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ワイン熟成の要!バリック(樽)とは?

ワインを語る上で欠かせない工程の一つに、熟成があります。そして、その熟成に深く関わるのが、樽の存在です。樽は、単なる貯蔵容器ではなく、ワインに複雑な風味や香りを与え、味わいに奥行きを生み出す、いわば「魔法の道具」と言えるでしょう。 新たなワインは、発酵を終えたばかりで、まだ味わいが荒削りな状態です。それを樽の中でじっくりと時間をかけて寝かせることで、角が取れてまろやかになり、芳醇な香りが生まれていきます。これは、樽の素材である木材から、様々な成分がワインに溶け出すためです。 特に、オーク材から作られた樽は、バニラやスパイス、ナッツなどを思わせる甘い香りをワインにもたらします。まるで、長い年月をかけて熟成されたチーズが、独特の風味を醸し出すように、ワインもまた、樽の中で静かに時を重ねることで、その真価を発揮していくのです。 熟成期間は、ワインの種類や目指す味わいによって異なります。数ヶ月で樽から出されるものもあれば、数年、あるいは数十年にわたって熟成されるものもあります。樽熟成は、まさに「ワインを育む」大切なプロセスであり、熟練した職人の経験と技術が求められます。
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ワインの世界における「バット」の役割

- ワイン造りにおける「バット」とはワイン造りの過程で、「バット」という言葉に出会うことがあるかもしれません。ワインを造るには、ブドウを潰して果汁を取り出し、酵母によってアルコール発酵させ、熟成させていきます。それぞれの工程で様々な道具や容器が使われますが、「バット」もその一つです。「バット」とは、ワインの醸造過程で使用される大きな容器のことで、英語では「Vat」と書きます。日本語では「桶」や「タンク」と訳されることもありますが、ワインの世界では、一般的に「バット」とそのまま呼ばれています。バットは、ブドウの果汁を発酵させたり、ワインを熟成させたりする際に使用されます。素材は、伝統的にはオーク材などの木材が使われてきました。近年では、ステンレス製やコンクリート製のものも使用されるようになってきています。それぞれの素材によって、ワインに与える影響が異なります。木製のバットは、ワインに独特の風味や香りを与え、ゆっくりと熟成させていくのに適しています。一方、ステンレス製やコンクリート製のバットは、ワインの鮮度や果実味を保つのに優れています。このように、バットはワイン造りにおいて重要な役割を担っています。ワインの個性は、ブドウの品種や産地だけでなく、醸造方法や使用する道具によっても大きく左右されます。つまり、バットもワインの味わいを決定づける要素の一つと言えるでしょう。
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ワインの鮮度を保つ: バキュバンの使い方

ワインは、空気中の酸素に触れることで酸化が始まり、その過程で風味や香りが変化していきます。これは、切ったリンゴの色が変わるのと同じような現象です。 特に、繊細な味わいの白ワインやロゼワインは酸化の影響を受けやすく、開栓後数日で本来の爽やかさやフルーティーな香りが失われ、味がぼやけてしまうことがあります。一方、赤ワインはタンニンや色素成分が酸化を防ぐ役割を果たすため、白ワインやロゼワインに比べて比較的酸化に強く、長期保存にも向いています。しかし、だからといって赤ワインも無敵ではありません。長期間の保存では、やはり酸化による劣化は避けられません。 ワインの酸化を防ぐためには、ワインと空気の接触をできるだけ少なくすることが重要です。具体的には、開封後は空気に触れる面積を減らすために、瓶の中のワインを減らしてから冷蔵庫で保管したり、専用の保存器具を使用したりする方法があります。また、温度変化の少ない冷暗所に保管することも大切です。 ワインは生き物です。適切な方法で保存し、酸化を防ぐことで、その豊かな風味を長く楽しむことができます。
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ワインとコルク:その深遠な関係を探る

