「ス」

その他

ワインの構成要素:水分

- ワインの基礎 ワインと聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、芳醇な香りと深い味わいかもしれません。しかし、ワインの主成分は、意外にも私たちが毎日口にする「水」です。 ブドウの果汁から作られるワインは、アルコール発酵の過程を経て、あの独特の風味を纏います。アルコールはもちろんのこと、香りや色素など、実に様々な成分が複雑に絡み合い、あの奥深い世界観を作り出しています。しかし、全体の約80%を占めるのは、実は水分なのです。 一見、水分の含有量など、味わいに影響を与えないように思えるかもしれません。しかし、ワインにおいて水は、他の成分を溶かし込み、全体をまとめ上げる、いわば舞台となる存在と言えるでしょう。水分の含有量や質によって、ワインの口当たりや味わいは大きく変化するのです。 例えば、水分の割合が多いワインは、軽やかで爽やかな印象を与えます。反対に、水分の割合が少ないワインは、濃厚でコクのある味わいになります。 このように、ワインを語る上で、水は決して欠かすことのできない、重要な要素と言えるでしょう。ワインを口にする際には、その奥深さを楽しむと同時に、生命の源である「水」の存在にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
生産方法

ワインの甘さの秘密?『ズースレゼルヴ』ってなに?

- はじめに ワインがお好きな方なら、「ズースレゼルヴ」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。少し難しそうな響きで、どんなワインなのか想像しにくいかもしれませんね。しかし、「ズースレゼルヴ」は、実はとても魅力的なワインを生み出す、奥深い醸造方法なのです。 「ズースレゼルヴ」とは、ドイツ語で「予備の果汁」という意味です。簡単に言うと、ブドウの果汁の一部を、発酵前に取り分けておくことから始まります。 取り分けておいた果汁は、低温で大切に保管され、通常のワインとは別に熟成の時を刻みます。そして、通常のワインの発酵が終わった後に、この熟成された「予備の果汁」をブレンドすることで、「ズースレゼルヴ」ワインは完成するのです。 このように手間暇かけて造られる「ズースレゼルヴ」ワインは、芳醇な香りとまろやかな口当たり、そして複雑な味わいが特徴です。普段の食事を少しだけ特別な時間に変えてくれる、そんな魅力にあふれたワインと言えるでしょう。 今回は、この「ズースレゼルヴ」について、その魅力を分かりやすく紐解いていきます。どうぞ最後までお楽しみください。
テイスティング

ワインの香りを開く「スワリング」

- スワリングとはワインを味わう際、グラスを傾け円を描くように回す動作をスワリングと言います。この動作は、ワインを空気と触れ合わせることで、その魅力を最大限に引き出すための重要なプロセスです。グラスを回すことで、ワインの香りが解き放たれます。閉じ込められていた香りが空気と混ざり合い、グラスの中に広がり、そして私たちの鼻へと届きます。この芳醇な香りは、ワインが持つ個性を雄弁に物語ります。ブドウの種類や産地、熟成の度合いによって、香りも千差万別です。スワリングによって香りを存分に楽しむことで、より深くワインを理解することができます。また、スワリングは、ワインの味わいをまろやかにする効果もあります。空気と触れることで、渋みやアルコールの角が取れ、まろやかで飲みやすい味わいになります。渋みが強く感じられるワインも、スワリングすることで、よりスムーズで心地よい口当たりに変化します。スワリングは一見、難しそうに見えるかもしれません。しかし、コツさえ掴めば、誰でも簡単に行うことができます。大切なのは、力加減です。回しすぎるとワインをこぼしてしまう可能性があるので、優しく、ゆっくりと回すように心がけましょう。グラスの底をテーブルに置いたままスワリングする方法もありますので、ご自身のやりやすい方法を見つけてみてください。ワインを五感で楽しむために、スワリングは欠かせないプロセスです。ぜひ、次の機会にはスワリングに挑戦して、ワインの魅力を再発見してみてください。
土壌

