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伝統的なワイン造り:全房発酵の魅力に迫る

ワインは古くから人々に愛されてきたお酒であり、その製造方法も長い年月をかけて受け継がれてきました。伝統的なワイン造りの世界には、現代の技術では再現できない奥深い魅力があります。 近年、ワイン愛好家の間で注目を集めているのが「全房発酵」と呼ばれる伝統的な製法です。これは、ブドウの実を房から外さず、茎や種も一緒に発酵させるという、古来より伝わるワイン造りの技法です。 現代のワイン造りでは、ブドウの実だけを発酵させることが一般的ですが、全房発酵では、茎や種に含まれるタンニンや風味成分がワインに溶け込み、複雑で深みのある味わいを生み出すとされています。 さらに、全房発酵によってワインに独特の香りが加わることも魅力の一つです。茎や種に由来するほのかな苦味やスパイシーな香りが、ワインに複雑さと奥行きを与え、豊かなアロマを楽しむことができます。 このように、全房発酵は、伝統的な製法ならではの複雑な味わいと豊かな香りが魅力のワインを生み出す、古くて新しいワイン造りの手法として、再び注目を集めているのです。
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ワインの品質を決める選果とは

- 選果品質を決める最初の関門ワインは、ブドウの出来栄えで味が決まると言っても過言ではありません。美味しいワインを造るためには、健全で完熟した良質なブドウだけを使うことが不可欠です。しかし、畑で育ったブドウは、すべてが完璧な状態であるとは限りません。中には、虫に食われたものや、病気になったもの、未熟なもの、傷ついたものなどが混ざっています。そこで重要な役割を担うのが「選果」という作業です。選果とは、収穫されたブドウの中から、ワインの原料としてふさわしくないものを取り除き、良質なブドウだけを選別する工程を指します。具体的には、未熟な実や傷んだ実、葉っぱや茎、虫などが含まれていないかを、人の手や専用の機械を使って丁寧に確認していきます。選果は、ワインの品質を左右する重要な要素の一つと言えるでしょう。なぜなら、選果の良し悪しによって、ワインの香りや味わいが大きく変わるからです。例えば、傷んだブドウが混入すると、ワインに雑味や渋みが生じてしまいます。また、未熟なブドウが多いと、ワインに青臭さが残ったり、酸味が強くなりすぎたりすることがあります。選果は、主に人の手によって行われることが多く、熟練した技術と経験が必要です。近年では、光学センサーなどを用いた選果機械も導入されつつありますが、それでも最終的には人の目で確認することが重要視されています。それほど、選果は、ワイン造りの最初の、そして非常に重要なステップと言えるでしょう。
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ワインの輝きを生む「清澄」の秘密

黄金色に輝く白ワイン、ルビーのように透き通った赤ワイン。その美しさは、ひと目で私たちの心を奪い、ワインの魅力をより一層引き立てます。しかし、自然とこのような美しい姿になるかというと、そうではありません。生まれたままのワインは、澱(おり)や微小な粒子が混ざり合い、濁っていて輝きも乏しいものです。実は、ワイン造りの過程で行われる「清澄」という作業こそが、私たちが目にする透き通った輝きを生み出すために重要な役割を果たしているのです。 清澄とは、ワインの中に浮遊する微粒子を沈殿させ、取り除く作業のことです。この作業により、濁りの原因となる物質が除去され、ワイン本来の美しい色合いが引き出されます。さらに、雑味や渋みが抑えられ、まろやかで洗練された味わいに仕上がります。 清澄には、伝統的な方法から近代的な技術まで様々な方法が用いられます。例えば、卵白やゼラチンなどを用いて微粒子を吸着させる方法や、フィルターを通して物理的に除去する方法などがあります。 美しい輝きを放つワインは、造り手の丁寧な仕事と、自然の恵みが見事に調和した結果と言えるでしょう。
その他

