
シャブリを代表する生産者 ラ・シャブリジェンヌ
フランス東部、ブルゴーニュ地方のシャブリ地区に、「ラ・シャブリジェンヌ」という生産者共同組合があります。およそ300名の組合員からなるこの組織は、1923年に設立されました。当時のシャブリ地区は経済危機の真っただ中にあり、苦境を乗り越えようと、力を合わせて高品質なワイン造りを目指したことが設立のきっかけでした。
ラ・シャブリジェンヌの最大の特徴は、組合員からブドウではなく、搾汁した後の果汁である「マスト」を仕入れてワインを造っている点にあります。通常、ワインの生産者は自社の畑で収穫したブドウを使ってワインを造りますが、ラ・シャブリジェンヌの場合は組合員から集めたマストを使って、経験豊富な醸造チームが一括してワインを製造します。これは、ワインの品質を徹底的に管理するためです。組合員は、ラ・シャブリジェンヌの厳しい基準に合った高品質なブドウを栽培することに専念し、醸造は組合に一任します。こうして、栽培と醸造のプロフェッショナルがそれぞれの持ち場で力を発揮することで、高品質で安定したワインを造り上げているのです。