ワインラベル

ワインの女王の風格!バルバレスコ・リゼルヴァとは

イタリア北西部に位置するピエモンテ州。そのなだらかな丘陵地帯に広がるブドウ畑から、イタリアワインの最高峰と称される「バルバレスコ」は生まれます。同じくピエモンテ州が誇る銘酒「バローロ」と並び称され、「ワインの王」と対をなす存在として、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。 バルバレスコは、その土地の名前を冠したワインです。霧の発生しやすい特別な環境で育まれたネッビオーロというブドウ品種のみを使用し、厳しい生産基準をクリアしたものだけが「バルバレスコ」を名乗ることを許されます。 グラスに注がれたバルバレスコは、深いルビー色に輝き、熟成するにつれてレンガ色へと変化していきます。口に含むと、力強く濃厚な味わいと複雑で繊細な香りが広がります。バラやスミレなどの華やかな香りに、トリュフやスパイス、なめし皮など熟成によって生まれる複雑な香りが重なり合い、長い余韻が楽しめます。 しっかりとしたタンニンを持つため、牛肉料理をはじめ、ジビエや熟成したチーズなど、風味の強い料理との相性が抜群です。大切な日のディナーや特別な記念日に、イタリアワインの最高峰「バルバレスコ」を味わってみてはいかがでしょうか。
生産地

イタリアワインの女王!バルバレスコの魅力

イタリア北西部に位置するピエモンテ州は、世界的に名高い銘醸地として知られています。中でも「ワインの王」と称されるバローロと双璧をなすのが、今回ご紹介する「バルバレスコ」です。 ピエモンテ州の南東部に位置するランゲ地区は、なだらかな丘陵地帯が広がり、ブドウ栽培に理想的な環境です。この地で、バルバレスコはネッビオーロという黒ブドウ品種から造られます。ネッビオーロは、晩熟で栽培が難しい品種として知られていますが、その分、力強く複雑で、長期熟成に適したワインを生み出します。 バルバレスコは、バローロと比べてタンニンが柔らかく、繊細でエレガントな味わいが特徴です。熟成すると、バラやスミレ、トリュフなどの複雑な香りが現れ、その優雅な味わいは、「バローロの弟」あるいは「イタリアワインの女王」と称され、多くのワイン愛好家を魅了しています。 しっかりとした骨格を持ちながら、滑らかな口当たりと長い余韻は、ジビエや熟成したチーズ、トリュフを使った料理など、豊かな味わいの料理との相性が抜群です。特別な日のディナーや、大切な人への贈り物にも最適な、まさにピエモンテの至宝と呼ぶにふさわしいワインです。
生産地

親しみやすい味わいのイタリアワイン、バルドリーノ

イタリア北東部に位置するヴェネト州は、アドリア海に面し温暖な気候と肥沃な土地が広がっています。この恵まれた環境の中、ヴェネト州では古くからワイン造りが盛んに行われてきました。数あるワインの中でも、バルドリーノはヴェネト州を代表するワインの一つとして知られています。 バルドリーノは、ガルダ湖の東側に広がる丘陵地帯で主に栽培されているコルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラといった土着品種から造られます。これらのブドウ品種を巧みにブレンドすることで、バルドリーノ特有の軽やかで親しみやすい味わいが生まれます。 ルビー色に輝く美しい色合いと、チェリーやプラムを思わせるフルーティーな香りが特徴です。口に含むと、フレッシュな果実味とともに、アーモンドのようなほのかな苦味が感じられます。この心地よい苦味が、料理との相性を広げるアクセントになっています。 バルドリーノは、その親しみやすさから、気軽にイタリアワインを楽しみたいという方にも最適です。前菜や軽めのパスタ、鶏肉料理など、様々な料理と合わせやすく、毎日の食卓を彩るワインとしてもおすすめです。豊かな歴史と伝統が育んだヴェネト州のワイン、バルドリーノをぜひ一度お試しください。
シャンパン

シャンパンの王様!バルタザールボトルとは?

