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ワインラベル

ワインの「特級畑」って?

- ワインの格付けブルゴーニュ地方のテロワールを反映する品質基準ワインの世界において、その品質を客観的に示す「格付け」は、愛好家にとって重要な指標となっています。世界各国で様々な格付けシステムが存在しますが、特に歴史と伝統に裏打ちされた厳格な評価で知られるのが、フランスのブルゴーニュ地方における格付けです。ブルゴーニュ地方は、ピノ・ノワールやシャルドネといった高貴な品種のブドウ産地として世界的に有名です。この地で造られるワインの品質を決める要素の一つが、「テロワール」と呼ばれる概念です。テロワールとは、ぶどう畑の土壌、気候、地形、そして人の手が加わることによって生まれる、その土地ならではの個性のこと。ブルゴーニュ地方では、このテロワールを反映したワイン造りが古くから行われてきました。ブルゴーニュ地方の格付けは、畑ごとに細かく区分され、その品質に応じて序列がつけられます。最上級の「グラン・クリュ」を筆頭に、「プルミエ・クリュ」、「村名」、そして「地方名」と、ピラミッドのように階層化されています。中でもグラン・クリュは、ごく限られた面積の畑だけに与えられる称号であり、ブルゴーニュワインの頂点に君臨する存在と言えるでしょう。この格付けは、単にワインの味を評価するだけでなく、畑の持つ潜在能力や歴史的な背景までも考慮に入れた、まさに「テロワールの結晶」とも言うべきものです。そのため、ブルゴーニュワインを選ぶ際には、ラベルに記された格付けが重要な判断材料となるのです。
生産方法

シャンパンの魔法:動瓶の秘密

シャンパンといえば、華やかな泡立ちと芳醇な味わいで、誕生日や記念日など、特別な日を彩るお酒として世界中で愛されています。しかし、その輝かしい一杯を口にすることができるのは、長い時間と手間暇をかけた複雑な製造工程を経てきたからこそなのです。ブドウの栽培から瓶詰めまで、すべての工程に熟練の技と伝統が息づいています。 その中でも、シャンパンの品質を左右する重要な作業の一つが「動瓶」です。シャンパンは瓶内二次発酵という独特な方法で造られます。二次発酵後、酵母は瓶の中で澱となって沈殿していきます。この澱を瓶口に集めるために、職人が瓶を少しずつ回転させながら傾斜をつけていく作業が動瓶です。 「ルミアージュ」とも呼ばれるこの作業は、長年の経験と熟練の技を要します。なぜなら、澱を瓶口に集めつつも、ワインを濁らせたり、風味を損なったりしないよう、非常に繊細な力加減で瓶を動かしていく必要があるからです。熟練の職人は、一日数千本もの瓶を、その一本一本の状態を見極めながら丁寧に動かしていきます。 こうして、澱を瓶口に集めた後、瓶口を凍らせて澱を取り除き、その後、リキュールと呼ばれる糖分を加えたワインを補充して、最終的な味わいを調整します。このように、シャンパン造りには、伝統的な技術と職人の惜しみない努力が注ぎ込まれているのです。だからこそ、私たちは、その一杯に特別な想いを込めて楽しむことができるのではないでしょうか。
生産方法

ワインの質を決める?冬季剪定の重要性

冬の剪定とは、その名の通り、ぶどうの木が冬の間に眠っている時期に行う剪定作業のことです。日本では1月から3月頃、南半球の国々では7月から9月頃が剪定の時期にあたります。 この時期、ぶどうの木はまるで冬眠している動物のように、静かに春の訪れを待っています。活動を休止しているため、剪定によって余分な負担をかけることなく、翌年の生育を調整することができるのです。 冬の剪定の目的は、主に二つあります。一つ目は、樹形を整え、日当たりと風通しを良くすることです。不要な枝を切ることで、太陽の光がまんべんなく当たるようになり、おいしいぶどうを実らせることができます。また、風通しが良くなることで、病気の発生を予防することにもつながります。 二つ目は、結実量を調整し、品質の高いぶどうを収穫することです。剪定によって花芽の数を調整することで、実の数を制限し、残った実に栄養を集中させることができます。その結果、一粒一粒が大きく、甘みと香りが凝縮された、質の高いぶどうを収穫することができるのです。 冬の剪定は、翌年のぶどうの収穫を左右する大切な作業です。
品種

