「ね」

テイスティング

ワインの涙が語る物語:粘性って?

ワインをグラスに注いだ後、グラスを傾けてしばらく置いてみましょう。すると、グラスの内側に液体が筋状に残る現象を目にすることがあります。これは、「ワインの涙」や「脚」などと呼ばれ、ワイン愛好家の間ではよく知られています。この現象こそ、ワインの粘性を視覚的に示すものなのです。 では、粘性とは一体何でしょうか?簡単に言うと、粘性とは、液体がどれだけ「とろみ」を持っているかを表す言葉です。例えば、水はさらさらとしていて抵抗なく流れますよね?これは粘性が低いと言えるでしょう。一方、蜂蜜は水に比べてねっとりとしていて、スプーンですくうと、ゆっくりと糸を引くように垂れ落ちます。これは粘性が高いと言えるでしょう。 ワインの粘性に影響を与える要素は様々ですが、その中でも特に重要なのが糖分とアルコール度数です。一般的に、糖分やアルコール度数が高いワインほど、粘性も高くなる傾向があります。デザートワインのように甘口の強いワインや、アルコール度数の高いワインをグラスに注ぐと、はっきりと「ワインの涙」が現れるのを観察できるでしょう。 しかし、粘性はあくまでもワインの個性の一部です。粘性が高いからといって、必ずしも品質が高いワインであるとは限りません。ワインを選ぶ際には、粘性だけに囚われず、香りや味わいなど、他の要素も総合的に判断することが大切です。
テイスティング

ワインの粘性:味わいに深みを与える要素

ワインをグラスに注ぐ時、その動きに注目してみてください。透き通った液体が、音を立てて勢いよくグラスの底に流れ落ちたり、あるいは、とろりとした様子でゆっくりとグラスの内側を伝うように降りていく様子が見られるでしょう。 こうしたワインの見た目の違いを生み出す要素の一つに「粘性」があります。 粘性とは、液体が流れにくさを表す尺度のことです。 ワインをグラスに注いだ時、まるで蜂蜜のようにゆっくりと流れ落ちるワインは粘性が高いと言えます。反対に、サラサラと水のように流れるワインは粘性が低いと言えます。 ワインの粘性は、味わいに大きな影響を与えます。 一般的に、粘性の高いワインは、濃厚でリッチな口当たりを私たちに感じさせてくれます。芳醇な香りと複雑な味わいが口の中に広がり、余韻も長く楽しむことができます。 反対に、粘性の低いワインは、軽やかでスッキリとした印象を与えます。口当たりは爽やかで、飲み疲れしません。 ワインの粘性は、ブドウの品種、栽培方法、醸造方法など様々な要素によって決まります。例えば、糖度が高いブドウ品種や、アルコール度数の高いワインは、一般的に粘性が高くなります。 ワインを選ぶ際には、ぜひその粘性にも注目してみてください。グラスを傾けた時のワインの動きや、口に含んだ時の感覚から、ワインの個性を感じ取ることができるでしょう。
品種

太陽の恵み!ネロ・ダヴォラを味わう

地中海に浮かぶ島、シチリア。燦々と太陽の光が降り注ぐこの島は、古くからブドウ栽培が盛んな土地として知られています。中でも、シチリアを代表する黒ブドウ品種、ネロ・ダヴォラは、この島の太陽の恵みを一身に受けて育ちます。 ネロ・ダヴォラという名前は、シチリア島南部の町、アヴォラに由来します。この地域は温暖な気候に恵まれ、ネロ・ダヴォラ栽培の最適地として知られています。古くからこの地で栽培されてきたネロ・ダヴォラは、シチリアの人々の生活に深く根付いてきました。 太陽の光をたっぷりと浴びて育ったネロ・ダヴォラからは、濃厚な果実味と力強い味わいのワインが生まれます。プラムやブラックチェリーを思わせる豊かな香りに、リコリスやスパイスのニュアンスが複雑さを加えます。しっかりとしたタンニンは、熟成によってさらにしなやかさを増し、長い余韻へと続きます。 シチリアの太陽と風土が育んだネロ・ダヴォラ。その力強くもエレガントな味わいは、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。
生産地

ニュージーランドの新星!ネルソンワインの魅力を探る

ニュージーランドの南島北西部に位置するネルソン地方は、なだらかな丘が続く風光明媚な地域です。西側にはタスマン湾が広がり、青い海と緑豊かな丘陵地帯のコントラストは、訪れる人々を魅了して止みません。温暖な気候と美しい景観から、リゾート地としても人気を博しており、海辺や丘陵地には多くの別荘が立ち並んでいます。 ネルソン地方は、近年ワイン産地として世界的に注目を集めています。太陽の光をふんだんに浴び、冷涼な海風が吹き抜けるこの地は、ブドウ栽培に最適な環境です。特に、芳醇な香りと爽やかな酸味が特徴のソーヴィニヨン・ブランは、国際的なコンクールで数々の賞を受賞し、世界中のワイン愛好家を魅了しています。ネルソン地方で生産されるワインは、その品質の高さから、国際的に認められた地理的表示(G.I.)にも認定されています。 このように、ネルソン地方は豊かな自然と温暖な気候、そして高品質なワインが楽しめる、魅力あふれる地域と言えるでしょう。
生産地

