「ひ」

アロマ

ワインの香り表現「火打石」

- 火打石の香りとは?ワインのテイスティングコメントで、「このワインからは火打石の香りが感じられます」なんて言われたら、一体どんな香りがするのか想像がつかない方も多いのではないでしょうか?実際に火打石を打ち合わせた経験がある方は少ないでしょうし、ましてやその香りを記憶している方はさらに少ないはずです。火打石の香りを一言で表すなら、「打ち出した火花が消えた直後に漂う、かすかに焦げたような香り」と表現できます。少しイメージが湧きにくいかもしれませんね。この香りは、ワインによっては「火薬」や「硝煙」と表現されることもあります。お祭りの後、夜空に花火の香りが残っているのを思い浮かべてみてください。あの花火の煙がほんのり香るような、少しツンとした香りが、まさに火打石の香りの正体です。火打石の香りは、土壌に由来するミネラル感が影響していると言われています。特に、フランスのブルゴーニュ地方やロワール地方のワインに多く見られる特徴です。キリッとした辛口の白ワインや、繊細な味わいの赤ワインと相性が良く、複雑な香りの要素の一つとしてワインに深みを与えています。
生産地

ピュリニー・モンラッシェ:白ワインの聖地

フランスの中東部に位置するブルゴーニュ地方。その中心部に位置するコート・ド・ボーヌ地区は、世界的に有名なワインの名産地として知られています。その中でもひときわ輝きを放つのが、南端に位置する小さな村、ピュリニー・モンラッシェです。周囲をなだらかな丘陵地に囲まれたこの村は、まさに「白ワインの聖地」と呼ぶにふさわしい場所です。 丘陵の斜面には、ブドウ畑がまるでパッチワークのように広がり、太陽の光を浴びて黄金色に輝いています。この村で造られる白ワインは、その芳醇な香りとコク、そして気品あふれる味わいで、世界中のワイン愛好家を虜にしています。 ピュリニー・モンラッシェ村と隣村のサシャーニュ・モンラッシェ村にまたがって存在する特級畑「モンラッシェ」は、この地の象徴とも言えるでしょう。世界で最も高価な白ワインを生み出す畑として知られており、その味わいは「蜂蜜やナッツ、バターを思わせる濃厚な風味と、ミネラル感あふれるシャープな後味が特徴」と評されています。 ピュリニー・モンラッシェ村は、まさに世界最高峰の白ワインを生み出す奇跡の村と言えるでしょう。
道具

シャンパン熟成の秘密兵器:ピュピトル

黄金色に輝く泡立ちと、華やかで繊細な味わいが魅力のシャンパン。その背景には、長い年月をかけて受け継がれてきた伝統的な技と、気の遠くなるような時間をかけて行われる複雑な工程が存在します。 その中でも、「ピュピトル」と呼ばれる道具は、シャンパンの味わいを左右する重要な役割を担っています。一体、ピュピトルとはどのようなもので、どのように使われているのでしょうか? ピュピトルは、フランス語で「机」を意味する言葉です。シャンパン造りにおいては、瓶詰め後のシャンパンを逆さまに立てておくための、穴の開いた木製の道具を指します。 シャンパンは、瓶内二次発酵という独特な方法で造られます。この二次発酵の過程で、酵母によって糖分が分解され、炭酸ガスとアルコールが発生します。同時に、酵母は澱(おり)となって瓶底に沈殿していきます。 そこで登場するのがピュピトルです。瓶詰め後のシャンパンをピュピトルに挿し込み、毎日少しずつ角度をつけていくことで、澱を瓶口に集めていきます。 この作業は、「ルミアージュ」と呼ばれ、熟練の職人の手によって、数週間から数ヶ月もの長い時間をかけて行われます。そして、集められた澱は、「デゴルジュマン」という工程で、瓶口を凍らせて取り除かれます。 このように、ピュピトルは、シャンパンの美しい輝きと繊細な味わいを生み出すために欠かせない、伝統的な道具なのです。
その他