ワインと土壌:スレートがもたらす影響

- スレートとはスレートは、薄い板状に割れやすい性質を持つことから、屋根材や床材など、建築材料として古くから利用されてきました。この石は、元々は粘土などの堆積物が、長い年月をかけて地中深くに埋もれ、圧力と熱の影響を受けて硬く変化した岩石です。このような岩石は「変成岩」と呼ばれ、スレートもこの変成岩の一種である「粘板岩」に分類されます。 スレートが板状に割れやすいのは、この変成する過程で、元々の堆積物の層に垂直な方向に、新たな鉱物の配列が作られるためです。 近年、このスレートが、ワインのブドウ畑における土壌としても注目を集めています。スレートは、水はけが良く、ブドウの根腐りを防ぐ効果があります。また、日中に太陽の熱を蓄え、夜間にゆっくりと放出することで、ブドウが成熟するために必要な寒暖差を生み出す効果も期待できます。 スレート土壌で育ったブドウから作られるワインは、ミネラル感が豊かで、しっかりとした骨格を持つと言われています。そのため、世界中のワイン生産者が、スレート土壌でのブドウ栽培に熱い視線を注いでいます。
アロマ

ワインの「煙臭」問題:スモークテイントとは?

近年、世界中で山火事の発生件数が増加し、その規模も拡大しています。気候変動の影響で気温が上昇し、乾燥した気候が続いていることが、山火事の増加に拍車をかけていると考えられています。この山火事の増加は、私たちの生活に様々な影響を与えていますが、その一つにワイン生産への影響があります。 特に、ブドウ畑で発生する山火事は、ブドウの木を焼き尽くしてしまうだけでなく、ワインの品質にも深刻な影響を与える可能性があります。その影響の一つが、「煙臭」と呼ばれるものです。山火事によって発生した煙には、グアイアコールやメチルグアイアコールといった揮発性フェノール化合物が含まれています。これらの化合物が、ブドウの果皮に付着することで、ワインにスモーキーな香りや、薬品のような風味が移ってしまうのです。 煙臭は、たとえ微量であってもワインの風味を大きく損ねてしまうため、ワイン生産者にとって深刻な問題となっています。煙臭を完全に除去する効果的な方法はまだ確立されておらず、ワイン生産者は、煙の影響を最小限に抑えるために、様々な対策を講じています。例えば、山火事の発生が予想される場合は、ブドウの収穫時期を早めたり、煙からブドウを守るためにネットを張ったりするなどの対策が取られています。 しかし、このような対策には限界があり、根本的な解決策にはなりません。山火事によるワイン生産への影響を軽減するためには、地球温暖化対策を進め、山火事の発生を抑制することが重要です。
ワインラベル

オーストリアワインの最高峰!スマラクトの魅力を探る

オーストリアのドナウ川沿いにあるヴァッハウ渓谷は、その急峻な斜面を生かしたブドウ栽培が盛んな地域です。霧が深く、昼夜の寒暖差が大きいこの地で育まれたブドウは、凝縮感のある果実味と、生き生きとした酸を蓄えます。 「スマラクト」は、このヴァッハウ渓谷で収穫されたブドウだけを使って造られる、特別な白ワインにのみ許された称号です。 ヴァッハウでは、ワインの品質を、「シュタインフェーダー」「フェーダーシュピール」「スマラクト」の3段階で表します。「スマラクト」は、その中でも最も優れた品質のワインだけに与えられます。 「スマラクト」は、完熟したブドウの豊かな香りと、蜂蜜やスパイスを思わせる複雑なアロマが特徴です。口に含むと、凝縮された果実味が広がり、しっかりとした酸とのバランスがとれています。長い余韻には、ミネラル感も感じられ、深みのある味わいを楽しむことができます。 その品質の高さから、世界中のワイン愛好家から高い評価を受けており、特別な日のワインとして、あるいは大切な人への贈り物としても最適です。
ワインラベル

ワインの格を上げる「スペリオーレ」

ワインボトルにずらりと並んだ文字の中で、「スペリオーレ」という言葉を目にしたことはありますか?これは、そのワインが厳しい基準をクリアした、高品質なワインであることを示す、いわば称号のようなものです。 イタリアワインのラベルによく見られるこの言葉は、ワインを愛する人にとって、一口飲めば豊かな香りと深い味わいが口の中に広がる、そんな期待を抱かせる特別な言葉なのです。 「スペリオーレ」を名乗るためには、ワインは厳しい条件を満たさなければなりません。例えば、ブドウの栽培地域や品種、アルコール度数などが細かく定められています。さらに、厳しい審査をパスしたワインだけが、この名誉ある称号を得ることができるのです。 つまり、「スペリオーレ」の文字は、生産者のワインに対する情熱と、品質へのこだわりを保証するものと言えるでしょう。もしワイン選びに迷ったら、この言葉をひとつの目安にしてみてはいかがでしょうか?きっと、忘れられないワイン体験となるはずです。
生産地