ワインを開ける時、誰もが楽しみにする瞬間があります。それは、「ポンッ」という心地よい音と共にコルクが抜ける瞬間ではないでしょうか。あの音を聞くと、いよいよ始まるワインとの時間への期待感が高まります。しかし、コルクは単にボトルを密閉し、開栓の瞬間を演出するだけの存在ではありません。ワインの世界では、品質と風味を守る大切な「守護者」として、重要な役割を担っているのです。 コルクは、主にコルクガシという木の樹皮から作られます。その弾力性と柔軟性は、ボトルの口をしっかりと塞ぎ、ワインを酸化から守る上で重要な役割を果たします。また、コルクには無数の小さな穴が存在し、わずかながら空気を通すことができます。これは、ワインをゆっくりと熟成させるために必要な「呼吸」を助ける役割を果たします。 さらに、コルクは他の素材と比べて、外部からのにおいや振動の影響を受けにくいという特性も持っています。ワインはデリケートな飲み物であり、外部の影響によって品質や風味が変化してしまうことがあります。その点、コルクは外部からの影響を最小限に抑え、ワインを理想的な状態で保存してくれるのです。 このように、コルクはワインにとって欠かせない存在です。次にワインを楽しむ際には、コルクにも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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ワインテイスティングの必須アイテム:吐器

- 吐器とはワインのテイスティングは、五感を研ぎ澄まし、そのワインが持つ個性を見極める、まさに職人技と言えるでしょう。しかし、一度にたくさんのワインを評価する場合、全て飲み込んでいては、アルコールの影響で感覚が鈍り、正確な判断ができなくなってしまいます。そこで活躍するのが「吐器」です。吐器とは、テイスティングしたワインを飲み込まずに吐き出すための容器のこと。ワインを口に含んだ後、飲み込まずに吐器に吐き出すことで、アルコールの摂取量を抑えながら、多くの種類のワインをテイスティングすることが可能になります。テイスティングでは、少量のワインを口に含み、舌の上で転がしたり、空気を含ませたりすることで、そのワインが秘めた香りや味わいを分析します。この時、ワインを飲み込んでしまうと、アルコールの影響で次のワインの評価に影響が出てしまう可能性があります。吐器を使うことで、それぞれのワインの個性を感じ取り、客観的な評価を下すことができるのです。吐器は、ワインの専門家だけでなく、ワイン愛好家にとっても重要なアイテムと言えるでしょう。ワインの世界をより深く知りたい方は、ぜひ吐器を使ったテイスティングに挑戦してみて下さい。
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ワインの未来?注目のノマコルクとは

- 進化するワイン栓長い間、ワインのボトルを密閉する栓といえば、コルク栓が一般的でした。コルク栓は、弾力性に富み、気密性が高いため、ワインの熟成に適しているとされてきました。しかし近年、コルク栓に代わる、新しい素材の栓が次々と登場し、注目を集めています。その背景には、コルク栓の供給不足や価格高騰、そして「ブショネ」と呼ばれる、コルク由来の異臭問題など、様々な課題が挙げられます。ブショネは、コルクに含まれる化学物質が、ワインと反応することで発生するもので、ワインの風味を損なう原因となります。このような課題を解決するために、近年では、スクリューキャップや合成樹脂など、様々な素材の栓が使われるようになってきました。中でも注目を集めているのが、「ノマコルク」と呼ばれる新しいタイプのワイン栓です。ノマコルクは、サトウキビを原料とした、植物由来のプラスチック素材でできています。コルク栓と同様の気密性を持ちながら、ブショネのリスクがなく、さらにリサイクルも可能な点が、大きな魅力となっています。ワイン栓の進化は、ワインの品質向上だけでなく、環境問題への意識の高まりも反映しています。今後、さらに新しい素材や技術が開発され、ワインの世界はますます多様化していくことでしょう。
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ワインと天然コルク:伝統の品質と魅力