世界三大貴腐ワインの魅力

- 貴腐ワインとは貴腐ワインとは、「貴腐菌」と呼ばれる特殊な菌によって生み出される、蜂蜜のように甘美なデザートワインのことです。貴腐菌が発生するには、朝晩の霧と日中の乾燥した晴天という、特別な気候条件が必要です。霧によってブドウ園に湿度がもたらされ、貴腐菌が活動を始めます。貴腐菌はブドウの果皮に付着すると、その実を覆う薄い膜に小さな穴を開けます。すると、日中の太陽の光と風によって、ブドウ内の水分が蒸発し、糖分が凝縮されるのです。こうして貴腐菌の作用を受けたブドウは、まるで干しブドウのように縮んでいきます。しかし、その中には、凝縮された芳醇な香りと、蜂蜜のような濃厚な甘みがぎゅっと詰まっているのです。貴腐ワインの特徴は、この濃厚な甘みと芳醇な香りにあります。アプリコットや蜂蜜、オレンジピールなどを思わせる複雑で豊かな香りが、とろけるような甘さと共に口いっぱいに広がります。貴腐ワインは、その希少性から「ワインの帝王」とも呼ばれ、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。
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ドイツの泡、ゼクトb.A.の魅力

発泡ワインと聞いて、まず思い浮かぶのは華やかな泡立ちと、口の中に広がる爽快な刺激ではないでしょうか。世界中で愛される発泡ワインですが、その中でも「ゼクトb.A.」は、ドイツの厳格な基準をクリアした高品質な発泡ワインとして知られています。 「ゼクトb.A.」の最大の特徴は、20℃の環境下で3.5気圧以上という高い炭酸ガス圧を持っていることです。これは、瓶内に閉じ込められた炭酸ガスが、開栓と同時に勢いよく解き放たれることを意味し、グラスに注がれた瞬間に立ち上る、きめ細やかで美しい泡立ちを生み出します。また、アルコール度数は10%以上と、一般的なワインに比べてやや高めに設定されており、芳醇な香りと濃厚な味わいが楽しめます。 このシュワシュワとした泡は、大きく分けて「一次発酵」と「二次発酵」という二つの方法で作られます。一次発酵は、ブドウに含まれる糖分を酵母が分解し、アルコールと炭酸ガスを生成する工程です。一方、二次発酵は、瓶詰め後にさらに糖分と酵母を加え、瓶の中で再び発酵させることで、よりきめ細かい泡立ちを実現する方法です。 「ゼクトb.A.」は、ドイツの伝統的な製法を守りながら、高品質なブドウのみを使用し、丁寧に造られています。その品質の高さは、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。
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ドイツの泡、ゼクトの魅力を探る

黄金色に輝く液体の中を、軽やかに泡が立ち上る。その美しい光景と、口に含んだ時の爽快感は、発泡ワインならではの楽しみと言えるでしょう。お祝いの席や特別な時間を華やかに演出してくれることから、世界中で愛されています。 日本ではシャンパンが広く知られていますが、実は、国や地域によって様々な種類の発泡ワインが存在します。フランスのシャンパーニュ地方で作られたものがシャンパンと呼ばれるように、それぞれの土地で独自の製法や味わいが育まれてきたのです。 今回ご紹介する「ゼクト」も、そんな個性豊かな発泡ワインの一つ。ドイツで愛されている発泡ワインです。ドイツの厳格な法律に基づいて作られており、その品質の高さには定評があります。 日々の暮らしにちょっとした贅沢を添えてくれるゼクト。その魅力を、これから紐解いていきましょう。
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ドイツの泡、ゼクトの魅力を探る

- 発泡ワイン、ゼクトとはゼクトとは、ドイツで生まれる発泡性ワインのことを指し、その品質の高さが評価され、世界中で親しまれています。 ドイツの法律では、20℃の環境下で3.5気圧以上の炭酸ガス圧を持ち、アルコール度数が10%以上のものがゼクトと定義されています。これは、シャンパンやスパークリングワインと同様に、開栓時に心地よい泡立ちを楽しむための基準となっています。ゼクトの魅力は、何と言ってもその多様な味わいにあります。口に含むと、爽やかな酸味と果実を思わせる香りが鼻をくすぐるものから、複雑に絡み合った豊かな味わいが特徴のものまで、実に様々なスタイルが存在します。ブドウの品種も、主要品種であるリースリングをはじめ、ピノ・ノワールやシャルドネなど、多岐にわたります。それぞれのブドウが持つ個性が、ゼクトの味わいに奥行きと複雑さを与えています。また、製法にもこだわりがあり、瓶内二次発酵という伝統的な製法を用いることで、きめ細やかで持続性のある泡立ちを実現しています。このように、高品質で多様な味わいが楽しめるゼクトは、特別な日の乾杯はもちろん、日常的に楽しむお酒としてもおすすめです。 是非、様々なゼクトを試して、お気に入りの一本を見つけてみてください。
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ワイン産地:二つのセントラル・ヴァレー