バルタザールボトルとは バルタザールボトル、それはシャンパンの世界におけるまさに王者の風格を漂わせる、巨大なボトルです。その大きさは、なんと一般的なシャンパンボトル(750ml)の16本分に相当する、12,000mlものシャンパンを貯蔵することができます。想像してみてください。あの小さなボトルが16本分もこの中に詰まっているのです。その重量も驚異的で、約20kgにもなります。これは、大人の方でも持ち上げるのが大変な重さです。バルタザールボトルはその規格外の大きさ、そしてそこから感じられる豪華さゆえに、特別な祝いの場や高級レストランなどで使用されます。その姿は、まさに祝いの席に華を添える特別な存在と言えるでしょう。しかし、その希少性から、目にする機会は滅多にないと言えるでしょう。
生産地

黄金のデザートワイン、バルサックの魅力

フランス南西部に広がるボルドー地方。その中心部に位置するバルサック地区は、二つの川に挟まれた特別な環境にあります。朝になると、その二つの川の水温の違いから、周囲は深い霧に包まれます。この霧こそが、バルサックをバルサックたらしめる「貴腐」と呼ばれる特殊な現象を生み出す鍵なのです。 貴腐とは、ブドウの果皮に「貴腐菌」と呼ばれる菌が付着することで起こります。貴腐菌はブドウの果皮に小さな穴を開け、水分を蒸発させる働きがあります。その結果、ブドウはまるで干しブドウのように縮んでいきます。しかし、ただ縮むのではありません。ブドウの中の糖分や風味が凝縮され、独特の芳醇な香りを纏うようになるのです。 こうして生まれた貴腐ブドウは、通常のブドウとは全く異なる、黄金色に輝く美しい輝きを放ちます。そして、この貴腐ブドウから造られるのが、世界中で愛される極甘口ワイン「バルサック」なのです。バルサックは、蜂蜜やアプリコットを思わせる濃厚な甘みと、貴腐菌が生み出す複雑な香りが特徴です。一口飲めば、芳醇な香りが口いっぱいに広がり、至福の時間を与えてくれるでしょう。まさに、霧が育む奇跡のワインと呼ぶにふさわしい逸品です。
生産方法

ワインのバルク売り:大量生産の影の立役者

- バルク売りとは? ワインをこよなく愛する方々の中には、「バルク売り」という言葉に馴染みがない方もいらっしゃるかもしれません。ワイン造りの世界では、ブドウの栽培から醸造、瓶詰めまでを一貫して行う「自社ボトリング」が主流です。その一方で、今回ご紹介する「バルク売り」は、自社ボトリングとは全く異なる方法で取引されます。 簡単に説明すると、バルク売りとは、瓶詰め前の状態のワインを、タンク車やコンテナといった大きな容器に詰めて、他の事業者へまとめて販売することを指します。 バルク売りされたワインは、購入先の事業者によって、瓶詰め、ラベル貼り、販売が行われます。つまり、私たちが目にするワインの中には、異なる生産者によって作られたワインが、別の会社の名前で販売されているケースもあるのです。
生産地

ブルゴーニュの至宝、ラ・グランド・リュの魅力

ブルゴーニュ地方の中心に位置するヴォーヌ・ロマネ村。数々の銘醸畑がひしめくこの村で、ひときわ輝きを放つのが「ロマネ・コンティ」の名で知られる特級畑です。その比類なき品質と希少性から、世界中のワイン愛好家を魅了し続けてきました。 このロマネ・コンティに隣接し、その威光に肩を並べるのが、もう一つの特級畑「ラ・グランド・リュ」です。同じ村にありながら、土壌の微妙な違いや日照時間などの自然環境の違いが、それぞれのワインに個性を与えています。ラ・グランド・リュは、力強さと繊細さを兼ね備えた味わいが特徴です。 隣り合う二つの特級畑は、長い年月をかけてその評価を確立してきました。ロマネ・コンティに勝るとも劣らない、ラ・グランド・リュの魅力。それは、芳醇な香りと深い味わいに加え、限られた生産量が生み出す希少性にあります。 両者の関係は、まさに良きライバルと言えるでしょう。それぞれの個性を尊重し、高め合うことで、世界最高峰のワインを生み出し続けています。ブルゴーニュワインの奥深さを体感する上で、この二つの特級畑は、決して外すことのできない存在と言えるでしょう。
生産地

