ワインの構成要素:水分
- ワインの基礎
ワインと聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、芳醇な香りと深い味わいかもしれません。しかし、ワインの主成分は、意外にも私たちが毎日口にする「水」です。
ブドウの果汁から作られるワインは、アルコール発酵の過程を経て、あの独特の風味を纏います。アルコールはもちろんのこと、香りや色素など、実に様々な成分が複雑に絡み合い、あの奥深い世界観を作り出しています。しかし、全体の約80%を占めるのは、実は水分なのです。
一見、水分の含有量など、味わいに影響を与えないように思えるかもしれません。しかし、ワインにおいて水は、他の成分を溶かし込み、全体をまとめ上げる、いわば舞台となる存在と言えるでしょう。水分の含有量や質によって、ワインの口当たりや味わいは大きく変化するのです。
例えば、水分の割合が多いワインは、軽やかで爽やかな印象を与えます。反対に、水分の割合が少ないワインは、濃厚でコクのある味わいになります。
このように、ワインを語る上で、水は決して欠かすことのできない、重要な要素と言えるでしょう。ワインを口にする際には、その奥深さを楽しむと同時に、生命の源である「水」の存在にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。