ロマン色?知られざるワイン、ロートリングの世界
ワインを知りたい
先生、「ロートリング」って変わった名前のワインですよね?どんなワインか教えてください!
ワイン研究家
そうだね、「ロートリング」はちょっと変わった名前だね。これは、赤ワイン用のブドウと白ワイン用のブドウを一緒に圧搾して作る、ピンク色のワインのことなんだよ。
ワインを知りたい
へえー!赤と白のブドウを混ぜちゃうんですか?なんだか不思議ですね!
ワイン研究家
でしょ?でも、ただ混ぜればいいってわけじゃなくて、決まりがあるんだよ。例えば、ワインになってから混ぜるのはダメで、ブドウの汁の状態じゃないと「ロートリング」とは呼べないんだ。それに、産地によって呼び方も違うんだよ!
ロートリングとは。
「ロートリング」というお酒の言葉は、赤いぶどうと白いぶどう、もしくは両方ともろみにしたものを混ぜて一緒につぶして作る、バラ色のワインを指します。ただし、ワインになってから混ぜるのは認められていません。作られる地域によって、独特な呼び名があるのも特徴です。例えば、ヴュルテンベルク地方で作られる「シラーヴァイン」や、バーデン地方で作られる「バーディッシュ・ロートゴルト」などがあります。「バーディッシュ・ロートゴルト」は、「グラウブルグンダー」というぶどうと「シュペートブルグンダー」というぶどうから作られますが、「グラウブルグンダー」の割合が多くなくてはなりません。また、「シラーヴァイン」と「バーディッシュ・ロートゴルト」は、どちらも一定以上の品質が求められます。ザクセン地方で作られる「シーラー」も、ロートリングの一種です。昔は、色々な種類のぶどうを混ぜて作られたワインを指していました。ロートリングは、今ではほとんど作られておらず、ドイツでも見かけることはほとんどありません。
赤と白の融合、ロートリングとは?
淡い桃色で愛されるロゼワイン。よく似た色合いのワインにロートリングがあります。どちらも赤と白が織りなす美しい色調は同じですが、その製法は大きく異なり、ロートリングはロゼワインとは全く異なる個性を持つワインです。
ロゼワインは、赤ワイン用のブドウから造られますが、醸造過程で果皮との接触時間を短くすることで、淡い色合いと軽やかな味わいに仕上げられます。一方、ロートリングは、赤ワイン用ブドウと白ワイン用ブドウを一緒に圧搾、醸造して造られます。つまり、ブドウ果汁の段階から赤と白が混ざり合い、一体となって発酵していく点が、ロゼワインとは決定的に異なるのです。
この製法の違いが、味わいに明確な違いを生み出します。ロゼワインは、赤ワインらしい果実感を残しつつも、すっきりとした後味が特徴です。対して、ロートリングは、赤ワインの力強さと白ワインの爽やかさ、両方の個性が調和した、複雑で奥深い味わいを楽しむことができます。
近年、日本でも注目を集めつつあるロートリング。その美しい色合いに惹かれたら、ぜひその味わいの奥深さも体験してみてください。
項目 | ロゼワイン | ロートリング |
---|---|---|
色合い | 淡い桃色 | 淡い桃色 |
製法 | 赤ワイン用ブドウを使用し、果皮との接触時間を短くして醸造 | 赤ワイン用ブドウと白ワイン用ブドウを一緒に圧搾、醸造 |
味わい | 赤ワインらしい果実感を残しつつも、すっきりとした後味 | 赤ワインの力強さと白ワインの爽やかさが調和した、複雑で奥深い味わい |
地域色豊かな個性
– 地域色豊かな個性ロートリングというブドウ品種は、栽培される地域によって様々な顔を見せる、個性豊かな品種として知られています。その土地ならではの風土や気候、そして作り手の想いが重なり合い、多様な味わいを生み出すことから、地域ごとに異なる名前で呼ばれることもあります。例えば、ドイツ南西部のヴュルテンベルク地方では「シラーヴァイン」という名で親しまれてきました。この地域は温暖な気候で、ロートリングは力強くコクのある味わいのワインを生み出します。地元では、その力強い味わいを好んで日常的に楽しまれています。一方、ドイツ南西部のバーデン地方では「バーディッシュ・ロートゴルト」という、なんとも優美な名前で呼ばれています。