ワインの個性!土着品種の魅力に迫る

特定の地域で長い年月をかけて栽培されてきたブドウの品種を、土着品種と呼びます。その土地の気候や土壌などの環境に適応し、独自の個性を持つに至ったブドウです。世界には、数千年の歴史を持つものから、比較的新しいものまで、様々な土着品種が存在しています。 土着品種は、その土地の風土と深く結びついています。例えば、雨の少ない地域では、乾燥に強い品種が、逆に湿気の多い地域では、病気にかかりにくい品種が生き残ってきました。こうして、それぞれの土地の環境に最も適したブドウが、長い時間をかけて選抜されてきたのです。土着品種は、その土地の気候や土壌などの個性を反映し、ワインに独特の風味や香りを与えます。世界的に有名なワイン産地では、その土地ならではの土着品種を使ったワイン造りが盛んに行われています。 土着品種は、ワイン造りに欠かせない存在であると同時に、その土地の文化や歴史を語る上でも重要な役割を担っています。古くからその土地に住む人々の生活と密接に関わってきた土着品種は、その土地の伝統や風習を今に伝える、生きた遺産と言えるでしょう。
土壌

ワインの味わいを左右する土壌

ワインの原料となるぶどうは、太陽の光を浴びて育つだけでなく、根を張る土壌の影響を大きく受け、その味わいを変化させます。土壌は、ぶどうの生育に必要な水分やミネラル分を供給する役割を担っています。ミネラル分は、ぶどうの果実味や酸味、香りに複雑さを与え、ワインに個性や深みを与えます。 例えば、水はけのよい砂質土壌で育ったぶどうからは、軽やかでフルーティーなワインが生まれます。反対に、水はけの悪い粘土質土壌で育ったぶどうからは、タンニンが豊富で重厚なワインが生まれます。 また、石灰岩質の土壌はミネラルが豊富で、ぶどうに力強い酸味とミネラル感を与え、長期熟成に適したワインを生み出すと言われています。火山灰土壌で育ったぶどうは、スモーキーな香りを持ち、複雑な味わいのワインになることがあります。 このように、土壌の性質によって、ワインの味わいは繊細に変化します。ワインを味わう際には、産地や土壌の特徴にも目を向けてみると、その奥深さをより一層楽しむことができるでしょう。
生産地

日本ワインの聖地「登美の丘」

山梨県甲斐市にある「登美の丘」は、日本のワイン造りの歴史を語る上で欠かせない場所です。ここは、まさに日本のワインの聖地と呼ぶにふさわしい場所でしょう。100年以上も前から、この丘ではブドウの栽培とワイン造りが続けられてきました。日本の風土と人々の熱意が、ここでしか味わえない唯一無二のワインを生み出しているのです。 登美の丘は、その名の通り小丘陵地帯に広がる葡萄畑が広がっています。太陽の光をたっぷり浴びて育ったブドウは、酸味と甘みのバランスがとれた、上質なワインを生み出すと言われています。また、この地域の気候は、昼夜の寒暖差が大きく、ブドウ栽培に最適な環境です。 登美の丘には、歴史を感じさせる古いワイナリーから、最新の設備を備えたワイナリーまで、数多くのワイナリーが存在します。それぞれのワイナリーが、伝統を守りながら、新しい技術や感性を活かしたワイン造りを行っています。 「登美の丘」を訪れれば、日本のワインの歴史と、その奥深さを体感することができるでしょう。丘陵地に広がる美しい葡萄畑、芳醇な香りに包まれるワイナリー、そしてそこで味わうことができる極上のワイン。 五感を刺激する体験は、きっと忘れられない思い出になることでしょう。
道具

