イタリアワインを支える黒ぶどう、コルヴィーナの魅力
ワインを知りたい
先生、「コルヴィーナ」って、どんなぶどう品種ですか?
ワイン研究家
いい質問だね。「コルヴィーナ」はイタリアのヴェネト州が原産の黒ぶどうだよ。特に、ヴァルポリチェッラやバルドリーノといったワインの主要な品種として知られているんだ。
ワインを知りたい
ヴァルポリチェッラ…聞いたことあります!でも、コルヴィーナだけで作られたワインもあるんですか?
ワイン研究家
単独のものもあるけど、ブレンドされることも多いね。陰干しすると、凝縮した味わいの「アマローネ」や「レチョート」といった有名なワインになるんだよ!
コルヴィーナとは。
「コルヴィーナ」は、イタリアのヴェネト州で作られている黒ぶどうの種類の名前です。別名「コルヴィーナ・ヴェロネーゼ」とも呼ばれています。このぶどうは、ヴァルポリチェッラやバルドリーノといった指定産地証印ワインの主な原料となっています。また、陰干しすることで、アマローネやレチョートといった、すばらしい赤ワインを生み出すことができます。
ヴェネト州が生んだ主要品種
イタリア北東部に位置し、アドリア海に面した温暖な土地、ヴェネト州。ここは多種多様なぶどうが栽培され、ワインの一大産地として知られています。その中でも特に重要な黒ぶどう品種の一つが「コルヴィーナ」です。
別名「コルヴィーナ・ヴェロネーゼ」とも呼ばれるこの品種は、その名の通り、州の中心都市ヴェローナ周辺を産地としています。その名前の由来は、果皮の色がカラスのように黒いことからきており、イタリア語でカラスを意味する「Corvo(コルヴォ)」に由来すると言われています。
コルヴィーナから作られるワインは、しっかりとした骨格を持ちながらも、滑らかでまろやかな口当たりが特徴です。熟したプラムやチェリーを思わせる果実香に加え、ほのかなスパイスの香りが感じられます。また、熟成によってドライフルーツやチョコレート、なめし革など複雑な香りが現れ、味わいに深みが増していきます。
ヴェネト州を代表する赤ワインである「アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ」や「ヴァルポリチェッラ・リパッソ」など、高級ワインの主要品種として使用されているコルヴィーナは、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。
項目 | 内容 |
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品種名 | コルヴィーナ (コルヴィーナ・ヴェロネーゼ) |
産地 | イタリア、ヴェネト州、ヴェローナ周辺 |
名前の由来 | 果皮の色がカラスのように黒いことから (イタリア語でカラスはCorvo) |
ワインの特徴 |
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代表的なワイン | アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ、ヴァルポリチェッラ・リパッソ |
ヴァルポリチェッラの主役
イタリアを代表する赤ワインの産地として名高いヴァルポリチェッラ。その名を冠したワイン「ヴァルポリチェッラ」は、イタリア国内でも高い人気を誇り、世界中に多くのファンを持つワインです。このヴァルポリチェッラを語る上で欠かせないのが、主要品種であるコルヴィーナというブドウです。
コルヴィーナは、ヴァルポリチェッラの特徴である、鮮やかなルビー色と、チェリーやプラムを思わせる芳醇な果実香、そして程よい酸味とタンニンのバランスを生み出す、まさに心臓部と言える存在です。
実際に、ヴァルポリチェッラDOCの規定では、コルヴィーナの比率は45%~95%と定められており、その味わいの骨格を形成する役割を担っています。
また、コルヴィーナの活躍はヴァルポリチェッラだけに留まりません。同じくヴェネト州を代表する、あの有名なワイン「バルドリーノ」にも、コルヴィーナは重要な構成要素としてブレンドされています。
このように、コルヴィーナは、北イタリアを代表するブドウ品種として、多くのワイン愛好家を魅了し続けています。力強くも繊細な味わいを生み出す、まさに「ヴァルポリチェッラの主役」と呼ぶにふさわしい品種と言えるでしょう。