- 天然コルク栓とはワインボトルの口を塞ぐ、あの独特な栓。それが天然コルク栓です。皆さんは、あの栓が一体どのような素材で作られているかご存知でしょうか? 実は、「コルク樫」と呼ばれる、樹皮が厚い樫の木から採取したコルクを、円筒形に加工して作られているのです。天然コルク栓は、優れた弾力性と気密性を兼ね備えています。そのため、ワインボトルの口をしっかりと塞ぎ、外部からの異物の侵入や、ワインの液漏れを防ぐことができます。しかし、天然コルク栓の役割はそれだけではありません。ワインにとってもっとも重要な役割、それは「熟成」を助ける働きです。ワインの熟成とは、時間の経過とともに味わいを変化させていく過程のこと。その間、微量の酸素を供給することで、ワインはゆっくりと変化し、複雑な香味が生まれていきます。天然コルク栓は、完全に酸素を遮断するのではなく、微量の酸素を透過させることができます。そのため、ワインの熟成に最適な環境を生み出すことができるのです。まさに、天然コルク栓は、ワインの味わいを育む、縁の下の力持ちと言えるでしょう。
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ワインと樽熟成の深い関係

ワイン造りにおいて、欠かすことのできない工程である醸造と熟成。そのどちらにも、重要な役割を果たすのが「樽」です。樽は、ワインを単に保管しておく容器ではなく、ワインに複雑な香りと味わいを加える、いわば「魔法の道具」のような存在です。 数ある素材の中でも、特にオーク材を用いた樽は、ワインの世界で高く評価されています。オーク材は内部に無数の小さな穴を持つ多孔質な構造をしています。そのため、樽の中でゆっくりと呼吸するようにワインに酸素が供給され、熟成が促進されるのです。 さらに、オーク材にはタンニンや芳香成分が含まれており、これらがワインに移行することで、さらに豊かな味わいが生まれます。例えば、バニラやスパイス、ナッツなどを思わせる複雑な風味は、オーク樽熟成によって生まれるものなのです。 このように、ワイン樽は、ワインに複雑な香りと味わいを賦与する、ワイン造りには欠かせない存在と言えるでしょう。
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シャンパンを守る騎士:ミュズレの魅力

人生の晴れやかな瞬間、祝祭の場に華を添え、人々を魅了する飲み物、それがスパークリングワインです。グラスに注がれた黄金色の液体から立ち上る繊細な泡立ちと、口に広がる爽快な喉越しは、特別な時間を演出してくれるでしょう。その中でもひときわ目を引くのが、ボトルネックに施された王冠とワイヤーでできた装飾、「ミュズレ」と呼ばれるものです。まるで王冠のようにボトルを飾るミュズレは、開栓する瞬間の高揚感を一層高めてくれます。シャンパンサーベルで豪快に開栓する演出なども、このミュズレがあるからこそ可能な業です。しかし、ミュズレの役割は単なる装飾にとどまりません。スパークリングワインは、瓶詰めされた後も瓶内での二次発酵が行われるため、瓶の中には炭酸ガスによる高い圧力が生じます。この高圧に耐え、コルクをしっかりと固定することで、発酵によって生まれた繊細な泡と豊かな風味を品質劣化から守る、重要な役割を担っているのです。つまりミュズレは、スパークリングワインの品質と、祝祭の席での高揚感、その両方を守る、縁の下の力持ちと言えるでしょう。
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ワインの世界の静かな巨人:大樽熟成