ワインテイスティングの必須アイテム:吐器

- 吐器とはワインのテイスティングは、五感を研ぎ澄まし、そのワインが持つ個性を見極める、まさに職人技と言えるでしょう。しかし、一度にたくさんのワインを評価する場合、全て飲み込んでいては、アルコールの影響で感覚が鈍り、正確な判断ができなくなってしまいます。そこで活躍するのが「吐器」です。吐器とは、テイスティングしたワインを飲み込まずに吐き出すための容器のこと。ワインを口に含んだ後、飲み込まずに吐器に吐き出すことで、アルコールの摂取量を抑えながら、多くの種類のワインをテイスティングすることが可能になります。テイスティングでは、少量のワインを口に含み、舌の上で転がしたり、空気を含ませたりすることで、そのワインが秘めた香りや味わいを分析します。この時、ワインを飲み込んでしまうと、アルコールの影響で次のワインの評価に影響が出てしまう可能性があります。吐器を使うことで、それぞれのワインの個性を感じ取り、客観的な評価を下すことができるのです。吐器は、ワインの専門家だけでなく、ワイン愛好家にとっても重要なアイテムと言えるでしょう。ワインの世界をより深く知りたい方は、ぜひ吐器を使ったテイスティングに挑戦してみて下さい。
生産地

ドンナス:アルプスの影に佇むエレガントなワイン

イタリア北西部に位置し、雄大なアルプス山脈に囲まれたヴァッレ・ダオスタ州。その険しい山岳地帯は、イタリアにおいても特に標高の高い場所に位置するワイン産地として知られています。 澄み切った空気と豊かな自然に恵まれたこの地で、古くからワイン造りが行われてきました。 アルプス山脈から流れ込む清らかな水と、急斜面に広がるブドウ畑。厳しい自然環境の中で育まれたブドウは、凝縮感のある果実味と、この土地ならではの個性的な味わいを生み出します。 ヴァッレ・ダオスタ州の中でも、ドンナスはひときわ個性的なワインを生み出す地域として知られています。ドンナスは、州の南部に位置する小さな村。急斜面に作られた段々畑では、強い日差しを浴びてブドウが力強く育ちます。 この地域の土壌は、古代に氷河によって運ばれた砂礫や石灰岩などが混ざり合った独特なもの。水はけが良く、ブドウ栽培に最適な環境です。 ドンナスで造られるワインは、力強い味わいと、ミネラル感あふれる複雑な香りが特徴です。その味わいは、雄大なアルプスの自然と、この地で代々受け継がれてきた伝統的なワイン造りの技が生み出す、まさに一期一会と言えるでしょう。
シャンパン

シャンパンの最高峰:ドン・ペリニヨンの世界

ドン・ペリニヨン。その名を聞いて、華やかで特別なイメージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。世界中で愛飲され、日本では特別な日の乾杯に選ばれることも多く、シャンパンの代名詞としてその地位を確立しています。 ドン・ペリニヨンの歴史は、17世紀にまで遡ります。フランス・シャンパーニュ地方のオーヴィレール修道院にいた修道士、ドン・ピエール・ペリニヨンは、ワイン造りの責任者として、最高品質のワインを造り出すことに情熱を注ぎました。彼は、ブドウの品種やブレンド、醸造方法などを研究し、革新的な技術を次々と生み出していきました。その結果、きめ細かい泡立ちと芳醇な香り、そして繊細な味わいを併せ持つ、高貴なワインが誕生したのです。 ドン・ペリニヨンは、その卓越した品質と、特別な瞬間を彩る華やかさから、世界中の人々を魅了し続けています。その名声は、まさにシャンパンの頂点と言えるでしょう。
道具