カバ新時代到来!注目の産地「バリュ・デル・エブロ」

スペインで長年親しまれてきた発泡性ワイン「カバ」。近年、その品質の高さは世界中で認められ、ますます人気が高まっています。2020年には、さらなる品質向上を目指し、新たな規定が施行されました。その改革の一つに、カバの生産地域を4つのゾーンに細分化するというものがあります。中でも注目を集めているのが「バリュ・デル・エブロ」という地域です。 「バリュ・デル・エブロ」は、スペイン北東部のカタルーニャ州に位置し、エブロ川流域に広がる温暖な気候の産地です。この地域は、古くからブドウ栽培が盛んで、土壌は石灰岩や粘土質など変化に富んでいます。そのため、多様な味わいのブドウが育ち、複雑で深みのあるカバを生み出すのに適した環境と言えます。 「バリュ・デル・エブロ」で造られるカバは、瓶内二次発酵によるきめ細やかな泡立ちと、果実本来の味わいを生かしたフレッシュな風味が特徴です。柑橘系の爽やかな香りに、白い花やハーブのニュアンスが感じられ、エレガントな印象を与えます。 近年、この地域では、有機栽培やビオディナミ農法など、環境に配慮した持続可能なブドウ栽培にも積極的に取り組んでいます。高品質なワイン造りへの情熱とたゆまぬ努力が、「バリュ・デル・エブロ」産カバの評価を高めていると言えるでしょう。
シャンパン

ヴーヴ・クリコの最高峰!ラ・グランダムの魅力に迫る

フランスのシャンパーニュ地方で作られる発泡ワイン、シャンパーニュ。数ある作り手のなかで、ひときわ目を引く黄色いラベルが印象的なのが、ヴーヴ・クリコです。 ヴーヴ・クリコは、1772年に創業した長い歴史を持つシャンパーニュメゾンです。その名前は、創業者の息子フィリップ・クリコが結婚した Barbe-Nicole Ponsardin という女性が由来となっています。夫の死後、若くして未亡人となった彼女は、「ヴーヴ・クリコ(クリコ未亡人)」の名で事業を引き継ぎ、類まれなる経営手腕でメゾンを大きく発展させました。 ヴーヴ・クリコは、最高品質のブドウだけを使用することにこだわり、きめ細やかでクリーミーな泡立ちと、フルーティーでありながら複雑な味わいが特徴です。その品質の高さから、ナポレオンをはじめ、多くの王侯貴族やセレブリティに愛飲されてきました。 現在でも、ヴーヴ・クリコのシャンパーニュは、世界中で特別な日のお祝いや、大切な人への贈り物として、多くの人に愛されています。華やかな席に金色に輝くボトルは、特別な時間をより一層輝かせてくれるでしょう。
道具

ワイン熟成の要!バリック(樽)とは?