ワイン愛好家の間で「セントラル・ヴァレー」の名は、まずアメリカのカリフォルニアを思い起こさせるでしょう。広大な土地で育まれたブドウから生まれる、太陽の恵みをたっぷり受けたワインは、世界中で愛飲されています。しかし、地球の反対側、南米大陸に位置するチリにも、同じ「セントラル・ヴァレー」の名を持つ、広大なワイン産地が存在します。 チリのセントラル・ヴァレーは、アンデス山脈の麓から太平洋に向かって広がる肥沃な大地です。温暖な気候と豊富な水資源に恵まれ、古くから農業が盛んな地域として知られてきました。そして、カリフォルニア同様、この地でもブドウ栽培が盛んに行われ、チリワインの中心地として重要な役割を担っています。 カルメネールやカベルネ・ソーヴィニヨンなど、国際的に人気の高い品種から、 país(パイス)のようなチリ固有の品種まで、多様なブドウが栽培されているのも特徴です。力強く濃厚な味わいのものから、フルーティーで軽やかなものまで、幅広いスタイルのワインが楽しめるのも魅力です。二つのセントラル・ヴァレーは、地球の反対側に位置しながらも、どちらもそれぞれの国のワイン生産を語る上で欠かせない存在です。同じ名前を持ちながら、異なる個性を持つワインを生み出す、二つのセントラル・ヴァレー。機会があれば、飲み比べてみるのも面白いでしょう。
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多様性豊かなセントラル・コーストのワイン

カリフォルニア州の中部に広がるセントラル・コーストは、その名の通り海岸線に沿って南北に長く伸びたワイン産地です。その距離は、実に400kmにも及びます。これは、日本の本州がすっぽりと入ってしまうほどの広大な範囲です。 広大な土地には、当然ながら様々な表情の自然が広がっています。太陽の光を燦々と浴びる温暖な地域もあれば、海からの冷涼な風が吹き抜ける地域もあり、変化に富んだ気候を生み出しています。土壌もまた多種多様で、場所によってその組成は大きく異なります。 恵まれた気候と土壌の多様性こそが、セントラル・コーストのワインを語る上で欠かせない要素です。個性豊かなブドウが育ち、産地によって味わいの異なる多種多様なワインが造り出されています。温暖な地域では、果実味豊かな力強い味わいのワインが、冷涼な地域では、酸味とミネラル感が調和した繊細な味わいのワインが生まれます。 このように、一つの地域でありながら、様々な顔を持つセントラル・コーストは、ワイン愛好者にとってまさに宝箱のような場所と言えるでしょう。
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多様な顔を持つカリフォルニアの銘醸地、セントラル・コースト

カリフォルニアの燦燦と輝く太陽と青い海が広がる海岸線には、広大なワイン産地「セントラル・コースト」が存在します。サンフランシスコを北端とし、南はロサンゼルスの手前まで、その距離なんと約400キロメートル。雄大な海岸線を舞台に、ブドウ畑が延々と続いています。 南北に長く伸びる地形が生み出す多様な気候と土壌こそが、セントラル・コースト最大の魅力と言えるでしょう。太陽の光を燦燦と浴びる温暖な地域もあれば、冷たい海風を受ける冷涼な地域もあり、場所によって異なる顔を見せます。その結果、この地域では驚くほど多種多様なブドウ品種が栽培され、個性豊かなワインが生み出されているのです。 太陽の恵みをたっぷり浴びた芳醇な赤ワイン、キリッとした酸味が爽やかな白ワイン、繊細な泡立ちが魅力のスパークリングワインなど、バラエティ豊かなラインナップが揃っています。温暖な地域では濃厚な味わいのワインが、冷涼な地域では繊細で上品な味わいのワインが楽しめるのも、セントラル・コーストならではの魅力と言えるでしょう。 雄大な自然と多様なワインが生み出す魅力。それが、カリフォルニアの海岸線を彩るセントラル・コーストなのです。
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冷涼の地が生むエレガンス、セントラル・オタゴのピノ・ノワール

