非常に高く、100g/Lを超えるものも珍しくありません。ブドウの果汁に含まれる糖分が、酵母によってアルコールへと変換されずに残ることで、豊潤な甘さが生まれます。そして、貴腐菌の作用によって生じる独特の芳香と相まって、ベーレンアウスレーゼならではの濃厚な甘さと芳醇な香りを織りなすのです。

項目 内容
ワインの種類 ベーレンアウスレーゼ
特徴 極甘口ワイン
最低アルコール度数 5.5%
実際のアルコール度数 10%前後
残糖度 非常に高い(100g/L超も)
甘さの理由 ブドウの糖分が発酵しきらずに残るため
香り 貴腐菌の作用による独特の芳香

多様な楽しみ方

多様な楽しみ方

「ベーレンアウスレーゼ」は、貴腐ワインの一種として知られており、その甘美な味わいは多くの人を魅了しています。一般的には、食後酒として楽しまれることが多く、濃厚な甘さと芳醇な香りが、贅沢なひとときを演出してくれます。
特に、フォアグラやブルーチーズといった、濃厚な味わいの料理との相性が抜群です。フォアグラの滑らかな舌触りと、ベーレンアウスレーゼの凝縮された甘さは、まさに至高のマリアージュと言えるでしょう。また、ブルーチーズの塩気と、ベーレンアウスレーゼの甘さの組み合わせは、互いの個性を引き立て合い、忘れられない味わいを生み出します。
デザートワインとしても、その真価を発揮します。フルーツタルトやチョコレートケーキなど、甘味の強いデザートとの組み合わせは、至福のマリアージュを楽しむことができます。フルーツの酸味やチョコレートの苦味と、ベーレンアウスレーゼの甘さが織りなすハーモニーは、至福のひとときを演出してくれるでしょう。
味わいを最大限に楽しむためには、冷蔵庫で軽く冷やしてから、ワイングラスに少量注いでゆっくりと味わうのがおすすめです。冷やしすぎると甘さが際立ちすぎるため注意が必要です。深い琥珀色を眺めながら、上品な香りと共に、とろけるような甘さをじっくりと堪能してみてください。

種類 説明 相性の良い料理
ベーレンアウスレーゼ 貴腐ワインの一種
濃厚な甘さと芳醇な香り
食後酒
・フォアグラ
・ブルーチーズ
・フルーツタルト
・チョコレートケーキ
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