ワイン愛好家必見!ドロップストップでスマートにワインを楽しむ

美しいワイングラスに注がれた、宝石のように輝くワイン。その芳醇な香りと味わいに酔いしれる時間は、まさに至福のひとときですよね。しかし、そんな楽しい時間を邪魔してしまうのが、グラスにワインを注いだ後にボトルの口から垂れてくる、あの憎らしい一滴です。せっかくのテーブルクロスにシミをつけてしまったり、大切なワインを無駄にしてしまったりと、がっかりした経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか? この、ワインを注いだ後にボトルの口を伝って垂れてくる滴のことを「液だれ」と言います。液だれは、ワインを楽しむ上で避けては通れない問題のように思えますが、実はいくつかの原因と対策方法があるのです。 液だれが起こる主な原因は、ワインの粘性と表面張力、そしてボトルの形状にあります。アルコール度数の高いワインや、糖分の多い甘いワインは粘性が高いため、ボトルの口に残りやすく、液だれを起こしやすい傾向があります。また、ボトルの口が内側に curved しているものや、縁が鋭利でないものは、ワインがスムーズに流れ落ちずに液だれしやすくなってしまいます。 液だれを防ぐためには、ワインを注ぐ際にボトルを少し傾けたまま静かに置く、ワインポアラーを使用する、などの方法があります。また、市販の液だれ防止グッズを利用するのも有効です。 ちょっとした工夫とアイテムで、液だれを防ぎ、より快適で優雅なワインの時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
品種

ドイツの成功品種 ドルンフェルダー

ドイツは古くからワイン造りが盛んな国として知られていますが、冷涼な気候がブドウ栽培の大きな壁となっていました。特に、赤ワインの原料となる黒ブドウ品種にとって、温暖な気候は欠かせません。太陽の光を十分に浴びて、しっかりと熟した黒ブドウでなければ、色の濃い、風味豊かな赤ワインは生まれないからです。 ドイツでは、黒ブドウは赤ワインというよりも、色が薄く軽い口当たりの赤ワイン風飲料の原料として使われることが多くありました。しかし、ワイン生産者たちの間では、ドイツの気候でも本格的な赤ワインを造りたいという強い思いがありました。そこで、試行錯誤の末に生まれたのが、寒さに強い黒ブドウ品種、ドルンフェルダーだったのです。ドルンフェルダーは、ドイツの冷涼な気候でも、しっかりと色づき、糖度も十分に上がるため、ドイツワインの新たな可能性を切り開く品種として、大きな期待を背負って誕生しました。
生産地

小さな町の偉大な遺産:ドルチェット・ディ・ディアーノ・ダルバ

- ピエモンテの隠れた名産地 イタリア北西部に位置するピエモンテ州は、バローロやバルバレスコといった銘醸地として世界中のワイン愛好家を魅了しています。しかし、この有名な銘醸地の陰に隠れて、知る人ぞ知る魅力的なワイン産地が存在します。それが、今回ご紹介する「ドルチェット・ディ・ディアーノ・ダルバ」の産地である、ディアーノ・ダルバです。 ディアーノ・ダルバは、標高500メートル程の高地に位置し、人口わずか3500人ほどの小さな町です。周囲を雄大なアルプス山脈に囲まれたこの地は、古くからワイン造りが盛んに行われてきました。その歴史はローマ帝国時代にまで遡るとも言われ、長きに渡り受け継がれてきた伝統と経験が、高品質なワインを生み出す礎となっています。 ディアーノ・ダルバのワインの特徴は、何と言ってもその気品高い味わいです。豊かな果実味と、しっかりとした酸味、そして滑らかなタンニンのバランスが絶妙で、エレガントな印象を与えます。特に、この地で栽培されるドルチェット種から造られる赤ワインは、「ドルチェット・ディ・ディアーノ・ダルバ」としてD.O.C.G.(統制保証付原産地呼称)の認定を受けており、その品質の高さは折り紙付きです。 ピエモンテ州を訪れる機会があれば、是非一度ディアーノ・ダルバにも足を運んでみてください。美しい景色の中で、隠れた名品のワインを味わう至福のひとときを体験できるはずです。
生産地