太陽の恵み!情熱の国スペインのワイン

スペインは、世界に名だたるワイン大国の一つとして知られています。ワイン生産量はフランス、イタリアに次いで世界第3位を誇り、その品質の高さから世界中のワイン愛好家を魅了しています。 スペインが誇るワイン生産の最大の強みは、恵まれた気候と広大な土地にあります。温暖な気候と日照時間の長い地中海性気候の影響で、ブドウ栽培に最適な環境が広がっています。広大な国土には、平野から丘陵地帯、そして山岳地帯まで、変化に富んだ地形が広がり、地域ごとに異なる土壌や気候が、個性豊かなブドウを育みます。 その結果、スペインでは多種多様なワインが造られています。軽快でフルーティーな味わいのものから、濃厚で複雑な味わいのものまで、そのバリエーションは実に豊富です。伝統的な製法を守り続けるワイナリーもあれば、最新の技術を取り入れた革新的なワイン造りを行うワイナリーもあり、スペインのワイン造りの奥深さを物語っています。 さらに、スペインはブドウの栽培面積においても世界一を誇ります。世界的に有名なワイン生産国でありながら、高品質なワインを手頃な価格で楽しめることも、スペインワインの魅力と言えるでしょう。
飲み方

夏の爽快ドリンク!スプリッツァーのススメ

- スプリッツァーとはスプリッツァーは、キリッとした味わいの白ワインに、シュワシュワとした炭酸飲料を注ぎ入れた、爽快感あふれるカクテルです。その歴史は古く、19世紀のオーストリアで生まれたと言われています。当時、オーストリアの人々は、少し味が強いと感じるワインを飲みやすくするために、炭酸水で割ることを思いついたそうです。スプリッツァー最大の魅力は、ワインの持つフルーティーな香りはそのままに、炭酸飲料の爽快感が加わることで、より軽やかに楽しめる点にあります。きりっと冷やしたスプリッツァーは、夏の暑い日や、食事の最初に楽しむのに最適です。近年では、世界中で愛されるようになったスプリッツァー。そのバリエーションも増え、炭酸水だけでなく、ソーダやトニックウォーターで割るなど、様々な楽しみ方が生まれています。また、ワインの種類も、辛口の白ワインだけでなく、甘口の白ワインやロゼワインを使うこともあり、自分好みの味わいを見つけるのも楽しみの一つとなっています。
ワインラベル

イタリアの泡、スプマンテの魅力を探る

食前酒としてイタリアで愛飲されている、あの泡立つお酒。親しみを込めて「あの泡」と呼ぶ方もいるかもしれませんね。正式名称は何と呼べば良いのでしょうか?答えは「スプマンテ」。イタリア語で、スパークリングワイン全体を指す言葉です。 「シャンパン」と聞いて、フランスのシャンパーニュ地方で作られた、特定の製法のスパークリングワインを思い浮かべる方は多いでしょう。「カヴァ」もスペインの特定地域で作られたスパークリングワインです。これらの名前は、特定の地域、特定の製法で作られたものだけに許された特別な名称です。 しかしスプマンテは違います。イタリア産のスパークリングワインであれば、ブドウの品種や製法を問わず、全てスプマンテと呼ぶことができます。そのため、イタリアの個性豊かな土地で育まれた、バラエティ豊かなブドウから作られる、様々な味わいのスプマンテを楽しむことができるのです。これが、スプマンテ最大の魅力と言えるでしょう。
生産地

スフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナ:濃厚ながらもフレッシュな味わいを持つ「山のワイン」

イタリア北部、雄大なアルプス山脈を望むロンバルディア州。その山岳地帯であるヴァルテッリーナで、特別な赤ワインが産み出されます。その名は「スフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナ」。イタリアワインの最高等級であるDOCGの称号を与えられた、まさに銘酒と呼ぶにふさわしいワインです。 このワインを生み出すブドウは、ヴァルテッリーナの険しい山岳地帯で栽培されます。太陽の光を浴びる日中は暖かくても、夜は冷え込むため、昼夜の寒暖差が大きいことが特徴です。この厳しい環境が、ブドウに凝縮した旨味と豊かな香りを与えます。収穫されたブドウは、伝統的な方法で乾燥させ、さらに熟成されます。 こうしてできるスフォルツァート・ディ・ヴァルテッリーナは、力強い味わいと、どこか繊細さを感じさせる複雑な香りが特徴です。熟した果実を思わせる濃厚な香りに、スパイスやドライフルーツのニュアンスが重なり合い、奥行きのある味わいを生み出します。力強さの中にも、どこか優しさを感じさせる、まさにロンバルディアの大自然が育んだ奇跡のワインと言えるでしょう。
生産方法