- ニュージーランドのワイン産地、セントラル・オタゴニュージーランドの最南端に位置するセントラル・オタゴは、地球上で最も南に位置するワイン産地の一つとして知られています。雄大なサザンアルプス山脈に囲まれ、氷河が削り出した谷間には、ターコイズブルーに輝くワカティプ湖やハウェア湖など、息をのむほど美しい湖が点在しています。この地域でブドウ栽培が始まったのは1800年代後半のことですが、本格的なワイン造りが始まったのは1970年代と、比較的歴史の浅い産地です。セントラル・オタゴは、昼夜の寒暖差が大きい大陸性気候が特徴です。乾燥した気候と長い日照時間は、ブドウをゆっくりと成熟させ、凝縮感のある果実を生み出します。特に、この地域はピノ・ノワールの栽培に最適な環境として知られており、世界的に高い評価を受けています。その味わいは、チェリーやベリー系の赤い果実のアロマ、繊細なタンニン、エレガントな酸味が特徴です。また、ピノ・ノワールの他に、シャルドネ、リースリング、ソーヴィニヨン・ブランなどの品種も栽培されており、高品質なワインを生み出しています。近年では、ピノ・グリやゲヴュルツトラミネールなど、個性的な品種の栽培も盛んになりつつあります。セントラル・オタゴは、その美しい景観と、高品質なワインが楽しめることから、近年多くの観光客が訪れるようになりました。ワイナリー巡りや、湖でのアクティビティなど、自然と触れ合いながら、極上のワインを堪能できる場所と言えるでしょう。
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隠れた名産地セント・ヘレナを探る

カリフォルニア州の燦々と太陽が降り注ぐ大地に広がるナパ・ヴァレー。その中心で、ひときわ輝きを放つ小さな銘醸地、それがセント・ヘレナです。有名なラザフォードの北に位置し、穏やかな日差しと爽やかな風が、ブドウ畑を優しく包み込みます。昼夜の寒暖差は、ブドウに豊かな香りと味わいを凝縮させる、まさにワイン造りのための理想的な環境と言えるでしょう。 この地で生まれるワインは、力強さと繊細さの完璧な調和で知られています。ナパ・ヴァレー特有の力強い風味を持ちながらも、セント・ヘレナ独自のテロワールから生まれるエレガントな味わいは、世界中のワイン愛好家を虜にしています。熟した果実を思わせる濃厚なアロマ、芳醇な風味、そして長い余韻は、まさに至福のひとときを演出してくれるでしょう。 セント・ヘレナには、家族経営の小さなワイナリーから、世界的に有名なワイナリーまで、個性豊かな生産者が軒を連ねています。それぞれの生産者が、この土地への愛情と、高品質なワイン造りへの情熱を注ぎ込み、唯一無二のワインを生み出しています。ナパ・ヴァレーを訪れる機会があれば、ぜひセント・ヘレナの珠玉のワインを味わってみてください。きっと忘れられない感動体験となるでしょう。
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ワイン造りの伝統と革新:セレクション・マッサル

広大な土地に整然と並ぶブドウの樹々。ワイン造りにおいて、ブドウ畑はまさに命の源と言えるでしょう。ひと目見ただけでは、どれも同じように見えるかもしれません。しかし、長年ワイン造りに関わってきた人々にとって、その一本一本には個性があり、長い歴史が刻まれているのです。 代々受け継がれてきたブドウ畑には、その土地の気候や土壌に特に適応した、いわば「選りすぐり」のブドウの樹が存在します。厳しい冬を乗り越え、夏の強い日差しを浴びて育ったブドウは、その土地ならではの味わいを凝縮しています。代々受け継がれてきた畑には、そうした土地の記憶が、ブドウの樹一本一本に刻み込まれていると言えるでしょう。 しかし、ブドウ畑の継承は、決して容易な道のりではありません。長年の経験と知識、そして愛情が必要とされるからです。それでもなお、多くの造り手たちが、先祖代々のブドウ畑を守り続けています。それは、その土地の個性を表現するワイン造りへの情熱、そして未来へと続く物語を紡ぎたいという強い想いがあるからに他なりません。
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甘美なる世界:セレクション・ド・グラン・ノーヴル