バーデン地方はドイツ国内でも温暖な地域として知られ、日照量も豊富です。そのため、ロートリングはより熟成しやすく、芳醇な香りとまろやかな酸味が特徴の、エレガントなワインとなります。さらに、古くはドイツ東部のザクセン地方でも「シーラー」という名前で親しまれていました。この地域では、かつては高貴な身分の人々のみが口にできる貴重なワインとして扱われていたという記録も残っています。このように、ロートリングはそれぞれの土地で独自の呼び名を持ち、人々の生活に深く根ざしてきた歴史を感じさせます。そして、その歴史こそが、個性豊かな味わいの背景にあると言えるのではないでしょうか。
地域 | 呼称 | 特徴 |
---|---|---|
ドイツ南西部のヴュルテンベルク地方 | シラーヴァイン | 温暖な気候で育った、力強くコクのある味わい |
ドイツ南西部のバーデン地方 | バーディッシュ・ロートゴルト | 温暖な気候と豊富な日照量により、芳醇な香りとまろやかな酸味が特徴のエレガントな味わい |
ドイツ東部のザクセン地方 | シーラー | かつては高貴な身分の人々のみが口にした貴重なワイン |
高品質の証、厳しい基準
– 高品質の証、厳しい基準
ロートリング社のワイン造りにおけるこだわりは、その厳しい品質基準に表れています。中でも、「シラーヴァイン」と「バーディッシュ・ロートゴルト」といった製品には、ドイツワイン法で定められた「クヴァリテーツワイン」を上回る厳しい基準が設けられています。
一体どれほど厳しいのかというと、例えば「シラーヴァイン」の場合、ブドウの栽培から瓶詰めまでの全ての工程において、細やかな規定が設けられています。具体的には、使用できるブドウの品種や栽培方法、糖度や酸度などの成分比率、熟成期間などが厳密に定められています。さらに、これらの規定をクリアしたワインだけが、最終審査に進むことができます。
「バーディッシュ・ロートゴルト」も同様に、厳しい品質基準をクリアしたワインだけが名乗ることのできる称号です。 こうして厳格な基準を設けることで、ロートリング社は、常に高品質なワインを世に送り出しているのです。そして、こうした姿勢は、消費者が安心してロートリング社のワインを選ぶことができる理由の一つとなっています。
基準 | 説明 |
---|---|
対象製品 | シラーヴァイン、バーディッシュ・ロートゴルト |
品質レベル | ドイツワイン法「クヴァリテーツワイン」 を上回る厳しい基準 |
規定例 | ・ 使用可能なブドウ品種 ・ 栽培方法 ・ 糖度や酸度などの成分比率 ・ 熟成期間 など |
審査 | 規定をクリアしたワインのみが最終審査へ |
幻のロマン、希少な存在
幻のロマン、希少な存在と呼ばれるワインは、かつてドイツで愛されていたものの、今ではほとんど目にすることがなくなりました。
その名は「ロートリング」。ドイツ語で「赤い小さなもの」を意味するこのワインは、その名の通り淡い赤色の外観が特徴です。
かつてはドイツの様々な地域で作られていましたが、時代の流れとともに栽培面積は減少し、今では幻の存在となってしまいました。
ロートリングと似た言葉に「シーラー」があります。
これはかつて、様々な品種を混ぜて作られるワイン「ゲミシュター・サッツ」を指す言葉として使われていました。
しかし、時代の変化とともに「ゲミシュター・サッツ」は姿を消し、「シーラー」という言葉も本来の意味で使われることは少なくなりました。
ロートリングも「シーラー」のように、かつては親しまれていたものの、時代の流れとともに人々の記憶から薄れていく、儚くも愛おしい存在と言えるでしょう。
名称 | 説明 |
---|---|
ロートリング | – ドイツ語で「赤い小さなもの」を意味する、淡い赤色のワイン – かつてはドイツの様々な地域で作られていたが、現在はほとんど見られない幻のワイン |
シーラー | – 元々は様々な品種を混ぜて作られるワイン「ゲミシュター・サッツ」を指す言葉 – 「ゲミシュター・サッツ」の衰退とともに、本来の意味で使われることは少なくなった |