甘美なる凝縮ワイン:スフォルツァート

ブドウの陰干しは、甘美な雫を生み出す魔法です。太陽の光と風のささやきが、ブドウに秘められた豊かな味わいを最大限に引き出します。 イタリアで古くから伝わるスフォルツァート製法では、収穫したばかりのブドウを、風通しの良い場所に数ヶ月間、陰干しします。 この間、ブドウの実からは水分が徐々に蒸発し、糖分や旨味成分が凝縮されていきます。 まるで時間をかけてブドウの果汁を煮詰めていくように、濃厚な甘みと芳醇な香りが生まれます。 干しブドウのような風味、カラメルやナッツを思わせる香ばしいニュアンスも加わり、他に類を見ない複雑な味わいを醸し出します。 スフォルツァート製法で造られるワインは、とろりとした舌触りで、余韻も長く続きます。その濃厚な甘みと複雑な味わいは、まさに至福のひとときをもたらしてくれるでしょう。
生産方法

祝いの席に華を添える!スパークリングワインの世界

シュワシュワと弾ける泡が楽しいスパークリングワイン。お祝いの席や特別な日に楽しまれることが多いですが、普段の食事と一緒に楽しむのもおすすめです。 スパークリングワインとは、その名の通り炭酸を含んだ発泡性のあるワインのこと。瓶内二次発酵や炭酸ガス注入によって作られます。 シャンパンはフランスのシャンパーニュ地方で、決められた製法で作られたスパークリングワインだけが名乗れる特別な名前です。その他にも、スペインのカヴァ、イタリアのプロセッコなど、世界中で様々なスパークリングワインが作られています。 繊細な泡立ちで上品な味わいのものから、力強い泡立ちでフルーティーな味わいのものまで、その味わいは実に様々です。 食事との相性も良く、魚介類やサラダなど、軽めの料理との組み合わせがおすすめです。 特別な日だけでなく、日常的に楽しんでみてはいかがでしょうか。
ワインラベル

スパークリングワインの「ストリコ」とは?

華やかな泡立ちで私たちを楽しませてくれるスパークリングワイン。その歴史は古く、フランスのシャンパーニュ地方で偶然生まれた発泡現象が始まりと言われています。長い年月を経て、今では世界中で愛されるお酒となりました。 一口にスパークリングワインと言っても、産地や製法によって味わいは千差万別です。そこで重要になるのが、ワインボトルに記された様々な表示です。今回は、その中でも「ストリコ」という言葉に注目してみましょう。 「ストリコ」とは、イタリア語で「厳格な」という意味を持つ単語です。スパークリングワインにおいては、特に厳しい基準をクリアした高品質なワインにのみ、この表示が許されます。 イタリアの代表的なスパークリングワインである「フランチャコルタ」や「プロセッコ」にも、この「ストリコ」を冠した特別なワインが存在します。これらのワインは、通常の規定よりも長い熟成期間を経ており、その味わいは複雑で奥深いものとなっています。 「ストリコ」の表示は、高品質の証として、ワイン愛好家たちの間で高い信頼を得ています。もし、お店で見かけたら、ぜひ一度手に取ってみてください。きっと、忘れられない一杯となるでしょう。
テイスティング

ワインの味わいの骨格「ストラクチャー」

ワインを口に含むと、甘味、酸味、渋味、アルコールといった様々な要素が複雑に絡み合い、唯一無二の味わいを生み出します。 まず最初に感じるのは、甘味と酸味でしょう。ブドウが太陽の光を浴びて熟すほどに増していく糖分は、ワインに甘味を与えます。一方、ブドウに含まれる酸は、ワインに爽やかな酸味を与え、味わいを引き締める役割を担います。 渋味は、主に赤ワインで感じる味わいです。ブドウの皮や種に含まれるタンニンと呼ばれる成分が、口の中をキュッと引き締めるような感覚を与えます。渋味は、ワインに複雑さと奥行きを与え、熟成にも深く関わっています。 アルコールは、ワインにふくよかなボリューム感を与えます。アルコール度数が高いワインは、口当たりが力強く感じられます。 これらの要素は、単独で存在するのではなく、互いに影響し合い、絶妙なバランスで成り立っています。例えば、甘味が強いワインでも、酸味がしっかりとしていれば、甘ったるく感じません。また、渋味が強いワインでも、アルコール度数が高ければ、まろやかに感じられます。 ワインの味わいは、これらの要素が織りなす複雑なハーモニーによって決まるのです。
道具