フランス北東部に位置するアルザス地方。その地で生まれる甘美なデザートワインこそ、「セレクション・ド・グラン・ノーヴル」です。この魅惑的なワインは、貴腐と呼ばれる特殊な菌の働きによって生み出されます。 秋が深まり、朝晩の気温差が大きくなると、ブドウ畑には貴腐菌が発生しやすくなります。貴腐菌は、完熟したブドウの果皮に付着し、小さな穴を開けてしまいます。すると、その穴から水分が蒸発し、ブドウの果汁は濃縮されていきます。 貴腐菌の活動によって、ブドウはまるで干し葡萄のように縮んでいきますが、その中には凝縮された糖分と、蜂蜜やアプリコット、ドライフルーツなどを思わせる複雑な香りが閉じ込められています。 セレクション・ド・グラン・ノーヴルは、この貴腐によって劇的に変化を遂げたブドウのみを使用して造られます。そのため、生産量は限られ、まさに自然の奇跡と呼ぶにふさわしい貴重なワインと言えるでしょう。口に含むと、芳醇な甘みが広がり、長く続く余韻は至福のひとときを演出します。
道具

ワインセラーのススメ

- ワインセラーとはワインセラーとは、ワインを適切な環境で熟成・貯蔵するために作られた専用の部屋または箱のことです。ワインは生き物のように変化し続ける飲み物であり、保管場所の温度や湿度、光、振動などの影響を大きく受けます。そのため、その品質を保ち、より美味しく熟成させるためには、最適な環境が必要です。ワインセラーは、これらの要素を機械を使って細かく調整し、ワインにとって理想的な環境を作り出します。温度は12度から14度程度に保たれ、急激な温度変化を防ぎます。湿度は、コルクの乾燥を防ぎ、酸化からワインを守るために、60%から70%程度に保たれます。また、太陽光や蛍光灯などの光はワインの劣化を早めるため、ワインセラー内は暗く保たれます。さらに、振動もワインに悪影響を与えるため、振動を抑える工夫が凝らされています。ワインセラーは、ワインを適切な環境で保管することで、その品質を長く維持し、本来の美味しさを最大限に引き出すためのものです。ワイン愛好家にとって、ワインセラーは欠かせない存在と言えるでしょう。
品種

ワインの陰の立役者 セミヨン

- セミヨンとはセミヨンは、フランス南西部に広がるボルドー地方を生まれ故郷とする、白ブドウの一種です。温暖で穏やかな気候と、水はけの良い石灰質の土壌を好みます。その生育のしやすさから、今では世界各地で栽培されています。この品種は、栽培が比較的容易で、毎年安定した量のブドウを収穫できるという特徴があります。ワインの原料となるブドウがコンスタントに手に入るため、ワイン生産者にとっては非常に心強い存在と言えるでしょう。セミヨンから造られるワインは、蜂蜜やアプリコットを思わせる、豊かで甘い香りが特徴です。口に含むと、ふくよかな果実味と、まろやかな酸味が広がります。熟成が進むにつれて、ナッツやスパイスの香りが複雑さを増し、より深みのある味わいに変化していきます。ボルドー地方では、ソーヴィニヨン・ブランやミュスカデルなどのブドウとブレンドして、甘口から辛口まで様々なスタイルのワインが造られています。特に、貴腐ワインの原料としても有名で、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。
品種

縁の下の力持ち!セミヨンというブドウ

- セミヨンとはセミヨンは、フランスのボルドー地方で生まれた白ぶどうの品種です。栽培が比較的容易で、毎年コンスタントに実を付けるため、世界中のワイン生産者から重宝されています。しかし、セミヨンから作られるワインは、華やかで強い個性を持つタイプではありません。むしろ、口に含むと穏やかで落ち着いた印象を受けるでしょう。香りは、蜂蜜やアプリコット、白い花を思わせるものなど、繊細で上品なニュアンスを持っています。味わいは、果実本来の甘味と、キリッとした酸味が調和しており、厚みを感じさせながらも、後味はすっきりとしています。セミヨンは、他のブドウと一緒にブレンドされることも多く、その場合は、縁の下の力持ち的な役割を果たします。例えば、ソーヴィニヨン・ブランの爽やかな香りに、深みと複雑さを加えたり、シャルドネの豊かな味わいを、よりまろやかにまとめたりします。このように、セミヨンは、単独では控えめな印象でありながらも、他のブドウと組み合わせることで、その真価を発揮する、奥深い魅力を持ったブドウ品種と言えるでしょう。
ワインラベル

ワインの甘口レベル「セミセッコ」って?