甘美なる出会い:ピノ・デ・シャラントの世界

フランス南西部に広がるコニャック地方。ブランデーの産地としてあまりにも有名なこの地で、偶然のいたずらから生まれた奇跡のお酒があります。それが、甘美な香りと味わいを湛えた甘口ワイン、ピノ・デ・シャラントです。 時は16世紀に遡ります。当時、この地ではワインの醸造と同時に、ワインを蒸留して作るブランデー造りも盛んに行われていました。ある日、ワインの貯蔵庫で、ひとりの職人が誤ってブドウ果汁の入った樽にコニャック・ブランデーを入れてしまったのです。今なら大変な失敗ですが、人々はその樽をそのまま熟成させることにしました。そして長い年月が経ち、樽の封を開けてみると、そこには思いもよらぬ芳醇な香りの液体があったのです。 偶然の産物として生まれたこのお酒は、口に含むと、芳醇なブドウの香りとまろやかな甘みが広がり、ブランデーがもたらす複雑なコクと長い余韻を楽しむことができます。こうして、ピノ・デ・シャラントは誕生しました。 ピノ・デ・シャラントは、食前酒としてはもちろん、フォアグラなどの濃厚な味わいの料理との相性も抜群です。また、デザートワインとして、チョコレートやチーズと共に楽しまれることも多く、その甘美な味わいは、世界中の人々を魅了し続けています。
品種

隠れた名品!ピノ・ブランの魅力を探る

- 名脇役的存在、ピノ・ブランとは ワイン愛好家の間でも、「ピノ・ブラン」と聞いて、その特徴を明確にイメージできる人は、まだそれほど多くないかもしれません。シャルドネやソーヴィニヨン・ブランといったスター品種の陰に隠れがちですが、ピノ・ブランは、ヨーロッパの特定の地域を中心に、古くから愛されてきた由緒あるブドウ品種なのです。 その味わいは、「上品」の一言に尽きます。華やかで強い香りはなくとも、柑橘系の爽やかな香りに、白い花やアーモンドを思わせる繊細なニュアンスが感じられます。味わいは、いきいきとした酸味と、ふくよかでありながら、しつこくないミネラル感が特徴です。 ピノ・ブラン最大の魅力は、その汎用性の高さにあります。魚介類や鶏肉を使った料理はもちろんのこと、サラダや和食、エスニック料理など、幅広い料理との相性が抜群です。主張しすぎない、上品で繊細な味わいは、どんな料理も引き立ててくれる名脇役と言えるでしょう。 近年、日本でもピノ・ブランの認知度は徐々に高まりつつあります。レストランのワインリストにも、以前より多く見かけるようになりました。まだ試したことがないという方は、ぜひ一度、その奥深い魅力に触れてみて下さい。
品種

ピノ・ビアンコ:イタリア生まれの親しみやすい白ワイン

- ピノ・ビアンコとはピノ・ビアンコは、その名の通り白い果皮を持つブドウ品種、そしてそのブドウから作られる白ワインの名前です。 元々はフランスのブルゴーニュ地方で生まれたピノ・ブランという品種ですが、イタリア北東部に渡り、長い年月を経て独自の進化を遂げました。こうして、イタリアの地でピノ・ビアンコという名前で広く親しまれるようになったのです。ピノ・ビアンコは、フレッシュな果実の香りと、軽快な酸味が特徴です。リンゴや洋ナシを思わせる爽やかな香りに、白い花のような繊細な香りが加わることがあります。味わいは、キリッとした酸味が魅力で、後味にほのかな苦味が感じられることもあります。すっきりとした飲み口で、様々な料理と合わせやすいのもピノ・ビアンコの魅力です。魚介類を使った料理との相性が良く、特に、エビやイカなどの甲殻類、白身魚のカルパッチョなど、淡白な味わいの料理を引き立てます。また、ハーブを使った料理や、サラダ、前菜などとも合わせやすく、食卓を華やかに彩ります。ピノ・ビアンコは、イタリアの食文化にとって欠かせない存在です。その親しみやすい味わいは、多くの人々に愛され続けています。
品種