ワイン造りにおいて、ブドウの品種や醸造方法と同様に、熟成はワインの味わいを決定づける重要な要素です。その熟成過程でワインを静かに育む「樽」は、まさにワインにとってゆりかごと言えるでしょう。中でも、1,000リットルを超える「大樽」は、ワインに劇的な変化を与えるのではなく、時間をかけてゆっくりと熟成させるために用いられます。 大樽で熟成される間、ワインは呼吸をするようにゆっくりと酸化していきます。このゆっくりとした酸化こそが、ワインにまろやかで複雑な味わいを生み出す鍵となります。巨大な容量を持つ大樽は、ワインと空気の接触面積が小さくなるため、急激な酸化を防ぎ、長い年月をかけて穏やかに熟成させることができるのです。 また、大樽は温度や湿度の変化が少ないため、ワインに安定した環境を提供します。ゆっくりと時間をかけて熟成することで、ワインの味わいは深みを増し、複雑なアロマが生まれます。それはまるで、長い年月をかけて熟成されたチーズや生ハムが、独特の風味を醸し出すのと似ています。 大樽は、ワインに派手な変化を与えるのではありません。しかし、静かに寄り添い、時間をかけてその潜在能力を引き出す、まさに名脇役と言えるでしょう。
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ワイン愛好家必見!ドロップストップでスマートにワインを楽しむ

美しいワイングラスに注がれた、宝石のように輝くワイン。その芳醇な香りと味わいに酔いしれる時間は、まさに至福のひとときですよね。しかし、そんな楽しい時間を邪魔してしまうのが、グラスにワインを注いだ後にボトルの口から垂れてくる、あの憎らしい一滴です。せっかくのテーブルクロスにシミをつけてしまったり、大切なワインを無駄にしてしまったりと、がっかりした経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか? この、ワインを注いだ後にボトルの口を伝って垂れてくる滴のことを「液だれ」と言います。液だれは、ワインを楽しむ上で避けては通れない問題のように思えますが、実はいくつかの原因と対策方法があるのです。 液だれが起こる主な原因は、ワインの粘性と表面張力、そしてボトルの形状にあります。アルコール度数の高いワインや、糖分の多い甘いワインは粘性が高いため、ボトルの口に残りやすく、液だれを起こしやすい傾向があります。また、ボトルの口が内側に curved しているものや、縁が鋭利でないものは、ワインがスムーズに流れ落ちずに液だれしやすくなってしまいます。 液だれを防ぐためには、ワインを注ぐ際にボトルを少し傾けたまま静かに置く、ワインポアラーを使用する、などの方法があります。また、市販の液だれ防止グッズを利用するのも有効です。 ちょっとした工夫とアイテムで、液だれを防ぎ、より快適で優雅なワインの時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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ワインの熟成を支える「新樽」の力

- ワイン樽の役割 ワイン造りにおいて、ワイン樽は単なる飲み物を保管しておく容器ではありません。特に、オーク材で作られた樽は、ワインに独特の風味や香りを与え、熟成を促進する役割を担っています。 新しい樽の場合、樽材からバニラやココナッツ、スパイスなどを思わせる香りがワインに移り、華やかさを添えます。一方、複数回使用した樽は、これらの香りが穏やかになり、代わりにトーストやナッツ、チョコレートのような複雑な香りが生まれます。 樽材から溶け出す成分は、香りだけでなく、ワインの味わいを複雑にする役割も担います。渋み成分であるタンニンがワインに溶け込むことで、味わいに骨格と奥行きが生まれ、長期熟成にも耐えられるようになります。また、樽材の微細な隙間からゆっくりと酸素が供給されることで、ワインは酸化熟成が進み、まろやかで複雑な味わいに変化していきます。 熟成期間や樽の種類、新旧によって、樽がワインに与える影響は大きく異なります。例えば、短期間の熟成には新しい樽を使用することで、華やかな香りと力強い味わいを引き出すことができます。反対に、長期熟成には複数回使用した樽を用いることで、まろやかで複雑な味わいを育むことができます。 このように、ワイン樽は、ワインの個性と品質を左右する重要な要素の一つと言えるでしょう。
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ワインの世界の巨人!ドッペルシュトック樽とは