イタリア料理を楽しむ際に、ワイン選びに迷った経験はありませんか? 特に、普段あまりワインを飲みなれない方にとって、ラベルに記載された様々な単語は、少々難解に感じるかもしれません。今回は、イタリアワインで見かける「セミセッコ」という表示についてご紹介します。 「セミセッコ」とは、イタリア語で「中辛口」を意味し、ワインの甘口レベルを示す言葉のひとつです。甘口と辛口の中間に位置し、ほんのりと甘みを感じながらも、さっぱりとした後味が特徴です。 イタリアでは、地域やブドウの品種によって、様々な味わいのセミセッコワインが造られています。例えば、ヴェネト州で有名な「プロセッコ」というスパークリングワインにも、セミセッコがあります。 プロセッコのセミセッコは、軽やかな泡立ちと、フルーティーな香りに、ほのかな甘みが加わり、心地よいバランスを生み出しています。食前酒としてはもちろん、デザートワインとしても楽しむことができます。 このように、「セミセッコ」と一言で言っても、ワインの種類や産地によって、その味わいは千差万別です。もし、イタリアワインを選ぶ際に「セミセッコ」という表示を見かけたら、ぜひ試してみてください。新しい発見があるかもしれません。
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ややドライ?セミセコワインの甘い誤解

ワインの世界は、甘口から辛口まで、実に様々な味わいが楽しめます。その多様な味わいのなかで、「セミセコ」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?「セミセコ」とは、スペイン語で「やや乾燥した」という意味を持ち、スパークリングワインとスティルワイン(発泡していないワイン)の両方に使用されます。ただし、スパークリングワインとスティルワインでは、セミセコに分類されるための残糖量が異なります。 スパークリングワインの場合、セミセコは1リットルあたり32~50グラムの残糖量を含むものを指します。これは、甘口と辛口の中間に位置し、ほのかな甘みを感じられるものの、後味は比較的すっきりとした味わいが特徴です。 一方、スティルワインにおいてセミセコは、1リットルあたり4~12グラムの残糖量を含みます。スパークリングワインと比較すると、甘みは控えめで、辛口に限りなく近い味わいです。 このように、セミセコはスパークリングワインとスティルワインで定義が異なるため、ラベルに記載されている残糖量を確認することが重要です。ワイン選びの際には、ぜひ「セミセコ」にも注目し、自分好みの味わいを発見してみてください。
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セミ・マセラシオン・カルボニック:果実味あふれるワイン造りの秘密

ワイン造りの現場では、ブドウが持つ潜在能力を最大限に引き出し、より風味豊かなワインを生み出すために、日々新たな技術や手法が研究されています。近年、特に注目を集めている技術の一つに、「マセラシオン・カルボニック」があります。 この手法の特徴は、発酵前のブドウを二酸化炭素で満たされたタンクの中で一定期間置くことです。すると、ブドウは酸素が少ない環境の中で、まるで息苦しさを感じるかのように、自身の持つエネルギーを果実の中に凝縮させていきます。そして、この過程でブドウの中に様々な芳香成分が生成され、フレッシュでフルーティーな香りが生まれます。 こうして生まれたワインは、口に含んだ瞬間に広がる華やかな香りと、軽やかでスムーズな飲み心地が特徴です。従来の方法で造られるワインとは異なる、みずみずしさとフルーティーさが際立つ独特の味わいは、多くのワイン愛好家を魅了しています。
テイスティング

セミセッコ:イタリアワインの甘口表現

- セミセッコとはイタリアのワインラベルで見かける「セミセッコ」という言葉。これは、イタリア語で「半辛口」または「やや甘口」を意味し、発泡しているスパークリングワインと、発泡していないスティルワインの両方に使われます。しかし、それぞれのワインの種類によって、具体的な甘さの度合いは異なるため注意が必要です。-# スパークリングワインの場合スパークリングワインにおいて「セミセッコ」は、残糖量が1リットルあたり32~50グラムと定義されています。これは、辛口に分類される「ブリュット」や「エクストラ・ドライ」よりも甘く、「ドルチェ」や「ドゥーモ」といった甘口ワインよりは辛口に仕上がっています。口に含むと、フレッシュな果実の甘味と爽やかな酸味が調和し、心地よい甘さを楽しむことができます。食前酒としてはもちろん、デザートワインとしても楽しむことができます。-# スティルワインの場合一方、スティルワインの場合は、スパークリングワインのように明確な残糖量の規定はありません。そのため、「セミセッコ」と表示されていても、造り手やワインのスタイルによって、甘さの程度はさまざまです。一般的には、ほんのりと甘味を感じる程度のものが多く、食事との相性を考慮して作られています。フルーティーな味わいのワインが多く、比較的軽い味わいの料理とよく合います。-# まとめ「セミセッコ」は、スパークリングワインとスティルワインのどちらにも使用される表現ですが、甘さの度合いはそれぞれ異なります。ラベルに記載されている情報を参考に、自分の好みに合ったワインを選びましょう。
テイスティング