芳醇な魅力を探る: ピノ・ノワールの世界

フランスのブルゴーニュ地方で生まれた黒ブドウ品種、ピノ・ノワール。その名はフランス語で「黒い松ぼっくり」を意味し、小さく円錐形の房に、黒みがかった青紫色の実を付けます。世界中で愛飲されているカベルネ・ソーヴィニヨンに匹敵する人気を誇り、その華やかで繊細な味わいは、世界中のワイン愛好家を虜にしています。ピノ・ノワールから造られるワインは、淡いルビー色をしています。そして、イチゴやラズベリーのような赤い果実の香りに、バラやスミレのような花の香りが複雑に絡み合い、繊細で上品な風味を醸し出します。熟成が進むにつれて、なめし革やキノコ、スパイスといった複雑な香りが加わり、味わいに深みが増していくのも特徴です。その気品あふれる味わいは、まさに「ワインの女王」と呼ぶにふさわしいでしょう。ピノ・ノワールは、栽培が難しい品種としても知られています。冷涼な気候を好み、病害にも弱いため、丁寧に手間をかけて育てなければなりません。しかし、その分、優れたピノ・ノワールから造られるワインは、他に類を見ない複雑で深みのある味わいを持ち、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。
品種

イタリア産ピノ・ネロの魅力を探る

- ピノ・ネロとはピノ・ネロは、イタリアで広く親しまれている黒ブドウの品種を指し、フランスではピノ・ノワールとして知られています。その起源はフランスのブルゴーニュ地方に遡り、世界中で高い評価を受けている高級品種として君臨しています。イタリアでは、この気品あふれるブドウ品種はピノ・ネロと呼ばれ、その洗練された味わいで多くのワイン愛好家を虜にしています。ピノ・ネロは、薄く繊細な果皮を持つことが特徴で、栽培が難しい品種としても知られています。冷涼な気候を好み、温暖な地域では果実が熟しすぎる傾向があるため、栽培地の選定が非常に重要となります。また、病気にも弱く、細やかな管理が必要となるため、生産者の経験と技術が問われる品種と言えるでしょう。しかし、これらの困難を乗り越えて収穫されたピノ・ネロからは、比類なき美しいワインが生み出されます。その味わいは、繊細な果実味と華やかな香りが特徴で、イチゴやラズベリー、チェリーなどの赤い果実を思わせるアロマが口の中に広がります。また、熟成が進むにつれて、キノコや紅茶、スパイスなどの複雑な香りが加わり、より深みのある味わいに変化していきます。イタリアでは、ピノ・ネロは主に北部の冷涼な地域で栽培されており、トレンティーノ・アルト・アディジェ州やフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州、ロンバルディア州などが有名です。それぞれの地域によって、土壌や気候が異なるため、ピノ・ネロの味わいに微妙な違いが生まれるのも魅力の一つと言えるでしょう。
生産地

知られざる銘醸地!ピノ・ネーロ・デッロルトレポ・パヴェーゼの魅力

- 注目のワイン産地、オルトレポ・パヴェーゼ イタリアワインの愛好家にとっても、「オルトレポ・パヴェーゼ」は、まだあまり知られていない名前かもしれません。しかし、近年、この地域は、ワイン生産地として、静かに、しかし確実に、その名を知らしめつつあります。 オルトレポ・パヴェーゼは、イタリア北西部に位置するピエモンテ州の南西部に位置しています。ピエモンテ州といえば、イタリアを代表する高級ワイン産地として知られていますが、その中でも、オルトレポ・パヴェーゼは、まだ新しい発見と言えるでしょう。 この地域の注目すべき点は、何と言っても、ピノ・ネーロ種から造られる赤ワインです。ピノ・ネーロは、フランスのブルゴーニュ地方を原産地とする、栽培が難しいことで知られるブドウ品種ですが、オルトレポ・パヴェーゼの土壌と気候は、この繊細なブドウの栽培に適しており、他に類を見ない個性的なワインを生み出しています。 オルトレポ・パヴェーゼのワインは、豊かな果実味としっかりとした酸味、そして、ピノ・ネーロ特有の繊細な香りが特徴です。近年、その品質の高さから、国内外のワイン愛好家や評論家から高い評価を受けており、新たな銘醸地として、大きな期待が寄せられています。 まだ見ぬ味わいを求めて、ぜひ一度、オルトレポ・パヴェーゼのワインを試してみてはいかがでしょうか。きっと、新しい発見があるはずです。
品種