項目 | 内容 |
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ワイン名 | ヴァルポリチェッラ |
産地 | イタリア ヴェネト州 ヴァルポリチェッラ |
主要品種 | コルヴィーナ (DOC規定比率: 45%〜95%) |
特徴 | 鮮やかなルビー色、チェリーやプラムの芳醇な果実香、程よい酸味とタンニンのバランス |
その他 | コルヴィーナは「バルドリーノ」にも使用される。 |
陰干しによる凝縮感
コルヴィーナという品種のぶどうは、陰干しをすることで、さらにその持ち味が増すことで知られています。
収穫したばかりのぶどうを、風通しのよい場所に数ヶ月間つるして干していきます。
すると、ぶどうに含まれていた水分が徐々に抜けていき、その結果、糖度やエキス分が凝縮されていきます。
まるでぎゅっと絞り込んだように、凝縮された味わいは、濃厚で芳醇なアロマを生み出し、深いコクと複雑な味わいをワインにもたらします。
陰干しという伝統的な手法によって、コルヴィーナは、そのポテンシャルを最大限に引き出され、唯一無二の魅力を持つワインを生み出すのです。
工程 | 効果 | ワインへの影響 |
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収穫したぶどうを風通しのよい場所に数ヶ月間つるして干す(陰干し) | ・ぶどうの水分が抜け、糖度やエキス分が凝縮される。 | ・濃厚で芳醇なアロマが生まれる。・深いコクと複雑な味わいになる。 |
偉大なワインを生み出すポテンシャル
ブドウを陰干しすることで、凝縮感と複雑さを増した果実味が生まれます。この技法を用いることで、世界的に高く評価されているアマローネやレチョートといった、他に類を見ない偉大な赤ワインが誕生します。
アマローネは、力強く濃厚な味わいが特徴です。熟した果実の風味と、スパイスやチョコレートを思わせる複雑な香りが織りなす、重厚な味わいは、まさに王者の風格を感じさせます。長期間の熟成にも耐えうるその強さから、イタリアワインの王様と称されることもあります。
一方、レチョートは、貴腐ワインを思わせる芳醇な香りと、甘美な味わいが魅力です。とろけるような滑らかな口当たりと、熟した果実の濃厚な甘みが特徴で、デザートワインとして楽しまれています。
どちらも、ブドウの品種であるコルヴィーナの持つポテンシャルを最大限に引き出した、唯一無二のワインと言えるでしょう。
特徴 | アマローネ | レチョート |
---|---|---|
味わい | 力強く濃厚、熟した果実味とスパイスやチョコレートを思わせる複雑な香り | 貴腐ワインを思わせる芳醇な香りと甘美な味わい、とろけるような滑らかな口当たりと濃厚な甘み |
その他 | 長期間の熟成に耐えうる、イタリアワインの王様 | デザートワインとして楽しまれる |
多様な味わいを生み出す
コルヴィーナは、その多様な味わいが魅力のぶどう品種です。しかし、単独で醸造されることは珍しく、ロンディネッラやモリナーラといった他の土着品種とブレンドされることがほとんどです。それぞれの品種が持つ個性が、複雑に絡み合い、奥行きのある味わいを生み出します。
例えば、ロンディネッラは、ワインに華やかな香りとしっかりとした骨格を与え、モリナーラは、豊かな果実味と滑らかなタンニンを加えます。これらの個性的な味わいが、コルヴィーナの持つ豊かな果実味や酸味と見事に調和し、他に類を見ない複雑な味わいを生み出すのです。
コルヴィーナをブレンドして造られるワインは、そのスタイルも多岐に渡ります。みずみずしい果実味が弾ける、フレッシュでフルーティーな軽やかなワインから、長期間の熟成を経て、複雑な香りと深いコクを醸し出す重厚なワインまで、様々なスタイルを楽しむことができます。コルヴィーナは、まさにイタリアワインの魅力を体現する、奥深いぶどう品種と言えるでしょう。
品種 | 特徴 |
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コルヴィーナ | 豊かな果実味と酸味が特徴。単独では rarely used, 他の品種とブレンドされることが多い。 |
ロンディネッラ | 華やかな香りとしっかりとした骨格を与える。 |
モリナーラ | 豊かな果実味と滑らかなタンニンを加える。 |