ワイン用ブドウ栽培:コルドン仕立てとは?

ワイン用ブドウ栽培:コルドン仕立てとは?

ワインを知りたい

先生、「コルドン」ってどういう意味ですか?ワインの本でよく見かけるんですけど、いまいちよく分からなくて…

ワイン研究家

いい質問だね。「コルドン」は、ぶどうの木の仕立て方の一種なんだ。垣根仕立てって聞いたことあるかな?

ワインを知りたい

垣根仕立て…何となく聞いたことある気がします。ぶどうの木を柵に沿って育てる方法でしたっけ?

ワイン研究家

その通り!「コルドン」は、その垣根仕立ての中でも、前の年に伸びた枝を2つだけ残して短く切る方法なんだ。こうすることで、ぶどうの実がより美味しくなるように調整しているんだよ。

コルドンとは。

ぶどうの育て方である『垣根仕立て』には色々なやり方がありますが、『コルドン』もその一つです。『コルドン』は、前の年に実をつけた枝を二つ芽を残して短く切る方法です。作業は簡単で、機械を使うこともできます。

垣根仕立てとコルドン仕立て

垣根仕立てとコルドン仕立て

ワイン用ブドウの栽培において、垣根仕立ては世界中で広く採用されている仕立て方の一つです。その名の通り、ブドウの木を棚に沿って水平に誘引し、まるで生垣のように整然と仕立てることから、この名前が付けられました。

垣根仕立ては、太陽の光を効率よく受けることができるため、ブドウの成熟を促進し、品質向上に役立ちます。また、風通しが良くなるため、病気の発生を抑え、農薬の使用量を減らす効果も期待できます。さらに、機械化に適しており、作業効率の向上にもつながります。

垣根仕立てには、様々なバリエーションが存在しますが、その中でも代表的なものがコルドン仕立てです。コルドン仕立ては、主枝を横に伸ばし、そこから短い枝を垂直に伸ばしてブドウを付ける仕立て方です。この仕立て方は、樹勢が強く、収量が多い品種に適しており、高品質なワインの原料として広く利用されています。

このように、垣根仕立ては、ブドウの生育をコントロールし、高品質なワイン造りを目指す上で、非常に重要な役割を担っていると言えます。

仕立て方 説明 メリット その他
垣根仕立て ブドウの木を棚に沿って水平に誘引する仕立て方
  • 太陽の光を効率よく受けることができる
  • 風通しが良くなる
  • 機械化に適している
世界中で広く採用されている
コルドン仕立て 主枝を横に伸ばし、そこから短い枝を垂直に伸ばしてブドウを付ける仕立て方 樹勢が強く、収量が多い品種に適している 垣根仕立ての一種

コルドン仕立ての特徴

コルドン仕立ての特徴

– コルドン仕立ての特徴コルドン仕立ては、ブドウの木を水平に仕立てることで、太陽光を効率的に浴びさせ、質の高いブドウを収穫するための栽培方法です。その特徴は、冬の剪定作業にあります。冬になると、ブドウの木は葉を落とし、休眠期に入ります。この時期に、前年に伸びた枝を2芽だけ残して短く切り詰める「短梢剪定」を行います。この剪定方法こそが、コルドン仕立ての最大の特徴と言えるでしょう。具体的には、まず、地面から垂直に伸びる主幹から、両側に水平方向に枝を伸ばします。この水平に伸びる枝を「コルドン」と呼びます。そして、このコルドンから短い結果枝を発生させ、ブドウを収穫します。短梢剪定を行うことで、ブドウの木につく房の数を意図的に制限することができます。その結果、残された房に養分が集中し、糖度が高く、香り豊かな高品質なブドウを収穫することができるのです。コルドン仕立ては、剪定作業や管理に手間がかかりますが、高品質なブドウを安定して収穫できるため、世界中のワイン産地で広く採用されています。

特徴 詳細
仕立て方 ブドウの木を水平に仕立てる
目的 太陽光を効率的に浴びさせ、質の高いブドウを収穫する
剪定方法 短梢剪定(前年に伸びた枝を2芽だけ残して短く切り詰める)
剪定の効果
  • ブドウの房数を制限
  • 残された房に養分が集中
  • 糖度が高く、香り豊かな高品質なブドウを収穫
メリット 高品質なブドウを安定して収穫できる
デメリット 剪定作業や管理に手間がかかる

コルドン仕立てのメリット

コルドン仕立てのメリット

– コルドン仕立てのメリットコルドン仕立ては、ブドウの樹を水平に誘引し、そこから垂直に枝を伸ばしていく仕立て方で、他の仕立て方に比べて作業効率が良い点が大きな魅力です。まず、剪定作業においては、ブドウの樹の構造がシンプルなため、剪定する位置や枝の数が分かりやすく、作業が容易になります。そのため、剪定に慣れていない方でも、比較的短時間で作業を終えることができます。また、収穫作業においても、果実が一定の高さに揃って実るため、かがんだり、手を伸ばしたりする必要がなく、効率的に収穫することができます。腰への負担も軽減されるため、長時間の作業でも疲れにくく、収穫作業の効率化に繋がります。さらに、コルドン仕立ては機械化に適しているという点も大きなメリットです。剪定や収穫作業を機械化することで、大幅な労働時間の短縮人手不足の解消に繋がります。特に、近年問題となっている農業従事者の高齢化や人手不足の解決策としても、コルドン仕立ては有効な手段と言えるでしょう。これらのことから、コルドン仕立ては、大規模なブドウ畑や、効率的な栽培を目指す生産者にとって、非常に適した仕立て方と言えるでしょう。