知っておきたいワイン用語:セミセコ

- セミセコとはワインを選ぶ際、「甘口」「辛口」といった言葉を目にすることが多いでしょう。しかし、その中に「セミセコ」という表現を見かけることもあるかもしれません。これは、一体どのような味わいを示す言葉なのでしょうか。「セミセコ」は、スペイン語で「半辛口」を意味する言葉です。主にスペイン産のスパークリングワインと、スパークリングワイン以外のワインであるスティルワインに使用されます。ワインの甘辛度は、ブドウの果汁に含まれる糖分が、発酵の過程でアルコールに変化した後に、どれだけ残っているかによって決まります。この残った糖分のことを「残糖」と呼びます。「セミセコ」と表示されているワインの残糖量は、スパークリングワインとスティルワインでは、それぞれ定められた基準が異なります。スパークリングワインの場合、「セミセコ」は1リットルあたり32~50グラムの残糖量とされています。一方、スティルワインでは、1リットルあたり45グラム以下の残糖量と定められています。つまり、「セミセコ」と一口に言っても、スパークリングワインとスティルワインでは、甘さの感じ方が異なる場合があります。スペイン産のワインを選ぶ際には、「セミセコ」という表現にも注目してみると、新たな発見があるかもしれません。
ワインラベル

セミ・ジェネリック:アメリカワインの古き良き時代の名残

- セミ・ジェネリックとはかつて、アメリカのワイン業界には「セミ・ジェネリック」と呼ばれる、少々風変わりな慣習が存在していました。これは、アメリカのワインでありながら、ヨーロッパの有名なワイン産地の名をそのまま、あるいはほんの少しだけ変更してラベルに記載するというものでした。例えば、「ナパ・バレー シャブリ」や「カリフォルニア ハーティー・バーガンディー」といった具合です。もちろん、これらのワインはフランスのシャブリやブルゴーニュ地方で造られたものではありません。しかし、当時のアメリカの消費者は、まだ国内産のワインに馴染みが薄く、ヨーロッパのワイン、特にフランスワインに高い品質イメージを持っていました。そこで、販売戦略の一環として、ヨーロッパの銘醸地を思わせる名称を用いることで、消費者に「あの有名なワインと似たような味わいのワイン」という印象を与え、購買意欲を高めようとしたのです。しかし、このような曖昧な名称は、消費者に誤解を与える可能性も孕んでいました。そのため、1983年以降、アメリカと欧州連合(EU)の間で締結されたワインに関する協定により、新たに造られるワインに対しては、このような伝統的なヨーロッパの産地名を冠した名称の使用が禁止されることとなりました。ただし、協定締結以前に既に使用されていた一部の名称については、経過措置として現在も使用が認められています。そのため、現在でもアメリカのワインショップなどで、セミ・ジェネリックを見かけることがあるかもしれません。
品種

ワインの「セパージュ」って?

ワイン造りにおいて、ブドウはまさに「顔」とも呼ぶべき重要な要素です。なぜなら、ワインの味わいは、使われているブドウの品種によって大きく変わるからです。ブドウの品種によって、ワインに含まれる成分や香りが異なり、それが個性豊かな味わいを生み出します。 例えば、「カベルネ・ソーヴィニヨン」という品種は、力強い渋みを持つ赤ワインを生み出すことで知られています。しっかりとした骨格のある味わいは、ステーキなどの肉料理との相性が抜群です。一方、「シャルドネ」という品種は、爽やかな酸味と果実味あふれる香りが特徴の白ワインを生み出します。こちらは、魚介料理やサラダなど、軽めの料理と合わせるのがおすすめです。 このように、同じワインであっても、ブドウの品種によって味わいは大きく異なります。ワイン選びの際には、ぜひブドウの品種にも注目してみてください。きっと、お好みの味わいのワインを見つけることができるでしょう。