ピノ・グリージョ:イタリア生まれの爽やかワイン

ワインの世界は、まさに多様性の宝庫と言えるでしょう。同じブドウ品種から作られたワインであっても、異なる名前で呼ばれることは珍しくありません。その代表例と言えるのが、「ピノ・グリ」と「ピノ・グリージョ」です。どちらも同じブドウ品種から生まれたワインですが、その名前の違いは、主に産地と味わいのスタイルに由来しています。 「ピノ・グリ」は、フランスのアルザス地方などで伝統的に作られてきた呼び名です。このワインは、熟した果実の風味と、芳醇な香りに満ち溢れ、コクと深みのある味わいが特徴です。熟成を経ることで、さらに複雑な味わいを生み出すポテンシャルを秘めています。 一方、「ピノ・グリージョ」は、イタリアで広く親しまれている呼び名です。特に、北イタリアのヴェネト州やフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州などで多く生産されています。こちらは、フレッシュでフルーティーな香りが特徴で、軽快な飲み心地が魅力です。みずみずしい果実の風味と爽やかな酸味が調和し、心地よい余韻を楽しめます。 このように、同じブドウ品種でありながら、異なる個性を持つ「ピノ・グリ」と「ピノ・グリージョ」。その味わいの違いを、ぜひ飲み比べてみてください。
品種

世界で愛される華やかな味わい!ピノ・グリの魅力

世界中で愛される黒ブドウ、ピノ・ノワール。そのピノ・ノワールから、ある時、突然変異によって生まれたのがピノ・グリです。ピノ・ノワールと言えば、濃い色合いの果皮が特徴ですが、ピノ・グリは薄いピンク色をしています。突然変異によって果皮の色が変化したことで、ピノ・グリはピノ・ノワールとは異なる個性を持つようになりました。 ピノ・グリは、その美しい色合いから想像できるように、華やかな香りのワインを生み出します。バラやスミレのような花の香りに加え、熟した桃やアプリコットなどの果実香、そしてほんのりと蜂蜜を思わせる甘い香りが感じられます。味わいは、ふくよかでまろやかな口当たり。酸味は穏やかで、優しい甘みが広がります。 ピノ・グリは、単一で醸造されることが多く、その品種ならではの個性をストレートに楽しむことができます。アペリティフとして楽しむのはもちろん、魚介類や鶏肉料理など、軽めの食事との相性も抜群です。また、近年ではオレンジワインの原料としても注目されています。
ワインラベル

ワイン用語解説: ピッコロってどんなサイズ?

イタリア料理店でワインリストを眺めていると、「ピッコロ」という可愛らしい言葉を見かけることがありますよね。ワインに馴染みのない方なら、イタリアワインの名前かな?なんて想像してしまうかもしれません。しかし実は、「ピッコロ」とは、ワインのボトルサイズを表す言葉なのです。 ワインボトルと聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、750ml入りの一般的なサイズのボトルでしょう。この標準的なボトルに対して、「ピッコロ」は、その4分の1の容量、187mlの小さなボトルを指します。片手にすっぽりと収まってしまうほどの可愛らしいサイズが特徴です。 「ピッコロ」は、イタリア語で「小さい」という意味。まさに、その見た目通りの名前が付けられています。少量を気軽に楽しみたい時や、色々な種類のワインを試してみたいという時にぴったりです。また、フルボトルで開けるには量が多いと感じる時や、一人での晩酌などにも重すぎず最適です。 レストランでは、グラスワインよりも少しだけ量が多いものを提供する際に、「ピッコロ」サイズが用いられることがあります。可愛らしい響きだけでなく、実用性も兼ね備えた「ピッコロ」。次にイタリア料理店を訪れた際は、ぜひワインリストで探してみてくださいね。
生産方法

ワイン造りの技法:ピジャージュとは?