ギリシャ赤ワインの真髄:ネメアを探る

燦燦と降り注ぐ太陽の光を浴びて育まれたブドウが織りなす、芳醇なワイン――。ギリシャのペロポネソス半島に位置するネメアは、まさに太陽の恵みを受けた銘醸地として知られています。温暖な気候とブドウ栽培に適した土壌が広がるこの地は、古くからワイン造りが盛んに行われてきました。 神話の世界にも登場するネメアは、英雄ヘラクレスが最初に成し遂げた「十二の功業」の舞台としても有名です。ヘラクレスが退治した獰猛なライオンの逸話が残るこの地は、古代ギリシャ時代から続く深い歴史と伝統を今に伝えています。 現代のネメアは、ギリシャを代表する赤ワインの産地として、世界中の愛好家を魅了し続けています。力強く濃厚な味わいが特徴の赤ワインは、この地の風土と歴史が生み出した至宝と言えるでしょう。太陽の光をたっぷりと浴びて育ったブドウの豊かな香りと味わいは、一口飲めば、まるで古代ギリシャのロマンと情熱を感じさせるかのようです。
生産地

親しみやすいピエモンテの味わい:ネッビオーロ・ダルバ

イタリア北西部に位置するピエモンテ州は、ワイン愛好家にとって憧れの地と言えるでしょう。その中でも特に、バローロやバルバレスコは、世界的にその名を知られる銘醸地として君臨しています。これらの地で産み出される力強く複雑なワインは、多くの人を魅了してやみません。 しかし、ピエモンテの魅力は、こうした銘醸ワインだけにとどまりません。バローロやバルバレスコと肩を並べるブドウ品種、「ネッビオーロ」から造られる「ネッビオーロ・ダルバ」というワインも、この地域を代表するワインの一つなのです。 ネッビオーロ・ダルバは、同じネッビオーロ種でありながら、バローロやバルバレスコに比べて渋みが穏やかで、より親しみやすい味わいを持っています。そのため、普段はあまりワインを飲みなれない方や、軽やかな口当たりのワインを好む方にも、気軽に楽しんでいただけます。 豊かな自然と伝統的な文化が息づくピエモンテ州。銘醸ワインの影に隠れがちですが、ネッビオーロ・ダルバは、この地の魅力をより身近に、そして深く感じさせてくれるワインと言えるでしょう。
生産方法

シャンパン造りの舞台裏:ネゴシアン・マニピュランって?

黄金色に輝く泡立ちと、華やかで芳醇な香りは、特別な瞬間を彩るお酒として、多くの人を魅了してやみません。それが、フランスのシャンパーニュ地方で伝統的な製法で造られる、シャンパンです。 その複雑で繊細な味わいを生み出すためには、原料となるブドウの栽培から醸造、瓶詰め、熟成に至るまで、長い年月と多くの人々のたゆまぬ努力が必要とされます。 中でも重要な役割を担うのが、「ネゴシアン・マニピュラン」と呼ばれる人々です。彼らは、自社で所有する畑で収穫したブドウだけでなく、契約農家から厳選したブドウも使用し、独自の製法でシャンパンを造り上げます。 ネゴシアン・マニピュランは、単なる醸造家ではなく、長年培ってきた経験と知識、そして優れた感性で、最高のブドウを選び抜き、その年の気候やブドウの出来栄えを見極めながら、絶妙なバランスでブレンドを行います。そして、彼らが目指すのは、自社の個性を表現した、唯一無二のシャンパンを生み出すことです。 このように、シャンパンは、自然の恵みと人の情熱が織りなす、まさに芸術作品と言えるでしょう。
その他

ワインの世界のネゴシアン:その役割と地域差

- ネゴシアンとはワインの世界で頻繁に耳にする「ネゴシアン」という言葉。耳慣れない響きではありますが、その役割は私たち消費者と密接に関わっています。簡単に言えば、「ワイン商」もしくは「仲買人」と表現できます。美味しいワインを造り出す生産者と、それを味わって楽しむ私たちの間を取り持ち、ワインを流通させる役割を担っているのです。しかしながら、「ネゴシアン」と一言で言っても、その実態は地域や時代によって大きく異なります。古くは、フランスのブルゴーニュ地方で、ブドウ栽培農家からワインを買い取り、瓶詰めして販売する、いわば「ワインの卸売業者」としての役割を担っていました。当時、小規模な農家が多く、自分たちでワインを瓶詰めして販売する手段を持たない生産者にとって、ネゴシアンはなくてはならない存在でした。現代では、その役割は多様化しており、単にワインを売買するだけでなく、ワイン造りにも深く関わるネゴシアンも存在します。ブドウの栽培から醸造、熟成、瓶詰めまでを一貫して行う生産者もいる一方で、ネゴシアンが自社の畑を持たず、各地から厳選したブドウやワインを買い付けて、独自のスタイルでワインを造り出すこともあります。このように、ネゴシアンは時代や地域によってその姿を変えながらも、ワインの世界において重要な役割を担い続けています。ワインをより深く理解するためにも、「ネゴシアン」の存在は知っておきたいキーワードと言えるでしょう。
ワインラベル