美食を引き立てる奥深い味わい:ドルチェット・ディ・オヴァーダ・スペリオーレ

イタリアと聞けば、多くの人がまず「ワイン」を思い浮かべるのではないでしょうか。中でも、バローロやバルバレスコのような、力強く芳醇な赤ワインは、イタリアワインの代表格として広く知られています。しかし、イタリアワインの魅力はそこに留まりません。 食卓を彩り、料理と共に楽しむ軽やかな赤ワインも、イタリアには数多く存在するのです。 その中でも今回ご紹介したいのが、ピエモンテ州の南東部に位置するオヴァーダという小さな街で生まれる「ドルチェット・ディ・オヴァーダ・スペリオーレ」というワインです。 このワインは、ドルチェットというブドウから造られます。ドルチェットは、その名前 (イタリア語で「甘い」を意味するdolce が語源) の通り、果実味と酸味のバランスがとれた、優しい甘みが特徴です。 「ドルチェット・ディ・オヴァーダ・スペリオーレ」は、このドルチェット種の特徴を最大限に活かした、軽やかでフルーティーな味わいの赤ワインです。 タンニンは控えめで、滑らかな口当たりが魅力です。 普段イタリアワインを飲みなれないという方や、赤ワインが苦手な方にも、気軽に楽しんでいただけるワインと言えるでしょう。
品種

親しみやすいイタリアワイン、ドルチェット・ダルバの魅力

イタリア北西部に位置するピエモンテ州は、銘醸ワインの産地として世界的に名を馳せています。その中でも、特に地元で愛されている赤ワインの一つが、今回ご紹介する「ドルチェット・ダルバ」です。 「ドルチェット」とは、イタリア語で「小さな甘いもの」という意味。可愛らしい響きを持つこの言葉は、実際に糖度が高いブドウ品種名であり、このドルチェット種から作られるワインが、ドルチェット・ダルバです。 ピエモンテ州の南端に位置するアルバ周辺は、このドルチェット種の栽培に適した気候と土壌に恵まれており、古くからワイン造りが盛んに行われてきました。ドルチェット・ダルバは、このアルバ周辺で収穫されたドルチェット種を100%使用して造られる、香り高く、果実味豊かな味わいが特徴の赤ワインです。 「ドルチェット」という名前から、甘いワインを想像されるかもしれませんが、実際にはしっかりとした酸味とタンニンを感じられる、辛口のワインに仕上がっています。軽やかでフルーティーな香りは、バラやスミレなどの花のような可憐さを持ち合わせており、フレッシュな果実味と調和して、心地よい飲み心地を与えてくれます。 地元ピエモンテでは、その親しみやすい味わいから、日常的に楽しまれているドルチェット・ダルバ。普段の食事に合わせて気軽に楽しめるワインとしてはもちろんのこと、その豊かな個性は、特別な日の食卓にも彩りを添えてくれるでしょう。
テイスティング

イタリアワインの甘口表現!ドルチェってどんな味?

- ドルチェイタリアの甘い誘惑イタリア語で「甘い」を意味する言葉、「ドルチェ」。ワインの世界では、主にイタリア産の甘口ワインを表現する際に使われます。 その甘さは、蜂蜜のように濃厚で芳醇なものから、熟した果実を思わせる爽やかな甘みまで、実に様々です。ドルチェワインの魅力は、その奥深い味わいのバリエーションにあります。ブドウの品種はもちろんのこと、栽培方法や土壌、そしてワインの製法によって、個性豊かな甘みが生まれます。例えば、太陽の光をたっぷり浴びて育ったブドウから造られるドルチェワインは、凝縮された果実味と、ふくよかな甘みが特徴です。一方、陰干しブドウを用いたドルチェワインは、深いコクと上品な甘みが楽しめます。ドルチェワインは、デザートワインとして楽しまれることが多いですが、チーズやフォアグラなど、濃厚な味わいの料理との相性も抜群です。 甘美な香りとともに、至福のひとときを演出してくれるでしょう。イタリアの甘い誘惑、ドルチェワインの世界を、ぜひお楽しみください。
生産地