- ピジャージュとは? ワイン造りにおける「ピジャージュ」は、赤ワインの発酵過程で欠かせない伝統的な技法です。 発酵中のタンク内では、酵母が糖分を分解しアルコールと炭酸ガスが発生します。この時、果皮や種子などの固形物が炭酸ガスの勢いで押し上げられ、液面上に「果帽」と呼ばれる層を作ります。 ピジャージュは、この果帽を専用の棒を使ってタンクの底に沈める作業を指します。 果帽を液中に沈めることで、色素、香り、渋み成分であるタンニンがワインにより多く抽出されます。 また、発酵熱が均一に伝わることで、雑菌の繁殖を抑え、安定した発酵を促す効果もあります。 ピジャージュは、人の手で行われることが多く、回数やタイミング、力の入れ具合によってワインの味わいが大きく変わるため、醸造家の経験と技術が問われる繊細な工程と言えます。
生産地

世界遺産の火山島が生む奇跡のワイン:ピコ

青い海原に浮かぶ火山島、ポルトガル領アソーレス諸島の一つ、ピコ島。その中心には、島名の由来ともなったポルトガル語で「頂上」を意味するピコ山がそびえ立ちます。標高2,351メートルにも及ぶその雄姿は、まさに大西洋の孤島にそびえる王者の風格です。ユネスコ世界遺産にも登録されているこの島は、その豊かな自然環境だけでなく、個性的なワインの産地としても知られています。 ピコ島のワイン造りの歴史は古く、15世紀にまで遡ると言われています。火山活動によって生まれたこの島は、水はけのよい火山性土壌が広がり、ブドウ栽培に適した環境です。中でも特徴的なのは、溶岩で造られた低い石垣に囲まれた「クルゼイロ」と呼ばれる区画です。強い海風からブドウを守るために古くから築かれてきたもので、島独特の景観を生み出しています。 ピコ山から流れ出た溶岩が作り出した独特のテロワールを持つピコ島では、ミネラル感あふれる力強い味わいのワインが生まれます。火山島の強烈な日差しと、大西洋の潮風を浴びて育ったブドウは、凝縮感と複雑なアロマを備えています。ピコ島のワインは、その個性的な味わいで、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。
生産地

注目の産地! ピク・サン・ルーの魅力

フランス南部の温暖なラングドック地方。広大なブドウ畑が広がるこの地は、古くからワイン造りが盛んな地域として知られています。その中でも近年、品質の高いワインを生み出す産地として、世界中のワイン愛好家から注目を集めているのが「ピク・サン・ルー」です。 ピク・サン・ルーは、2017年まで「ラングドック」という地方名ワインの枠組みの中で生産されていました。しかし、その品質の高さは折り紙付きで、他のラングドックワインとは一線を画す、独自の個性と優れたポテンシャルを秘めていると評価されていました。そして長年の努力が実を結び、ついに2017年、ピク・サン・ルーは村名ワインへと昇格。これは、ピク・サン・ルーのワインが、その土地の気候や土壌を反映した、唯一無二の個性を持つと認められたことを意味します。 太陽の光をたっぷり浴びて育ったブドウから造られるピク・サン・ルーのワインは、果実味豊かで、力強い味わいが特徴です。近年では、さらに品質向上に磨きをかけ、複雑でエレガントな味わいを兼ね備えたワインを生み出しています。これからもピク・サン・ルーは、南フランスを代表する銘醸地として、世界中のワイン愛好家を魅了し続けることでしょう。
生産地