ワインのラベルや説明書きを眺めていると、聞き慣れないドイツ語に出会うことがありますよね。特にドイツワインは、独特の表現や単語が多く、興味深い反面、少し難解に感じることも少なくありません。「ドッペルシュトック」も、そんな聞き慣れないドイツ語の一つでしょう。 一体「ドッペルシュトック」とは何か?というと、ドイツの一部の地域で使用されている、巨大なワイン樽のことを指します。その名の通り、通常の樽の倍の大きさがあることから、「ドッペル(二重)」「シュトック(樽)」と呼ばれています。 では、なぜこのような巨大な樽が使われているのでしょうか? ドイツのワイン産地、特にモーゼル地方のような冷涼な地域では、ブドウの成熟がゆっくりとなるため、より長い時間をかけて熟成させることが求められます。そこで活躍するのが、この「ドッペルシュトック」なのです。 巨大な樽は、温度変化が穏やかであるため、ワインをゆっくりと熟成させるのに最適です。長い年月を経て、樽の中でじっくりと熟成されたワインは、まろやかで複雑な味わいを持ちます。 「ドッペルシュトック」という言葉を見かけたら、それは、そのワインが、伝統的な製法と、時間をかけて熟成された特別な一本であることを示しているのかもしれません。
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ワインの小瓶:ちょっと試したい時に最適な理由

ワインといえば、レストランで注文したり、お店で手に取ったりするのは、750ml入りの大きな瓶に入っているものを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。 ところが最近、この大きな瓶よりも小さな、可愛らしいサイズの瓶に入ったワインを見かける機会が増えてきました。この小さな瓶は「小瓶」とよばれ、従来の大きな瓶では量が多すぎて飲みきれなかったり、たくさんの種類を試してみたかったりする方の間で人気を集めています。 小瓶の容量は様々ですが、375ml入りのものが多く、これは大きな瓶のちょうど半分にあたります。気軽に1人で楽しむにはちょうど良い量で、2人で楽しむ場合でも、それぞれ違う種類を選んで飲み比べることができます。 また、小瓶は持ち運びにも便利です。ピクニックやアウトドアなど、屋外に持ち出して楽しむ場合にも、かさばらずに持ち運ぶことができます。さらに、瓶のサイズが小さいため、冷蔵庫での保管にも場所を取りません。飲み残しを心配する必要がなく、いつでも気軽にワインを楽しむことができます。 このように、小瓶ワインは、従来の大きな瓶ワインとは異なる魅力を持っています。気軽にワインを楽しみたい方、色々な種類を試してみたい方、ぜひ一度、小瓶ワインを試してみてはいかがでしょうか。
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ワイン樽の世界:小樽の魅力に迫る

- 小樽とはワインを熟成させる過程で欠かせないのが樽ですが、中でも近年注目を集めているのが「小樽」と呼ばれる小型の樽です。一般的なワイン樽は400~500リットルほどの容量がありますが、小樽はそれよりもずっと小さく、200~300リットルほどしかありません。では、なぜ小樽が注目されているのでしょうか?それは、その小さなサイズに秘密があります。小樽は一般的な樽に比べて容量が小さい分、ワインと樽材が接する表面積の割合が大きくなります。そのため、樽材に含まれる香りや成分がワインに移りやすく、より豊かな香りと味わいを引き出す効果が期待できるのです。具体的には、バニラやスパイス、トーストのような香ばしい香りが加わり、複雑で奥行きのある味わいとなります。また、熟成が早く進むため、まろやかでまったりとした舌触りも生まれます。小樽は、フランスのボルドー地方などで古くから伝統的に使用されてきましたが、近年その優れた効果が見直され、世界中のワイン産地で採用が広がっています。日本でも、小樽で熟成させたワインは人気が高く、その芳醇な香りと味わいは、多くのワイン愛好家を魅了しています。
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ジョージアの伝統、クヴェヴリワインの世界