深紅の宝物、ドリアーニの魅力

イタリア北西部に位置するピエモンテ州は、バローロやバルバレスコといった世界的に有名なワインの産地として知られています。しかし、この有名な銘醸地の陰に隠れて、知る人ぞ知る魅力的なワイン産地が存在します。それが、クーネオ県南部にひっそりと佇む小さな村、ドリアーニです。 周囲をなだらかな丘陵地に囲まれたドリアーニは、古くからブドウ栽培が盛んな地域として知られてきました。特に、この地のテロワールと非常に相性が良い黒ブドウ品種、ドルチェットを使ったワイン造りで名を馳せています。 ドリアーニのドルチェットは、他の地域のドルチェットと比べて、色が濃く、凝縮感のある果実味としっかりとしたタンニンが特徴です。これは、標高が高く昼夜の寒暖差が大きいドリアーニの気候と、水はけの良い土壌によって、ブドウがゆっくりと熟成するからです。 力強くも滑らかなタンニンと、豊かな果実味、そしてどこか素朴で温かみのある味わいは、まさにこの土地のテロワールを体現しているかのようです。近年では、その品質の高さから、世界中のワイン愛好家から注目を集めています。ひっそりと佇む小さな村で生まれる、個性豊かなドルチェット。ピエモンテを訪れる際には、ぜひその魅力に触れてみてください。
生産方法

ワインと水:ドライファーミングの秘密

「ドライファーミング」と呼ばれる農法は、ブドウ畑への人工的な水供給を一切行わない、自然の恵みにのみ頼る栽培方法です。降り注ぐ雨だけがブドウの生育を支えるため、まさに自然の力に翻弄される、賭けともいえる農法と言えるでしょう。 天候に左右されやすく、安定した収穫を得ることが難しいドライファーミングですが、ブドウ栽培にとっては厳しい環境こそが、ブドウ本来の力強さを引き出す鍵となります。土壌の奥深くまで根を張り巡らせたブドウの木々は、大地のミネラルを豊富に吸収し、凝縮感あふれる果実を実らせます。 こうして育まれたブドウから造られるワインは、力強く濃厚な味わいはもちろんのこと、その土地ならではの風土や個性が色濃く表現されます。まさに、自然の恵みと造り手の情熱が織りなす、唯一無二の味わいと言えるでしょう。
テイスティング

ワインの味わいを探求: ドライとは?

ワインを選ぶ際に、「辛口が好き」「甘口はちょっと…」といった会話を耳にすることはありませんか?ワインの味は、甘口から辛口まで実に様々です。この味わいの違いを左右するのが「甘辛度」です。ワインの世界では、甘みの少ないワインを「辛口」、反対に甘いワインを「甘口」と表現します。普段何気なく使っている言葉ですが、一体どのようにしてこの甘辛度の違いが生まれるのでしょうか? ワインの甘辛度は、ワインの製造過程、特にブドウの糖度と発酵の関係によって生まれます。ワインの原料となるブドウには、果糖やブドウ糖といった糖分が含まれています。ワイン作りにおいて重要なプロセスである「発酵」は、酵母がこのブドウの糖分をアルコールと炭酸ガスに分解することによって進みます。 発酵の過程で、ブドウの糖分がすべて分解されれば、辛口のワインになります。反対に、発酵途中で糖分が残っていると、その分甘さを感じられる甘口のワインとなるのです。 つまり、ワインの甘辛度は、発酵の進み具合によって決まると言えるでしょう。一般的に、白ワインは赤ワインに比べて甘口に作られることが多いですが、これは必ずしもそうではありません。白ワインの中にも辛口のものは多く存在しますし、赤ワインでも甘口に仕上げたものはあります。 ワインを選ぶ際には、ぜひ甘辛度にも注目してみてください。きっと、あなたの好みにぴったりの一本が見つかるはずです。
生産者