ワインを語る上で欠かせない工程の一つに、熟成があります。そして、その熟成に深く関わるのが、樽の存在です。樽は、単なる貯蔵容器ではなく、ワインに複雑な風味や香りを与え、味わいに奥行きを生み出す、いわば「魔法の道具」と言えるでしょう。 新たなワインは、発酵を終えたばかりで、まだ味わいが荒削りな状態です。それを樽の中でじっくりと時間をかけて寝かせることで、角が取れてまろやかになり、芳醇な香りが生まれていきます。これは、樽の素材である木材から、様々な成分がワインに溶け出すためです。 特に、オーク材から作られた樽は、バニラやスパイス、ナッツなどを思わせる甘い香りをワインにもたらします。まるで、長い年月をかけて熟成されたチーズが、独特の風味を醸し出すように、ワインもまた、樽の中で静かに時を重ねることで、その真価を発揮していくのです。 熟成期間は、ワインの種類や目指す味わいによって異なります。数ヶ月で樽から出されるものもあれば、数年、あるいは数十年にわたって熟成されるものもあります。樽熟成は、まさに「ワインを育む」大切なプロセスであり、熟練した職人の経験と技術が求められます。
シャンパン

偉大なる女性の名を冠したシャンパーニュ、ラ・グランダム

鮮やかな黄色のラベルが目印のヴーヴ・クリコ。誰もが一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。その名は、シャンパーニュ地方を代表するメゾンの一つとして、世界中に知れ渡っています。 ヴーヴ・クリコの創業は1772年。フランス革命やナポレオン戦争など、激動の時代を乗り越えながら、2世紀以上にわたり、最高級のシャンパーニュを造り続けてきました。 メゾンの名前は、未亡人を意味する「ヴーヴ」と、創業家の姓「クリコ」を組み合わせたもの。若くして夫を亡くしたバルブ=ニコル・クリコ夫人が、類まれなる経営手腕でメゾンを世界的な成功に導いたことから、その名はシャンパーニュの代名詞とも言える存在になりました。 ヴーヴ・クリコのシャンパーニュの特徴は、フレッシュな果実味と、きめ細やかな泡立ち。シャルドネ種を主体としたブレンドにより、繊細でエレガントな味わいが生まれます。 祝い事の席に欠かせないシャンパーニュとして、ヴーヴ・クリコは世界中の人々に愛され続けています。
生産地

太陽の恵み! バニュルスワインの魅力

フランスと聞くと、ボルドーやブルゴーニュといった有名なワインの産地を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、フランスには、南仏の地中海に面した太陽の光が降り注ぐ場所に、バニュルスという個性的な甘口ワインを生み出す地域があるのです。今回は、この太陽の恵みをいっぱいに受けて育ったブドウから造られる、魅惑のバニュルスワインの世界へとご案内しましょう。バニュルスワインの特徴は、何と言ってもその甘さとコクにあります。貴腐ワインと似た濃厚な甘さを持ちながら、熟した果実の風味とスパイシーな香りが複雑に絡み合い、他に類を見ない独特の味わいを生み出しています。この芳醇な甘さは、地中海性気候の恩恵によるものです。長い日照時間と温暖な気候によってブドウはゆっくりと熟し、凝縮された甘みと豊かな香りを蓄積していくのです。バニュルスワインは、様々なブドウ品種から造られますが、主要な品種はグルナッシュです。グルナッシュは、この地域の気候に適応し、力強い果実味とコクのあるワインを生み出すのに最適な品種です。また、バニュルスワインは長期熟成にも適しており、熟成が進むにつれて、より複雑で円熟した味わいへと変化していきます。 バニュルスは、甘口ワインでありながら、力強さと気品を兼ね備えた奥深い味わいが魅力です。食後酒としてはもちろんのこと、フォアグラやブルーチーズなど、濃厚な味わいの料理との相性も抜群です。個性的なワインを求める方、新しい発見を楽しみたい方は、ぜひ一度、フランスの南の秘宝、バニュルスワインを試してみてはいかがでしょうか。
生産方法