ワイン造りの立役者!ステンレスタンク大解剖

- ステンレスタンクとは? ワイン造りの現場で目にする、銀色に輝くあのタンク。それが、ステンレスタンクです。その名の通り、ステンレス鋼で作られたタンクで、ワインの製造工程において欠かせない存在となっています。 特に、ブドウ果汁を発酵させてアルコール発酵させる工程や、その後、じっくりと時間をかけて熟成させる工程で活躍します。 ステンレスタンクは、ワインに余計な香りを移さないという特徴があります。そのため、ブドウ本来が持つみずみずしい香りを最大限に引き出し、フレッシュでフルーティーなワインを生み出すのに適しています。 さらに、温度管理がしやすいという点も大きなメリットです。発酵や熟成の過程では、温度がワインの味わいを大きく左右します。ステンレスタンクは熱伝導率が高いため、ワインの温度を細かく調整することが可能です。 このように、ステンレスタンクは、高品質なワイン造りに欠かせない、まさに「魔法の空間を生み出す器」と言えるでしょう。
ワイングラス

ワイングラスのステム:その役割と重要性

- ワイングラスの構成 ワインを口にする際に欠かせないワイングラス。その形状は、ワインを最大限に楽しむための工夫が凝らされています。大きく分けて、ボウル、ステム、ベースの3つの部分で構成されており、それぞれの部分が重要な役割を担っています。 まず、ボウルはワインを注ぐ部分です。ワインの種類によって形や大きさが異なり、赤ワインには大きく口が開いたもの、白ワインには細長いもの、スパークリングワインには背の高いものが用いられます。これは、それぞれのワインの香りを最大限に引き出し、味わいを深めるためです。 次に、一見するとデザインのように思えるステムですが、実は重要な役割があります。ステムはボウルとベースをつなぐ部分であり、この部分を手で持つことで、手の温度がワインに伝わるのを防ぎます。ワインは温度変化に敏感なため、手でボウル部分を握ってしまうと、ワインの温度が上がってしまい、本来の風味が損なわれてしまうのです。 最後に、ベースはグラスを支える部分です。グラスを安定させることで、ワインをこぼさずに楽しむことができます。 このように、ワイングラスは、単なる器ではなく、ワインをより美味しく楽しむための工夫が凝らされた、機能的な道具と言えるでしょう。
生産方法

知ってた?ワインの基本『スティルワイン』の世界

ワインの定番 「ワイン」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、透き通ったグラスに注がれたルビー色や黄金色の飲み物ではないでしょうか。あるいは、ほんのりピンク色に染まったロゼワインを思い浮かべる人もいるかもしれません。これらの色とりどりの飲み物は、実は全て「スティルワイン」と呼ばれる種類に属します。 スティルワインとは、ブドウを発酵させて作る、発泡性のないワインのことです。つまり、私たちが普段「ワイン」と呼んで親しんでいるものの大部分が、このスティルワインに当てはまります。そのバリエーションは実に豊富で、世界中の様々な地域で、それぞれの土地の気候や土壌、ブドウの品種に合わせて、多種多様な味わいのワインが作られています。 例えば、赤ワインは、黒ブドウの果皮や種子も一緒に発酵させることで、深い赤色と豊かな渋み、複雑な香りを生み出します。一方、白ワインは、主に白ブドウを使って作られ、爽やかな酸味とフルーティーな香りが特徴です。ロゼワインは、赤ブドウの果皮を短時間だけ果汁に接触させることで、淡いピンク色と、赤ワインと白ワインの中間のような、軽やかでフルーティーな味わいに仕上がります。 このように、一言でスティルワインといっても、その色や味わいは実に様々です。ぜひ、色々な種類のスティルワインを試してみて、自分好みの1本を見つけてみて下さい。
生産方法