ドルーアン・ラローズ:ブルゴーニュの至宝

- 歴史ドメーヌ・ドルーアン・ラローズの歴史は、1850年に遡ります。 この年、ジャン・バプティス・ラローズ氏がブルゴーニュ地方の中心に位置するジュヴレ・シャンベルタン村にブドウ畑を購入したことが、すべての始まりでした。彼の情熱とたゆまぬ努力により、ラローズ家は高品質なブドウ栽培家としての名声を高めていきます。そして時代は下り、1919年にラローズ家に転機が訪れます。 スーザン・ラローズ氏が、近隣のシャンボル・ミュジニー村でワイン造りを営んでいたアレクサンドル・ドルーアン氏と結婚したのです。この結婚は、単なる家同士の結びつきにとどまりませんでした。それぞれの家が代々培ってきたブドウ栽培とワイン醸造の技術、そして深い知識が融合し、ここに「ドルーアン・ラローズ」という新たなワイナリーが誕生したのです。こうして誕生したドメーヌ・ドルーアン・ラローズは、両家の伝統を受け継ぎながら、常に最高品質のワインを追求してきました。その unwavering な姿勢は、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。
生産方法

ワイン造りの主役「ドメーヌ」とは

フランスのワインラベルでよく見かける「ドメーヌ」という言葉。元々はフランス語で「区画」や「領地」を意味しますが、ワイン造りの世界では「ブドウの栽培からワインの醸造、瓶詰め、販売までを一貫して行う生産者」のことを指します。 特にブルゴーニュ地方では、多くのワイナリーがこの「ドメーヌ」体制を採用しています。ブルゴーニュ地方は、フランスの中でも特に細かく区画が分かれており、それぞれの区画の土壌や気候を反映した、個性豊かなワインを生み出すことで知られています。 「ドメーヌ」は、まさにその土地の個性を表現したワイン造りを目指す生産者にとって、理想的な形態と言えるでしょう。彼らは、自らの手でブドウを育て、そのブドウが持つポテンシャルを最大限に引き出すワイン造りを行っています。 そのため、「ドメーヌ」と名のつくワインには、生産者のこだわりと情熱が詰まっていると言えるでしょう。ラベルで見かけたら、ぜひその背景にあるストーリーに思いを馳せながら、味わってみてください。
テイスティング

ワインの「ドミセック」甘口?辛口?その味わいを解説

- ドミセック甘口と辛口のハーモニー ワイン、特に泡立つスパークリングワインを選ぶ際、「ドミセック」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。フランス語で「ややドライ」を意味するこの言葉は、ワインの甘辛度合いを表す重要な指標です。 ワインの甘さは、ブドウの果汁に含まれる糖分が、発酵の過程でどれほどアルコールに変化したかによって決まります。発酵が進み、糖分がほとんど残っていない状態が「辛口」、反対に糖分が多く残っている状態が「甘口」です。 では、「ドミセック」はというと、その名の通り、甘口と辛口の中間に位置する味わいを表現しています。 具体的には、1リットルあたり32~50グラム程度の糖分を含んでおり、ほのかな甘みが感じられるのが特徴です。 ドミセックのスパークリングワインは、フルーティーな香りと柔らかな甘みが魅力です。食前酒としてはもちろん、デザートワインとしても楽しむことができます。また、フルーツを使った料理や、スパイシーな料理との相性も抜群です。 甘口過ぎず、辛口過ぎない、絶妙なバランスの「ドミセック」。ぜひ一度、その奥深い味わいを体験してみてください。
道具