ワインの味わいを深める、バトナージュの魔法

- バトナージュとは?ワイン造りにおいて、「バトナージュ」という言葉を耳にしたことはありますか?これは、ワインを熟成させる過程で欠かせない作業の一つを指します。ワインは、ただ樽の中で静かに時を重ねるだけで美味しくなるわけではありません。熟成期間中、ワインの成分は刻一刻と変化し、その過程で「澱(おり)」と呼ばれる沈殿物が生じ、樽の底にゆっくりと堆積していきます。この澱は、主に酵母やタンパク質、ポリフェノールなどの成分から構成されています。澱は、放置しておくとワインに悪影響を与えることもありますが、上手に活用することで、ワインに複雑な香りを与えたり、味わいにまろやかさを加えたりすることができます。そこで登場するのが「バトナージュ」です。バトナージュとは、専用の棒を使って、樽の底に沈んだ澱を液中に浮き上がらせ、ワインと混ぜ合わせる作業のことを指します。古くから伝わる伝統的な手法であるバトナージュは、澱を攪拌することで、ワインに以下の様な効果をもたらします。* まろやかで複雑な味わいを生み出す* ワインにコクと深みを与える* 香りをより豊かにする* ワインの熟成を促進するバトナージュを行う頻度や期間は、ワインの種類や目指す味わいに応じて異なります。熟練した職人の経験と感覚が、最高の状態に熟成したワインを生み出すために欠かせないのです。
品種

フランスの万能選手!ユニ・ブランの魅力

- ユニ・ブランとはユニ・ブランは、フランスで最も多く栽培されている白ブドウ品種です。特に南西部で多く栽培されており、その地域ではトレッビアーノという別名でも呼ばれています。このブドウの名前の由来は、その見た目から来ています。十分に熟したユニ・ブランは、黄金色に輝き、まるで太陽の光を浴びて燃え立つかのようです。その美しい姿は、多くの人々を魅了してきました。ユニ・ブランから作られるワインは、爽やかな酸味と豊かな果実味が特徴です。味わいは、栽培されている土壌や気候によって大きく変化します。冷涼な地域で育ったブドウからは、柑橘系の果物や白い花を思わせる、すっきりとした味わいのワインが生まれます。一方、温暖な地域で育ったブドウからは、熟した桃やアプリコット、蜂蜜のような甘い香りを持ち、コクのある味わいのワインが生まれます。ユニ・ブランは、単独で醸造されることもあれば、他のブドウ品種とブレンドされることもあります。その高い適応力から、様々なスタイルのワインを生み出すことができる、魅力的なブドウ品種と言えるでしょう。
生産地

個性豊かなワイン産地!ヤラ・ヴァレーを探訪

オーストラリア南東部に位置するヤラ・ヴァレーは、ヴィクトリア州を代表するワイン産地としてその名を轟かせています。州都メルボルンから車でおよそ1時間というアクセスの良さは、観光客にとっても大きな魅力です。なだらかな丘陵地帯を縫うように流れるヤラ川は、この地域に恵みをもたらし、ブドウ栽培にとって理想的な環境を生み出しています。 冷涼な気候風土は、高品質なシャルドネやピノ・ノワールの栽培に最適で、オーストラリア国内外で高い評価を得ています。特に、繊細な味わいと芳醇な香りが特徴のピノ・ノワールは、ヤラ・ヴァレーの看板品種と言えるでしょう。 また、ヤラ・ヴァレーは、1800年代から続く長いワイン造りの歴史と伝統を誇ります。古くから続くワイナリーから、新しい試みに挑戦するブティックワイナリーまで、個性豊かなワイナリーが数多く点在し、ワイン愛好家を魅了し続けています。 美しい景色を眺めながら、個性豊かなワインを味わえるのもヤラ・ヴァレーの魅力です。ワイナリー巡りを楽しめるのはもちろんのこと、レストランでは地元の食材を使った料理と共に、素晴らしいワインを楽しむことができます。 豊かな自然と、長い歴史が育んだ奥深い味わいは、訪れる人々に忘れられない思い出を刻むことでしょう。
気候