- クヴェヴリとはクヴェヴリとは、ジョージアで古くからワイン造りに用いられてきた、素焼きの巨大な壺のような容器のことです。その歴史は大変古く、紀元前6000年頃まで遡るとされています。まるで卵を逆さまにしたような、独特の形が特徴です。 クヴェヴリは、単なるワインの醸造容器ではなく、ジョージアの人々にとって、彼らの文化や歴史と深く結びついた、大切な存在です。 クヴェヴリは、まず地面を深く掘り、その中に埋め込むようにして設置されます。そして、その中でブドウを果皮、種、茎ごと発酵させます。この伝統的な製法は、ジョージア語で「クヴェヴリ・ワイン」と呼ばれる、独特の風味と香りのワインを生み出します。 クヴェヴリ・ワインは、タンニンが豊富で、複雑な味わいと長い余韻が特徴です。近年では、その独特の味わいが世界中で注目を集めており、ジョージアの伝統的なワイン造りは、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
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ワインの栓「クロージャー」:伝統と進化

ワインの味わいを左右する重要な要素の一つに、「クロージャー」と呼ばれる栓があります。瓶の口をしっかりと密閉し、ワインを酸化や外部の influences から守る役割を担っています。一口にクロージャーといっても、その種類は様々で、伝統的なものから近年開発されたものまで、多岐に渡ります。それぞれに個性があり、ワインの character にも影響を与えます。 まず、最も馴染み深いクロージャーといえば、コルクでしょう。弾力性に富み、気密性が高い天然素材であるコルクは、長年にわたりワインの保存に用いられてきました。特に長期熟成を目的とした高級ワインでは、今もなお主流です。しかし、コルクには「ブショネ」と呼ばれる、カビによる異臭が発生するリスクも伴います。 そこで近年注目されているのが、スクリューキャップです。これは、金属製のキャップをボトルの口にねじ込んで密閉するタイプのクロージャーです。ブショネのリスクがなく、開閉も容易であることから、近年そのシェアを急速に伸ばしています。フレッシュな果実味を楽しむタイプのワインに多く採用されています。 その他にも、ガラス製の栓や合成コルクなど、様々な種類のクロージャーが登場しています。これらの新しいクロージャーは、ブショネのリスクを抑制しつつ、コルクのようにワインの熟成を促す効果も期待されています。 このように、ワインの栓は、単なる蓋ではなく、ワインの品質と味わいを左右する重要な要素と言えるでしょう。そして、多様なクロージャーの進化は、これからも続いていくでしょう。
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マグナムボトル:ワインの楽しみを倍増させる特別なボトル

- マグナムボトルとはワインの世界には、様々なサイズのボトルが存在しますが、その中でもひときわ存在感を放つのが「マグナムボトル」です。一般的なワインボトルの容量は750mlですが、マグナムボトルはその倍の1,500mlものワインを収めることができるのです。 そのため、大人数で楽しむパーティーや、特別な記念日など、大切な時間を華やかに彩るのに最適です。マグナムボトルが多くのワイン愛好家を魅了してやまない理由は、その大きさだけではありません。実はこちらのボトル、ワインの熟成にも良い影響をもたらすと言われているのです。ボトル内の空気量はボトルのサイズに比例しますが、ワインの液体に対する空気の割合は、マグナムボトルの方が一般的なボトルよりも少なくなります。そのため、酸化の進行が緩やかになり、ワイン本来の味わいを長く楽しむことができるというわけです。また、マグナムボトルは、その堂々とした佇まいも魅力の一つです。テーブルに置かれたときの存在感は抜群で、それだけで特別な雰囲気を演出してくれます。さらに、マグナムボトルは、希少価値の高いヴィンテージワインや、高級ワインを詰めるのにもよく使われます。そのため、ワイン愛好家にとっては、憧れの存在と言えるでしょう。このように、マグナムボトルは、その大きさだけでなく、味わいや雰囲気、希少性など、様々な魅力を秘めた特別なボトルなのです。
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ヴァン・ジョーヌの証!個性的なボトル「クラヴラン」