ワイン熟成の鍵!澱引き「スティラージュ」

- スティラージュとはワイン造りにおいて、芳醇な香りと味わいを生み出すために欠かせない工程の一つに、「スティラージュ」があります。 フランス語で「澱引き」を意味するこの作業は、まさにワインを磨き上げる工程と言えます。ワインは、発酵を終えた後も、樽やタンクの中でじっくりと時間をかけて熟成されていきます。この間、ワインの中に含まれるタンパク質やポリフェノール、酵母などが結合し、徐々に沈殿していきます。これが「澱」と呼ばれるものです。 澱は、ワインに複雑な香りを与える一方で、過剰に存在すると、ワインの味わいを濁らせたり、雑味を生み出したりする可能性があります。そこで、スティラージュを行い、ワインから澱を分離させることで、透明感のある輝きと、より洗練されたクリアな味わいのワインに仕上げていくのです。 澱引きは、熟成の段階やワインの種類、造り手のスタイルによって、複数回行われることもあります。伝統的な方法では、澱を沈めた樽を傾け、静かに別の樽に移し替えることで澱引きを行います。近年では、ポンプを使用する方法も取り入れられています。スティラージュは、ワインの品質を左右する重要な作業であり、長年の経験と熟練の技が求められます。 丹念に澱を取り除くことで、華やかで奥行きのある、素晴らしいワインが生み出されるのです。
生産地

銘醸地「スタッグス・リープ・ディストリクト」

カリフォルニアの燦燦と降り注ぐ太陽の下に広がる広大なブドウ畑。その中でもひと際輝きを放つワインの聖地、ナパ・ヴァレー。その中心部に位置するスタッグス・リープ・ディストリクトは、世界中のワイン愛好家を虜にする銘醸地としてその名を轟かせています。 緑豊かな山々に囲まれたこの地区は、小規模なブドウ畑がモザイク画のように広がり、個性的なテロワールを生み出しています。霧が立ち込める冷涼な朝、燦々と太陽が降り注ぐ昼下がり、そして穏やかな夕暮れ。一日の中でも大きく変化する気温と、多様な土壌が、ブドウに複雑な味わいと香りを与えます。 スタッグス・リープ・ディストリクトは、特にカベルネ・ソーヴィニヨン種の赤ワインで知られています。濃厚な果実味、力強いタンニン、そして長い余韻。世界最高峰と称賛されるその味わいは、一度口にすれば忘れられない感動をもたらします。 豊かな自然と、ワイン造りに情熱を注ぐ人々の手によって生み出される、至高の一杯。ナパ・ヴァレーに輝く星、スタッグス・リープ・ディストリクトのワインを、ぜひご自身の舌で味わってみてください。
道具

ワインの栓、スクリューキャップって?

- スクリューキャップとはスクリューキャップは、その名の通り、ねじ込み式の金属製のキャップのことです。ワインボトルの口に、このスクリューキャップをねじ込んで密閉することで、ワインの酸化を防ぎ、品質を保ちます。かつてはコルク栓が一般的でしたが、近年では、このスクリューキャップが世界中で広く採用されるようになってきました。スクリューキャップの最大のメリットは、その使い勝手の良さにあります。コルク栓のように、特別な道具を使わずに、誰でも簡単に開け閉めができる点が評価されています。また、コルク栓と比べて、密閉性が高いことも大きな特徴です。外部からの空気の侵入を防ぎ、ワインの酸化を抑制することで、フレッシュな香りと味わいを長く楽しむことができます。さらに、スクリューキャップは、「ブショネ」と呼ばれる、コルク栓由来の異臭が発生するリスクがないことも利点の一つです。ブショネは、コルクに含まれる成分が、ワインと化学反応を起こすことで発生するもので、ワインの風味を損なう原因となります。スクリューキャップを採用することで、このようなリスクを回避することができます。このように、多くのメリットを持つスクリューキャップは、高品質なワインを気軽に楽しむための選択肢として、ますます注目を集めていくことでしょう。
生産方法