ワインの当たり年、外れ年?ヴィンテージの秘密

ワインを語る上で欠かせない要素の一つに、ブドウの出来具合、つまり「ヴィンテージ」があります。ヴィンテージとは、ブドウが収穫された年を指し、その年の天候がワインの味わいに大きく影響を与えるため、ワイン選びの重要な指標となっています。 太陽の光をたっぷり浴びて育ったブドウからは、果実味が豊かで、コクのある力強いワインが生まれます。反対に、日照時間が短く、雨がちで気温の低い年は、ブドウの成熟が遅くなり、酸味が際立つ、すっきりとした味わいのワインになります。 このように、ヴィンテージによってワインの個性は大きく変化します。 例えば、温暖な気候で知られるフランスのボルドー地方では、日照量が多かった年は、濃厚でタンニンもしっかりとした、長期熟成に向くワインが生まれます。一方、冷涼な気候のブルゴーニュ地方では、同じように日照量が多かった年でも、エレガントで繊細な味わいのワインとなります。 このように、同じ国でも地域やブドウの品種によって、ヴィンテージによる影響は異なります。そのため、ヴィンテージは、ワインを選ぶ上での重要な要素となるのです。
道具

ワインの世界における「バット」の役割

- ワイン造りにおける「バット」とはワイン造りの過程で、「バット」という言葉に出会うことがあるかもしれません。ワインを造るには、ブドウを潰して果汁を取り出し、酵母によってアルコール発酵させ、熟成させていきます。それぞれの工程で様々な道具や容器が使われますが、「バット」もその一つです。「バット」とは、ワインの醸造過程で使用される大きな容器のことで、英語では「Vat」と書きます。日本語では「桶」や「タンク」と訳されることもありますが、ワインの世界では、一般的に「バット」とそのまま呼ばれています。バットは、ブドウの果汁を発酵させたり、ワインを熟成させたりする際に使用されます。素材は、伝統的にはオーク材などの木材が使われてきました。近年では、ステンレス製やコンクリート製のものも使用されるようになってきています。それぞれの素材によって、ワインに与える影響が異なります。木製のバットは、ワインに独特の風味や香りを与え、ゆっくりと熟成させていくのに適しています。一方、ステンレス製やコンクリート製のバットは、ワインの鮮度や果実味を保つのに優れています。このように、バットはワイン造りにおいて重要な役割を担っています。ワインの個性は、ブドウの品種や産地だけでなく、醸造方法や使用する道具によっても大きく左右されます。つまり、バットもワインの味わいを決定づける要素の一つと言えるでしょう。
生産地

ワイン産地探訪:個性豊かなヤキマ・ヴァレー

近年、アメリカにおいてワインの生産地として注目を集めているワシントン州。その中でも、ヤキマ・ヴァレーは、1983年にワシントン州で初めて認定されたアメリカブドウ栽培地域(A.V.A.)として知られています。州の南部に位置するこの地域は、雄大なコロンビア・ヴァレーの中に広がり、その広大な土地は多種多様なブドウの栽培に適した環境にあります。 ヤキマ・ヴァレーがワイン産地として注目されるようになった背景には、その恵まれた気候条件があります。乾燥した気候と長い日照時間、そしてコロンビア川からの灌漑用水により、ブドウはゆっくりと成熟し、凝縮感のある果実を実らせます。その結果、風味豊かでバランスの取れた高品質なワインが生み出されるのです。 ワシントン州で初めて認定されたA.V.A.であるヤキマ・ヴァレーは、その長い歴史の中で、伝統的な栽培方法と最新の技術を融合させながら、高品質なワインを生産し続けてきました。現在では、世界的に評価されるワイン産地として、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。
その他

バッグ・イン・ボックスってなに?

