品種 ワインの世界を探求:カルメネール
- 謎多きブドウ品種カルメネールは、フランスのボルドー地方発祥の黒ブドウの一種です。その歴史は深く、古代ローマ帝国の時代からすでに人々に愛飲されていたという説もあるほどです。しかし、19世紀後半、ヨーロッパを襲ったフィロキセラ禍は、この由緒あるブドウ品種にも壊滅的な打撃を与えました。フィロキセラという小さな虫がブドウの根を食い荒らし、ヨーロッパ中のブドウ畑を壊滅状態に追い込んだのです。カルメネールもその被害から逃れることはできず、一時は絶滅の危機に瀕しました。さらに追い打ちをかけるように、気候変動の影響も深刻化しました。温暖な気候を好むカルメネールにとって、近年続く夏の酷暑や異常気象は、生育に適さない厳しい環境を生み出しました。こうした困難な状況が重なり、カルメネールの栽培面積は激減し、「幻のブドウ」と呼ばれるほど希少な品種となってしまいました。しかし、近年ではチリなど、新たな栽培地でその魅力が見直され、再び注目を集めています。