スキンコンタクト:白ワインに香りを添える醸造の技

- スキンコンタクトとは?スキンコンタクトは、その名の通り、ブドウの果皮と果汁を接触させることから始まる、白ワイン醸造における特殊な技法です。通常、白ワインは、ブドウを圧搾して得られた果汁のみを発酵させて作られます。しかし、スキンコンタクトでは、圧搾する前に、果汁と果皮を一定時間、共に漬け込むという工程を加えます。この果皮と果汁の接触時間は、醸造家の意図やブドウの品種、収穫された年のブドウの状態によって、数時間から数週間と、大きく異なります。スキンコンタクトを行う最大の目的は、白ワインに複雑な香りと味わいを加えることです。ブドウの果皮には、色素だけでなく、香りや渋み、うま味などの成分が含まれています。果皮と果汁を接触させることで、これらの成分がワインに移り、より深みのある味わいになるのです。赤ワインの醸造では、色素やタンニンの抽出のため、果皮を果汁に漬け込むことは一般的です。しかし、白ワイン醸造においては、この手法はあまり用いられてきませんでした。近年、スキンコンタクトによって、従来の白ワインとは異なる、個性的なワインを生み出すことができるとして、注目を集めています。スキンコンタクトによって造られた白ワインは、黄金色がかった色合いを帯び、アプリコットや桃などの熟した果実の香り、ハーブやスパイスを思わせる複雑なニュアンス、そしてしっかりとした骨格を持つと表現されます。
生産地

スイスワイン探求:ロマンド地方の魅力

スイスと聞くと、雄大なアルプス山脈や濃厚なチョコレートを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、スイスにはもう一つ、世界に誇るべき魅力があります。それは、古くから続くワイン造りの歴史と、近年ますます品質を高めているスイスワインです。今回は、数あるスイスのワイン産地の中でも、個性的なワインを生み出すことで知られるロマンド地方の魅力に迫ります。ロマンド地方は、スイスの西部に位置し、フランス語圏であることからその名が付けられました。レマン湖畔の美しい葡萄畑が広がる風景は、訪れる人々を魅了してやみません。この地方で造られるワインの特徴は、なんといってもその多様性にあります。国際的に有名な品種はもちろんのこと、スイス固有の希少な品種も栽培されており、それぞれの土地の個性を活かした個性豊かなワインが生み出されています。ロマンド地方のワイン造りの歴史は古く、古代ローマ時代にまで遡ると言われています。長い年月をかけて培われてきた伝統と経験は、現代のワイン造りにもしっかりと受け継がれています。近年では、若い世代の醸造家たちを中心に、伝統的な製法を守りながらも、最新の技術や設備を導入することで、さらなる品質向上を目指した意欲的な取り組みも盛んに行われています。国際的なワインコンテストで受賞を重ねるなど、その品質は世界中で高く評価されています。スイスの美しい自然の中で育まれたロマンド地方のワインは、豊かな香りと味わいで、忘れられないひとときを与えてくれるでしょう。まだスイスワインを味わったことのない方は、これを機にぜひ一度、その魅力に触れてみてはいかがでしょうか。
生産地

スイスワインの一面:太陽の恵みを受けたスイス・イタリエンヌ

スイスといえば、雄大なアルプス山脈に抱かれた美しい自然、とろけるような滑らかなチョコレート、そして世界に誇る正確無比な時計を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、実はスイスは古くから続く豊かなワイン造りの文化を持つ国でもあるのです。その中でも今回は、イタリアとの国境に広がる温暖な地域、スイス・イタリエンヌで造られる個性豊かなワインについてご紹介します。スイス・イタリエンヌは、スイスの南側に位置し、イタリア語圏であるティチーノ州を中心に広がる地域です。アルプス山脈の南斜面に位置するため、太陽の光をふんだんに浴び、温暖な気候に恵まれています。この恵まれた環境はブドウ栽培に最適であり、古代ローマ時代からワイン造りが行われてきました。スイス・イタリエンヌのワインの特徴は、なんといってもその多様性にあります。国際的に有名なメルロー種をはじめ、土着品種であるボナルダやノストラノなど、様々な品種のブドウが栽培されています。それぞれの品種の個性を活かしたワイン造りが行われており、フルーティーで軽快な赤ワインから、複雑で濃厚な味わいの赤ワインまで、幅広いスタイルのワインを楽しむことができます。また、近年では白ワインの生産も盛んになってきており、フレッシュでフルーティーな味わいの白ワインも人気を集めています。スイスワインの生産量は、世界のワイン生産量と比べると決して多くはありません。しかし、その希少性と品質の高さから、近年世界中のワイン愛好家から注目を集めています。スイスを訪れた際には、雄大な自然と美しい景色を楽しみながら、隠れた名産品であるスイス・イタリエンヌのワインをぜひ味わってみてください。