- バッグ・イン・ボックスとはバッグ・イン・ボックスとは、読んで字のごとく、箱の中にワインの入った袋が入っているタイプのワインを指します。その形状から「BIB(ビブ)」と略されることもあります。3リットルや5リットルといった、通常のワインボトルよりもはるかに大きいサイズで販売されているのが特徴です。従来の瓶詰めに比べて、バッグ・イン・ボックスにはたくさんのメリットがあります。まず、一度に大量のワインを購入できるため、大人数で楽しみたいホームパーティーや、毎晩晩酌を楽しむ方などに最適です。また、箱に入っているため、瓶と比べて割れる心配がなく持ち運びに便利なのも嬉しい点です。さらに、飲み終わった後はコンパクトに畳んで捨てられるので、ゴミ処理も簡単です。そして、バッグ・イン・ボックス最大の特徴といえるのが、開封後も鮮度が長持ちしやすいという点です。ワインが入った袋は、空気を抜くことができる特殊な構造になっています。そのため、飲みかけのワインが空気に触れる機会が減り、酸化による品質劣化を最小限に抑えることができるのです。これは、一度に多くの量を消費できない場合でも、数日にわたって美味しいワインを楽しむことができるということを意味します。近年では、品質の高いワインをバッグ・イン・ボックスで販売するメーカーも増えています。気軽にたくさんワインを楽しみたいという方は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
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力強い味わいの源、モンフォルテ・ダルバを探る

イタリアワインの最高峰と評されるバローロ。その銘醸地であるピエモンテ州には、それぞれに個性を持つ11の村が存在します。その中でも特に、力強さと複雑な味わいで知られるワインを生み出す村が、モンフォルテ・ダルバです。 モンフォルテ・ダルバは、バローロ地区の中心部に位置し、「バローロの魂」とも呼ばれています。この村の畑は、南向きに広がる急斜面に位置し、日当たりと水はけが非常に良いという特徴があります。土壌は、主に石灰質と泥灰土からなり、これがバローロ特有の力強い骨格と複雑な風味を生み出す源となっています。 モンフォルテ・ダルバで造られるバローロは、凝縮した果実味、しっかりとしたタンニン、力強い構造が特徴です。その複雑な味わいは、長期熟成によってさらに深みを増し、年月とともに変化する様を楽しむことができます。熟成したバローロは、バラ、トリュフ、スパイスなどを思わせる複雑な香りを持ち、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。 力強さと複雑さの中に、気品漂う eleganza を感じさせるモンフォルテ・ダルバのバローロ。機会があれば、ぜひその味わいを体験してみてください。
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白ワインの最高峰!バタール・モンラッシェの魅力

フランスきっての銘醸地として名高いブルゴーニュ地方。その中でも特に有名なコート・ド・ボーヌ地区の南部には、ピュリニィ・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村という二つの村が存在します。この二つの村にまたがる緩やかな丘陵地帯こそ、世界最高峰の白ワインを生み出すと言われる特級畑「バタール・モンラッシェ」です。「バタール」とはフランス語で「私生児」を意味し、その名の由来は、かつてこの地を相続した騎士が、正式な息子と私生児に土地を分割したという言い伝えに由来すると言われています。すなわち、「バタール・モンラッシェ」とは「モンラッシェの落とし子」という意味を持つのです。 「モンラッシェの落とし子」と少々複雑な由来を持つ「バタール・モンラッシェ」ですが、その品質は「落とし子」と呼ぶにはあまりにも偉大です。ブドウは、太陽の光をふんだんに浴びることができる南東向きの斜面に植えられており、水はけのよい石灰質の土壌とあいまって、力強く複雑な味わいのブドウを育みます。 この地で造られる白ワインは、シャルドネ種というブドウから作られます。黄金色に輝くそのワインは、芳醇な果実香と濃厚な樽の香りが特徴で、コクと深みがありながらも、エレガントで洗練された味わいです。世界中のワイン愛好家を魅了してやまない「バタール・モンラッシェ」は、まさにブルゴーニュの、ひいてはフランスの誇りと言えるでしょう。
生産地

