ワインラベル セミ・ジェネリック:アメリカワインの古き良き時代の名残
- セミ・ジェネリックとはかつて、アメリカのワイン業界には「セミ・ジェネリック」と呼ばれる、少々風変わりな慣習が存在していました。これは、アメリカのワインでありながら、ヨーロッパの有名なワイン産地の名をそのまま、あるいはほんの少しだけ変更してラベルに記載するというものでした。例えば、「ナパ・バレー シャブリ」や「カリフォルニア ハーティー・バーガンディー」といった具合です。もちろん、これらのワインはフランスのシャブリやブルゴーニュ地方で造られたものではありません。しかし、当時のアメリカの消費者は、まだ国内産のワインに馴染みが薄く、ヨーロッパのワイン、特にフランスワインに高い品質イメージを持っていました。そこで、販売戦略の一環として、ヨーロッパの銘醸地を思わせる名称を用いることで、消費者に「あの有名なワインと似たような味わいのワイン」という印象を与え、購買意欲を高めようとしたのです。しかし、このような曖昧な名称は、消費者に誤解を与える可能性も孕んでいました。そのため、1983年以降、アメリカと欧州連合(EU)の間で締結されたワインに関する協定により、新たに造られるワインに対しては、このような伝統的なヨーロッパの産地名を冠した名称の使用が禁止されることとなりました。ただし、協定締結以前に既に使用されていた一部の名称については、経過措置として現在も使用が認められています。そのため、現在でもアメリカのワインショップなどで、セミ・ジェネリックを見かけることがあるかもしれません。