イタリアワインの王様を生み出す州、ピエモンテ

イタリア北西部に位置するピエモンテ州は、その名の通り、雄大なアルプス山脈の麓に広がる美しい州です。「ピエモンテ」という言葉は、イタリア語で「山のふもと」を意味し、その名の通り、どこまでも続く緑豊かなブドウ畑と、その後ろにそびえ立つ雪を冠したアルプスの峰々という、絵画のような絶景が訪れる人々を魅了します。 ピエモンテ州は、西にフランス、北にスイスと国境を接し、古くからヨーロッパの中心都市を結ぶ交通の要衝として栄えてきました。そのため、様々な文化が行き交う中で、独自の豊かな歴史と伝統が育まれてきました。特に食文化においては、フランス料理の影響を受けながらも、地元の食材を活かした洗練された料理が多く、ワインも食事と共に楽しまれてきました。 ピエモンテ州のワイン造りの歴史は非常に古く、古代ローマ時代まで遡ると言われています。中でも有名なのは、ネッビオーロ種という黒ブドウから造られる、力強く複雑な味わいの赤ワインです。バローロやバルバレスコといった銘柄は、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。また、白ワインでは、辛口でフルーティーな味わいのガヴィや、芳醇な香りのモスカート・ダスティなど、個性豊かなワインが数多く造られています。 ピエモンテ州は、豊かな自然と歴史、そして食文化が織りなす魅力あふれる土地です。訪れた人々は、その美しい風景と、そこで生まれる素晴らしいワインに心を奪われることでしょう。
道具

ワイン樽の世界:ピエスとは?

- ワイン樽のサイズの単位ピエスとは?ワインの熟成に欠かせないワイン樽。その大きさは、ワインの味わいに影響を与える重要な要素の一つです。樽の大きさが変われば、ワインと樽材の接触面積が変化し、熟成のスピードや香りの付き方が変わってくるからです。ワイン樽のサイズを表す単位は国や地域によって様々ですが、主要な単位の一つに「ピエス」があります。フランス語で「一片、一部分」を意味するこの言葉は、主にブルゴーニュ地方で用いられています。では、一体どれくらいの大きさなのでしょうか? 実は、ピエスは容量の単位ではなく、樽を作る際に用いる木材の幅を表す単位なのです。ブルゴーニュ地方では、伝統的に樹齢100年以上のオーク材を厳選し、それを縦半分に割ってから、さらに7つのパーツに切り分けて樽を作ります。このパーツ1つ分を「ピエス」と呼ぶのです。そのため、ピエスの大きさは、使用する木材の太さによって異なってきます。一般的には、1ピエスは約228リットルとされていますが、実際には225リットルから230リットル程度まで、様々なサイズの樽が存在します。ピエスは、ブルゴーニュワインの伝統と深く結びついた、歴史ある単位と言えるでしょう。
道具

ワイン熟成の秘密兵器!樽の産地「ピエス」

ぶどうの果実から造られるワインは、熟成という過程を経ることで、味わいに深みが増し、香りが花開きます。その熟成において、重要な役割を担う要素の一つに、「樽」の存在が挙げられます。樽は、単にワインを貯蔵しておくための容器ではなく、ワインとゆっくりと対話し、その個性を育むための重要なパートナーといえます。 樽の素材として一般的に用いられるのは、オーク材です。オーク材は、緻密な木肌を持ちながらも適度な通気性を備えており、ゆっくりとワインに酸素を供給することで、熟成を促します。この過程で、ワインに含まれる成分が変化し、まろやかな口触りや複雑な香りが生まれていきます。さらに、オーク材に由来するバニラやスパイス、ナッツなどを思わせる香りが、ワインに移り、より風味豊かな味わいを生み出します。 ワイン樽は、その素材だけでなく、製造方法や産地によっても、ワインに与える影響が異なります。例えば、樽材の焼き加減によって、トースト香やスモーキーな香りが強調されたり、産地によって異なるオーク材の個性が、ワインに微妙なニュアンスを与えます。このように、ワインの熟成における樽の影響は多岐にわたり、その奥深さは、ワイン造りの長い歴史の中で、今もなお探求され続けています。
生産者