皇帝の名を冠する白ワインの頂点:コルトン・シャルルマーニュ

フランス東部、なだらかな丘陵地帯が広がるブルゴーニュ地方。その中心地であるコート・ド・ボーヌ地区の南部に、アロース・コルトンという小さな村があります。この村は、周囲をブドウ畑に囲まれた、まさにワイン造りのための場所と言えるでしょう。 アロース・コルトン村の丘陵地には、数多くのブドウ畑が mozaic のように広がっていますが、その中でもひときわ輝きを放つ特別な区画が存在します。それが、「コルトン・シャルルマーニュ」と名付けられた特級畑です。この特別な畑の名前は、8世紀にフランスを治めたカール大帝、フランス語でシャルルマーニュに由来します。かの皇帝がこよなく愛したと伝えられるこの地で造られるワインは、まさに「皇帝のワイン」と呼ぶにふさわしいでしょう。 「コルトン・シャルルマーニュ」で栽培されているブドウは、シャルドネ種と呼ばれる白ブドウの一種です。このブドウから造られる白ワインは、黄金色に輝き、蜂蜜やナッツ、白い花を思わせる華やかな香りを持ちます。口に含むと、豊かな果実味としっかりとした酸味、そしてミネラル感が絶妙なバランスで広がり、長く続く余韻が楽しめます。世界中のワイン愛好家を魅了してやまない、「コルトン・シャルルマーニュ」。その味わいは、まさにブルゴーニュの、そしてフランスの誇りと言えるでしょう。
テイスティング

ワインの涙が語る物語:粘性って?

ワインをグラスに注いだ後、グラスを傾けてしばらく置いてみましょう。すると、グラスの内側に液体が筋状に残る現象を目にすることがあります。これは、「ワインの涙」や「脚」などと呼ばれ、ワイン愛好家の間ではよく知られています。この現象こそ、ワインの粘性を視覚的に示すものなのです。 では、粘性とは一体何でしょうか?簡単に言うと、粘性とは、液体がどれだけ「とろみ」を持っているかを表す言葉です。例えば、水はさらさらとしていて抵抗なく流れますよね?これは粘性が低いと言えるでしょう。一方、蜂蜜は水に比べてねっとりとしていて、スプーンですくうと、ゆっくりと糸を引くように垂れ落ちます。これは粘性が高いと言えるでしょう。 ワインの粘性に影響を与える要素は様々ですが、その中でも特に重要なのが糖分とアルコール度数です。一般的に、糖分やアルコール度数が高いワインほど、粘性も高くなる傾向があります。デザートワインのように甘口の強いワインや、アルコール度数の高いワインをグラスに注ぐと、はっきりと「ワインの涙」が現れるのを観察できるでしょう。 しかし、粘性はあくまでもワインの個性の一部です。粘性が高いからといって、必ずしも品質が高いワインであるとは限りません。ワインを選ぶ際には、粘性だけに囚われず、香りや味わいなど、他の要素も総合的に判断することが大切です。
生産地

イタリア南部、バジリカータ州のワインを探求する

イタリア半島は、その形が長く伸びたブーツに似ていることから「イタリアンのブーツ」と表現されることがあります。そのブーツの土踏まずの部分に位置するのが、今回ご紹介するバジリカータ州です。 バジリカータ州は、イタリア半島の南部に位置し、南北に細長く伸びています。東側にはイオニア海、西側にはティレニア海と、三方を海に囲まれた温暖な気候が特徴です。内陸部は山岳地帯が広がり、火山活動の影響を受けた肥沃な土壌が多く見られます。 この恵まれた自然環境が、バジリカータ州のワイン造りに最適な条件を生み出しています。温暖な気候はブドウの生育を促し、火山性の土壌はブドウに豊かなミネラル分を与えます。その結果、力強く、複雑な味わいのワインが生まれます。 バジリカータ州は、まだ日本ではあまり知られていないワイン産地かもしれません。しかし、近年ではその品質の高さから、世界中のワイン愛好家から注目を集めています。 古代ギリシャ時代から続くワイン造りの歴史と、豊かな自然が育む高品質なワインを、ぜひ一度味わってみてください。