項目 メリット
剪定作業 ブドウの樹の構造がシンプルなので、剪定箇所や枝数がわかりやすく、作業が容易。

剪定に慣れていない人でも、短時間で作業可能。
収穫作業 果実が一定の高さに揃うので、かがんだり、手を伸ばしたりする必要がなく、効率的に収穫できる。

腰への負担も軽減され、長時間の作業でも疲れにくい。
機械化 剪定や収穫作業の機械化に適している。

労働時間の短縮、人手不足の解消に繋がる。

コルドン仕立てのデメリット

コルドン仕立てのデメリット

コルドン仕立ては、狭い土地でも多くのブドウの木を栽培できる、収量の高い仕立て方として知られています。しかし、メリットばかりではありません。コルドン仕立ては、樹勢が強くなりすぎるという側面も持ち合わせています。
樹勢が強くなりすぎると、ブドウの木は葉っぱばかりが茂り、肝心の果実が大きく育たなくなってしまうことがあります。これは、ブドウの木が持つエネルギーが、果実ではなく葉っぱの成長に偏ってしまうために起こります。
さらに、樹勢が強いと、ブドウの成熟が遅れてしまうことがあります。成熟が遅れたブドウは、糖度が低く、酸味が強い、質の低いワインを生み出す原因となります。
また、樹勢が強すぎると、ブドウの木は病気にもかかりやすくなります。葉っぱが茂りすぎると、風通しが悪くなり、湿度が高くなるため、病気の原因となる菌が繁殖しやすい環境になってしまうのです。
このような問題を防ぐためには、土壌管理や剪定作業などを適切に行い、樹勢をコントロールすることが重要です。具体的には、窒素肥料の量を調整したり、剪定の際に枝の数を調整したりすることで、樹勢をコントロールします。
コルドン仕立てで質の高いブドウを収穫するためには、これらの点を踏まえ、適切な管理を行うように心がけましょう。

メリット デメリット 対策
狭い土地でも多くのブドウの木を栽培できる、収量が高い 樹勢が強くなりすぎる
– 葉っぱばかりが茂り、果実が大きく育たない
– ブドウの成熟が遅れる
– 病気にかかりやすい
土壌管理、剪定作業
– 窒素肥料の量調整
– 剪定で枝数を調整

コルドン仕立ての普及

コルドン仕立ての普及

ブドウの樹の仕立て方のひとつであるコルドン仕立ては、その名の通りフランスのボルドー地方発祥で、今では世界中のワイン産地で広く採用されています。
特に、ボルドー地方を代表する黒ブドウ品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローとの相性が良いことから、これらの品種が栽培されている地域で多く見られます。

コルドン仕立ては、地面と水平に張った太い枝に、そこから垂直に伸びる短い枝を等間隔に配置し、果実を実らせます。この仕立て方は、太陽の光を効率良く浴びることができ、風通しも良いため、ブドウの成熟を促進し、品質の高いワインを生み出すのに役立ちます。

日本では、冷涼な気候で知られる北海道や長野県などの産地で、このコルドン仕立てが多く取り入れられています。これらの地域では、太陽の光を最大限に活用し、ブドウをしっかりと成熟させることが重要となるため、コルドン仕立ては最適な仕立て方と言えるでしょう。

近年では、日本のさまざまな地域で、国際的に認められる高品質なワイン造りが盛んに行われていますが、その背景には、コルドン仕立てをはじめとする、それぞれの気候や土壌に適したブドウの栽培方法の研究と実践の積み重ねがあります。

仕立て方 特徴 メリット 栽培地域 栽培品種
コルドン仕立て 地面と水平に張った太い枝に、短い枝を垂直に配置 太陽光を効率良く浴びることができ、風通しが良い
ブドウの成熟を促進し、品質の高いワインを生み出す
フランス・ボルドー地方
世界中のワイン産地
日本:北海道、長野県など
カベルネ・ソーヴィニヨン
メルロー

まとめ

まとめ

ブドウの仕立て方の一つであるコルドン仕立ては、作業効率とブドウの品質という両面で多くの利点をもたらす優れた方法です。

コルドン仕立てでは、主枝を水平に誘引し、そこから果実を実らせる側枝を伸ばしていきます。この仕立て方は、栽培作業の効率化に大きく貢献します。たとえば、剪定や収穫などの作業が容易になり、作業時間の短縮や労力削減につながります。

また、コルドン仕立ては、ブドウの品質向上にも寄与します。太陽光を効率的に浴びることができるため、光合成が促進され、糖度の高い成熟したブドウを収穫することができます。その結果、高品質なワイン造りにつながります。

しかし、コルドン仕立てを採用する際には、いくつか注意すべき点があります。特に、樹勢のコントロールは重要な課題です。樹勢が強すぎると、ブドウの品質が低下する可能性があります。そのため、剪定や芽かきなどを適切に行い、樹勢を調整する必要があります。

最適な仕立て方は、ブドウ畑の環境や栽培するブドウの品種によって異なります。それぞれの土地や品種に最適な仕立て方を選択することが、高品質なワイン造りにとって非常に重要です。

項目 内容
仕立て方 コルドン仕立て
概要 主枝を水平に誘引し、側枝を伸ばす仕立て方
メリット
  • 作業効率が良い (剪定、収穫などが容易)
  • ブドウの品質向上 (糖度の高いブドウの収穫)
  • 高品質なワイン造り
注意点
  • 樹勢のコントロール (剪定や芽かきが必要)
その他 ブドウ畑の環境や品種に最適な仕立て方を選択することが重要
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