ムルソーの巨匠:ピエール・モレ

ブルゴーニュ地方の中心に位置し、世界最高峰の白ワインを生み出す村として名高いムルソー。その地で、長い歴史と伝統を受け継ぎながらワイン造りを行うのが、ドメーヌ・ピエール・モレです。 このドメーヌは、1973年からムルソーの地でワイン造りを始めました。代々続く葡萄栽培家の家系に生まれたピエール・モレ氏が、1971年に自身の名前を冠したドメーヌを設立。以来、ムルソーのテロワールを最大限に表現した、高品質なワインを生み出し続けています。 ピエール・モレ氏が目指すのは、シャルドネ本来の持つ、繊細な果実味とミネラル感を活かしたエレガントなワイン造りです。そのため、畑では自然と共存する農法を実践し、葡萄の樹一本一本と向き合いながら、丁寧に葡萄を育てています。 醸造においても、伝統的な手法を守りながら、最新技術も積極的に導入することで、その年ごとの葡萄の個性を最大限に引き出したワイン造りを行っています。 ムルソーのテロワールと、ピエール・モレ氏の弛まぬ努力が生み出すワインは、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。
生産方法

ブドウ樹の冬支度、ビュタージュとは?

厳しい冬がやってくると、あたり一面は雪景色に変わります。ぶどう畑のぶどうの木も、葉を落とし、静かに春の訪れを待つ眠りに入ります。 活動を休止したように見える冬のぶどう畑ですが、おいしいぶどうを収穫するためには、この時期の農家さんの作業が欠かせません。 冬の間、ぶどうの木は、冷たい風や霜の被害を受けやすいため、寒さから守ってあげる必要があるのです。 そのために必要な作業の一つに「ビュタージュ」があります。11月から12月にかけて、農家さんは、ぶどうの木一本一本の根元の周りに土を丁寧に盛り上げていきます。 まるで、冬の寒さからぶどうの木を守るために、温かい布団をかけてあげるようです。 この土の布団は、凍えるような寒さからぶどうの木の根を守り、春には、再び力強く芽吹くための大切な役割を果たします。 春の芽出しに向けて、冬の間にしっかりと力を蓄えるぶどうの木。 農家さんの惜しみない愛情と努力が、おいしいぶどうを育む土台となっているのです。
ワインラベル

スペインワインを知る: ビノ・デ・ラ・ティエラ

スペインで造られるワインは、その品質の高さと産地による個性へのこだわりから、厳しいルールによって守られています。中でも特に重要なのが、ワインの個性と品質をしっかりと守るための原産地呼称制度です。この制度では、ブドウの種類はもちろんのこと、育て方やワインの作り方に至るまで細かく定められています。 その中で、「ビノ・デ・ラ・ティエラ」は、スペインワインの多様な魅力を語る上で欠かせない存在です。「ビノ・デ・ラ・ティエラ」は、スペイン語で「土地のワイン」という意味を持ちます。特定の地域で造られる、その土地ならではの個性を持ったワインを指します。 「ビノ・デ・ラ・ティエラ」には、それぞれの地域で古くから受け継がれてきた伝統的なブドウ品種や、その土地の気候風土に合ったブドウ栽培のノウハウが活かされています。そのため、他の地域では味わうことのできない、個性豊かなワインが生まれます。 例えば、スペイン北部の大西洋に面した地域では、冷涼な気候を活かした爽やかな味わいの白ワインが、一方、太陽の光が降り注ぐ南部の地域では、濃厚でコクのある赤ワインが造られます。このように、「ビノ・デ・ラ・ティエラ」は、スペインの多様な風土と、その土地で育まれたブドウ栽培の歴史を感じることができるワインと言えるでしょう。
生産地