- 黄金のワイン、ヴァン・ジョーヌ フランス東部、雄大な山々に囲まれたジュラ地方。この地で、黄金色に輝く特別なワインが造られています。その名は「ヴァン・ジョーヌ」、黄金のワインを意味します。 ヴァン・ジョーヌ最大の特徴は、その独特な製造方法にあります。白ブドウ品種であるサヴァニャンを用い、収穫後、樽の中で6年以上もの間、特殊な酵母の膜を張らせながら熟成させるのです。この酵母の膜が、外部からの雑菌の侵入を防ぐと同時に、独特の風味を生み出す鍵となります。 こうして長い年月を経て生まれたヴァン・ジョーヌは、その名の通り黄金色に輝き、グラスに注げば、ナッツやスパイス、ドライフルーツを思わせる複雑で芳醇な香りが立ち上ります。口に含めば、力強いコクと熟成由来のまろやかな風味が広がり、長く続く余韻を楽しむことができます。 長期熟成にも耐えうる力強さを持ち、時を経るごとにその味わいはさらに深みを増していきます。まさに「黄金のワイン」と呼ぶにふさわしい、唯一無二の存在と言えるでしょう。
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ワイン業界に革新? ポリマータンクとは

ワインを保存しておくには、昔ながらの木製の樽や、近年よく使われるようになったステンレス製のタンクが使われることが多いでしょう。しかし、近年、ワイン造りの世界に、新しい波が押し寄せてきています。それは、「ポリマータンク」と呼ばれる、特殊なプラスチック素材で作られたタンクです。 ポリマータンクは、木樽やステンレスタンクに比べて、軽量で扱いやすく、洗浄も簡単というメリットがあります。そのため、近年多くのワイナリーで導入が進んでいます。また、ポリマータンクは、ワインに余計な香りを移すことがないため、ブドウ本来の繊細な風味や香りを最大限に引き出すことができるとも言われています。 さらに、ポリマータンクは、その素材の特性から、温度管理が容易という点も大きな魅力です。ワインの熟成には、適切な温度管理が不可欠ですが、ポリマータンクは外部環境の影響を受けにくいため、安定した品質のワインを造るのに役立ちます。 このように、多くの利点を持つポリマータンクは、ワイン造りの現場において、今や欠かせない存在となりつつあります。ワイン愛好家にとっては、ポリマータンクで造られたワインを試してみることで、新たなワインの世界が広がるかもしれません。
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ワインをより美味しく!デキャンタージュのススメ

- デキャンタージュとは?ワインをより美味しく楽しむためのテクニックとして、「デキャンタージュ」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか? デキャンタージュとは、ボトルに入ったワインを、別の容器に移し替えることを指します。その目的は、ワインの味わいや香りをより一層引き出し、豊かな時間へと導くことにあります。長期間ボトルの中で静かに眠っていたワインは、その間に澱(おり)と呼ばれる沈殿物を生み出すことがあります。澱は、ワインに含まれる色素やタンニンなどが結合し、固形化したものです。澱自体は人体に害はありませんが、ワインの味わいを濁らせたり、渋みを感じさせてしまうことがあります。そこでデキャンタージュの出番です。ワインをデキャンタと呼ばれるガラス容器に移し替えることで、ボトルの底に溜まった澱とワインを分離することができます。澱を取り除くことで、ワイン本来の美しい色合いを取り戻し、クリアで滑らかな口当たりを楽しむことができるのです。さらに、デキャンタージュにはもう一つの側面があります。それは、ワインに空気と触れ合わせることで、香りを解き放ち、味わいをまろやかにする効果です。長期間熟成されたワインの中には、閉じ込めてきた豊かな香りが眠っています。デキャンタージュによって空気に触れることで、これらの香りが花開き、複雑で芳醇なアロマを楽しむことができます。このように、デキャンタージュは、澱の除去と空気との接触という二つの側面から、ワインのポテンシャルを最大限に引き出すためのテクニックと言えるでしょう。
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ワインの未来を守る革新的な栓:DIAMコルク