シャンパーニュの甘口表現「ネクター」

- シャンパーニュの甘辛度 華やかで祝祭のイメージが強いシャンパーニュ。 特別な日だけでなく、普段の食事に楽しむ方も増えてきました。 いざシャンパーニュを選ぼうとすると、種類が豊富でどれを選んだら良いか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか? 味わいの好みは人それぞれですが、甘口がお好みか、辛口がお好みかで選ぶのも一つの方法です。 一般的にシャンパーニュは辛口というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。 しかし実際には、非常に甘口のものからキリリとした辛口のものまで、幅広い甘辛度で造られています。 シャンパーニュのボトルをよく見てみると、「ブリュット」や「セック」といった単語がラベルに記載されているのに気付くでしょう。 実はこれらの単語が、シャンパーニュの甘辛度を表す重要な鍵となります。 例えば、「ブリュット」と記載されたシャンパーニュは、比較的辛口に仕上がっています。 反対に「ドゥミ・セック」と記載されたシャンパーニュは、甘口の味わいが特徴です。 このように、ラベルに記載された単語を見分けることで、自分の好みに合った甘辛度のシャンパーニュを選ぶことができます。 シャンパーニュの甘辛度は、製造過程で加えられる糖の量によって調整されます。 甘辛度の種類は、大きく分けて7段階に分類されます。 それぞれの甘辛度によって、シャンパーニュの味わいはもちろん、食事との相性も変化します。 自分好みの甘辛度のシャンパーニュを見つけることは、シャンパーニュの世界をより一層楽しむことに繋がります。 次の機会には、ぜひラベルの表示にも注目してシャンパーニュを選んでみて下さい。
生産地

ワイン産地紹介: ネイヴェ

イタリア北西部に位置するピエモンテ州。そのなだらかな丘陵地帯に、まるで隠れるようにして存在するのが、小さな村、ネイヴェです。この村は、イタリアを代表するワインの一つ、バルバレスコの産地として世界的に知られており、多くのワイン愛好家たちを魅了してやみません。 豊かな自然と長い歴史が織りなす美しい風景の中で、人々は伝統を守りながら、高品質なブドウ栽培に情熱を注いでいます。 ネイヴェで作られるバルバレスコは、力強い味わいと豊かな香りが特徴です。その味わいの秘密は、この地域特有の土壌と気候、そして何よりも、代々受け継がれてきたブドウ栽培の技術にあります。ブドウ畑では、太陽の光をいっぱいに浴びて育ったブドウが、丁寧に手摘みされていきます。 そして、伝統的な製法で醸造されたワインは、長い熟成期間を経て、深いコクとまろやかさを備えた、唯一無二の味わいを生み出すのです。 ネイヴェを訪れる人々は、美しい村の風景を楽しみながら、ワイナリー巡りを楽しむことができます。 小さな村ですが、それぞれ特徴を持ったワイナリーが点在しており、試飲を通して、自分好みのバルバレスコを見つけることができるでしょう。 また、地元のレストランでは、ピエモンテの伝統料理と、ネイヴェ産のバルバレスコの最高のマリアージュを堪能することができます。 自然と歴史、そして人々の情熱が造り出す、比類なきワイン、バルバレスコ。 その魅力を、ぜひネイヴェで体験してみてください。
テイスティング

ワインの「粘性」って?

- ワインの粘度とはワインを口に含むと、「とろりとしている」「さらりとしている」といった印象を受けることがありますよね。ワインの世界では、この液体の粘り気を「粘性」と呼びます。実は、ワインの粘性は、その味わいや風味を左右する大切な要素の一つなのです。では、一体何がワインの粘性に違いを生み出すのでしょうか? それは、ワインに含まれる成分が深く関係しています。例えば、糖分が多いワインほど、とろりとした粘性を持ちます。 甘いデザートワインを思い浮かべると、イメージしやすいでしょう。反対に、軽い口当たりの辛口ワインは、糖分が少なく、さらりとした粘性であることが多いです。さらに、アルコール度数も粘性に影響を与えます。アルコール度数が高いワインは、とろみがあり、重厚な印象を与えます。これは、アルコールが水よりも粘性が高いためです。その他にも、ワインに含まれるタンニンやグリセリンなども粘性に関係しています。タンニンは渋味の成分で、赤ワインに多く含まれます。タンニンが多いワインは、口の中で astringent な感覚を伴うことがあります。グリセリンは、甘みととろみを与える成分で、白ワインに多く含まれます。このように、ワインの粘性は、含まれる成分によって大きく異なります。そして、この粘性の違いが、ワインの味わいや風味をより複雑で奥深いものにしているのです。