カバ新時代到来!注目の産地「ビニェドス・デ・アルメンドラホ」

スペインを代表するスパークリングワインとして名高い「カバ」。近年、その味わいはますます進化し、世界中のワイン愛好家を虜にしています。 2020年には、カバの品質向上を目指し、新たな規定が施行されました。その一環として、新たに4つの生産地域が制定され、それぞれの土壌や気候といった特徴を反映した個性豊かなカバ造りが進められています。 今回は、その中でもひときわ注目を集める「ビニェドス・デ・アルメンドラホ」について、その魅力に迫りましょう。 「ビニェドス・デ・アルメンドラホ」は、スペイン南部、太陽の恵み豊かなエクストレマドゥーラ州に位置しています。この地域は、古くからブドウ栽培が盛んな土地として知られており、カバ造りにおいても長い歴史と伝統を誇ります。 「ビニェドス・デ・アルメンドラホ」で造られるカバの特徴は、なんといってもその力強い味わいです。太陽の光をたっぷりと浴びて育ったブドウから造られるワインは、凝縮感のある果実味と豊かな酸味が見事に調和しています。また、瓶内二次発酵によって生まれるきめ細やかな泡立ちも魅力のひとつ。グラスに注ぐと、華やかな香りと共に、美しく立ち上る泡が楽しめます。 伝統的な製法を守りながらも、常に新しい挑戦を続ける「ビニェドス・デ・アルメンドラホ」のカバは、まさに進化し続けるスペインワインの象徴と言えるでしょう。
気候

ワインの当たり年!ビッグヴィンテージとは?

- ビッグヴィンテージとはワインの世界で頻繁に耳にする「ビッグヴィンテージ」。これは、ただ美味しいワインができた年というわけではなく、その年に収穫されたブドウが天候に恵まれ、非常に高い品質を備えていたことを示す称号のようなものです。ブドウは、その年の気候によって味わいを大きく左右されます。春に適切な時期に雨が降り、夏は十分な日照量に恵まれ、秋に雨が少ないなど、ブドウの生育に最適な気候条件が揃った年に、ビッグヴィンテージは生まれます。このような年には、凝縮された果実味、豊かな香気、そして長期熟成に耐えうる複雑な味わいを備えた、まさに「当たり年」と呼ぶにふさわしいワインが生まれます。ビッグヴィンテージと認められる年は、産地やブドウ品種によって異なります。例えば、フランスのボルドー地方であれば、2000年、2005年、2009年、2010年などがビッグヴィンテージとして知られています。しかし、ビッグヴィンテージだからといって、全てのワインが必ずしも最高傑作というわけではありません。ワインの品質は、ブドウの栽培方法や醸造技術によっても大きく左右されるからです。それでもやはり、ビッグヴィンテージのワインには、他の年にない特別な魅力が宿っていることは間違いありません。ワイン愛好家であれば、一度は味わってみたいと思う特別なワインと言えるでしょう。
ワインラベル

ワインの隠し味?ビタミンCの秘密

- 身近な栄養素、ビタミンCビタミンCと聞くと、肌の調子を整えたり、風邪を予防したりといった、美容と健康に良い効果を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか? 実際、ビタミンCは、私たちの体にとって重要な役割を果たす栄養素です。正式には「L-アスコルビン酸」と呼ばれるこのビタミンCは、日本においても安全性が認められ、食品添加物としても広く使用されています。ビタミンCは、体内でコラーゲンを生成する際に欠かせない栄養素です。コラーゲンは、肌のハリや弾力を保つために重要なタンパク質であり、ビタミンCが不足すると、肌のトラブルや老化を促進してしまう可能性があります。また、ビタミンCには、強い抗酸化作用があることも知られています。活性酸素は、細胞にダメージを与える原因物質ですが、ビタミンCはこの活性酸素を除去し、細胞を酸化ストレスから守る働きをします。さらに、ビタミンCは、免疫力を高める効果も期待されています。風邪などの感染症から体を守る免疫細胞の働きを活性化することで、病気になりにくい体づくりをサポートします。このように、ビタミンCは私たちの健康を維持するために、様々な場面で活躍しているのです。日頃から、ビタミンCを豊富に含む食品を意識して摂取することで、美容と健康を保ちましょう。