- DIAMコルクとはDIAMコルクは、フランスのディアム・ブシャージュ社が生み出した、ワインの栓として革新的な製品です。従来のコルク栓は、天然のコルクガシの樹皮から作られていましたが、DIAMコルクは、その天然コルクを細かく砕いてから、独自の技術で洗浄・圧縮して作られています。DIAMコルクの最大の特徴は、その特殊な洗浄技術にあります。従来のコルク栓では、「ブショネ」と呼ばれる、コルクに由来するカビ臭が発生することがありました。これは、コルクに含まれるTCAという物質が原因で、ワインの風味を損なう原因となっていました。DIAMコルクでは、このTCAを含む不純物を、独自の洗浄技術によって徹底的に除去しています。こうして作られたDIAMコルクは、従来のコルク栓と比べて、ブショネのリスクを大幅に低減することに成功しました。また、均一な品質のコルクを安定供給できる点も大きなメリットです。さらに、天然コルクの持つ、優れた弾力性や気密性も兼ね備えているため、ワインの熟成を適切にコントロールすることができます。DIAMコルクの登場は、ワイン業界に大きな変革をもたらしました。今では、世界中の多くのワイナリーで採用されており、高品質なワインの証として、消費者の信頼も高まっています。
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ワインボトルの形:ボルドー型とは?

- ボルドー型の外観ボルドー型のワインボトルは、フランス南西部のボルドー地方で古くから使われている、伝統的なボトルの形です。その名の通り、ボルドーワインのために作られたボトルですが、今では世界中で幅広く採用されています。ボルドー型の最大の特徴は、肩の部分が少し盛り上がっている、まるで人の肩のように角張った形状をしている点にあります。この、いかり肩のような独特な形には、実は重要な役割があります。ボルドーワインは長期熟成に向くワインが多く、熟成中に澱(おり)と呼ばれる沈殿物が発生します。このいかり肩は、ボトルを横にして保管した際に、澱がボトルの肩の部分に溜まりやすくする効果があります。こうすることで、澱をボトルに残したままワインをグラスに注ぎやすく、澱による濁りのない、クリアなワインを楽しむことができるのです。また、ボルドー型のボトルは、そのすらりとした美しいシルエットも魅力です。この優雅な曲線は、ボルドーワインが持つ高貴さ、気品を象徴しているかのようです。ボルドーワインの歴史と伝統、そして品質の高さを、そのフォルムで静かに物語っていると言えるでしょう。
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ワインの新しい選択肢!ボトル缶の魅力を探る

近年、ワインを楽しむ人たちの間で新しい流行として話題になっているのが「ボトル缶ワイン」です。 従来の瓶に入ったワインとは全く異なる、おしゃれな缶に入ったワインは、私たちのワインの楽しみ方に変化を与えています。 一体ボトル缶ワインとはどんなものなのでしょうか? ボトル缶ワインとは、その名の通り、ボトルのような形状をしたアルミ缶にワインを詰めたものです。従来の瓶詰めワインと比較して、軽量で持ち運びに便利である点が大きな魅力です。 ピクニックやバーベキューなどのアウトドアシーンはもちろん、 気軽にワインを楽しみたいホームパーティーなどにも最適です。 また、アルミ缶は光を通さないため、ワインの品質劣化の大きな原因となる紫外線の影響を受けにくいという利点もあります。 さらに、密閉性が高いため、酸化を防ぎ、ワインの風味を長持ちさせる効果も期待できます。 これらの特徴から、近年では、高品質なワインをボトル缶で販売する動きも広がっており、ワイン愛好家からも注目を集めています。