ワインの世界の巨人!ドッペルシュトック樽とは

ワインのラベルや説明書きを眺めていると、聞き慣れないドイツ語に出会うことがありますよね。特にドイツワインは、独特の表現や単語が多く、興味深い反面、少し難解に感じることも少なくありません。「ドッペルシュトック」も、そんな聞き慣れないドイツ語の一つでしょう。 一体「ドッペルシュトック」とは何か?というと、ドイツの一部の地域で使用されている、巨大なワイン樽のことを指します。その名の通り、通常の樽の倍の大きさがあることから、「ドッペル(二重)」「シュトック(樽)」と呼ばれています。 では、なぜこのような巨大な樽が使われているのでしょうか? ドイツのワイン産地、特にモーゼル地方のような冷涼な地域では、ブドウの成熟がゆっくりとなるため、より長い時間をかけて熟成させることが求められます。そこで活躍するのが、この「ドッペルシュトック」なのです。 巨大な樽は、温度変化が穏やかであるため、ワインをゆっくりと熟成させるのに最適です。長い年月を経て、樽の中でじっくりと熟成されたワインは、まろやかで複雑な味わいを持ちます。 「ドッペルシュトック」という言葉を見かけたら、それは、そのワインが、伝統的な製法と、時間をかけて熟成された特別な一本であることを示しているのかもしれません。
生産方法

スパークリングワインの甘辛度を決める「ドザージュ」

シャンパンをはじめとする高級なスパークリングワインは、瓶内二次発酵という特別な製法で作られます。この製法は、通常のワインのようにタンクで一度発酵させた後、さらに瓶詰めを行い、その瓶の中で再び発酵させるという、手間のかかる方法です。 瓶詰めする際には、ベースとなるワインに糖と酵母を加えた「門出のリキュール」と呼ばれるものを加えます。瓶詰めされたワインは、冷暗所にて一定期間熟成させます。この間、瓶内では酵母が糖を分解し、炭酸ガスとアルコールが発生します。 炭酸ガスはワインの中に溶け込み、開栓時に心地よい泡立ちを生み出すのです。瓶内二次発酵によって生まれる泡は、きめ細かく、持続性が高いのが特徴です。シャンパンの繊細な味わいや華やかな香りは、この瓶内二次発酵によって生まれる複雑な成分によるものです。 このように、瓶内二次発酵は、手間と時間をかけて丁寧に作られるシャンパンなどの高級スパークリングワインにとって、欠かせない製法と言えるでしょう。
生産方法

スパークリングワインの甘さの秘密:ドサージュとは

華やかな泡立ちと爽やかな味わいで、特別な日だけでなく、日常の食卓にも彩りを添えてくれるスパークリングワイン。その美しい泡は、実は想像以上に複雑で、多くの時間と手間をかけて生み出されています。 スパークリングワイン造りは、まずブドウの栽培から始まります。太陽の光を浴びて育ったブドウは、丁寧に収穫され、圧搾されます。そして、得られた果汁は、一次発酵へと進みます。ここまでは、一般的なワインの製造工程と変わりません。 スパークリングワインと普通のワインとの大きな違いは、瓶詰め後に行われる「二次発酵」にあります。密閉された瓶の中で行われる二次発酵によって、糖分がアルコールと炭酸ガスに分解されます。この時に発生する炭酸ガスが、あの特徴的な泡の正体です。 二次発酵後、酵母は澱となって瓶底に沈殿します。この澱を取り除くために、「澱引き」という作業が行われます。瓶を逆さまにした状態で、少しずつ澱を瓶口に集めていき、凍らせて取り除きます。 澱引きが完了したら、最後に糖分とワインを補填して瓶詰めし、コルクで栓をします。こうして、ようやく長い工程を経て、 sparkling ワインは完成します。 普段何気なく口にしているスパークリングワインの一杯一杯には、実はこのような職人たちの努力と情熱が込められているのです。