テイスティング ワインの涙:その秘密を探る
ワインをグラスに注ぐと、液体が表面張力でグラスの内側に沿ってわずかに上昇します。そして、重力によって再びワインが降りてくる際に、筋状の跡が残ることがあります。これが「脚」や「涙」と呼ばれる現象で、ワインの個性を知るためのヒントになります。この現象は、アルコールと水の蒸発速度の違いによって生まれます。アルコールは水よりも早く蒸発するため、グラスの内側に残った薄い液膜の中では、アルコール濃度が低下し、表面張力が大きくなります。その結果、液体がより上部へと引き上げられ、筋状の跡が残るのです。「脚」がはっきりと現れ、長く残るワインは、アルコール度数が高く、コクのある濃厚な味わいの傾向があります。反対に、「脚」が短くすぐに消えてしまうワインは、アルコール度数が低めで、さっぱりとした軽やかな味わいのことが多いでしょう。ただし、「脚」だけでワインの質を判断することはできません。ワインの風味や香りは、ブドウの品種、産地、製造方法など、さまざまな要素によって決まります。「脚」は、あくまでもワインの個性を知るための目安の一つとして、楽しんでみてください。
