アンフォラ

道具

ワインの歴史を語る、アンフォラとは?

アンフォラとは、古代の人々がワインや油、穀物などを貯蔵したり、遠くの地へ運んだりするために使っていた素焼きの壺のことを指します。その歴史は古く、紀元前15世紀頃にはすでに地中海沿岸地域で広く利用されていたことが分かっています。現代のガラス瓶やステンレス製のタンクとは異なり、アンフォラは土を焼き固めて作られています。最大の特徴は、その素材である素焼きの土に無数の小さな穴が空いていることです。そのため、アンフォラは外気の影響を受けやすく、ワインに独特の風味を与えると言われています。アンフォラは、単なる貯蔵容器ではなく、ワインに複雑な味わいを加える「魔法の壺」として古代の人々に重宝されてきました。現代でも、その伝統的な製法や味わいが再評価され、アンフォラでワインを熟成させる醸造家が増えています。まるでタイムマシンに乗ったかのように、古代の製法で造られたワインを味わうことができるのも、アンフォラの魅力と言えるでしょう。
生産方法

古代ギリシャから続く神秘のワイン:レチーナ

- 松脂が織りなす独特の香りを持つワインギリシャで造られる白ワイン、レチーナ。その最大の特徴は、他では味わえない独特の松脂の香りにあります。ひと口含めば、まるで森林の中にいるかのような錯覚に陥るかもしれません。しかし、その香りの秘密は、ワインそのものに松脂を添加することではありません。それは、古代ギリシャ時代から受け継がれてきた伝統的なワイン製法に由来しています。当時、ワインの貯蔵に使用されていたのは、素焼きの壺、アンフォラでした。しかし、素焼きの壺は気密性に乏しく、ワインの酸化を防ぐためには工夫が必要でした。そこで、古代ギリシャの人々は、壺の口と蓋の間に松脂を塗って密閉するという方法を編み出しました。この松脂が、長い年月を経てワインに移り香りを与え、独特の風味を持つようになったのです。現代のレチーナは、ステンレス製のタンクで発酵させた後に、松脂を加えて短期間熟成させることで、その独特の風味を再現しています。松脂の量は、生産者によって異なり、その加減がワインの味わいを大きく左右します。口に含んだ時の松脂の香りの強弱や、後味に残る余韻の長さなど、生産者のこだわりが感じられるのも、レチーナの大きな魅力と言えるでしょう。