シャンパーニュの偉大なる女性、ヴーヴ・クリコ

シャンパーニュの偉大なる女性、ヴーヴ・クリコ

ヴーヴ・クリコとは

ヴーヴ・クリコは、フランスのシャンパーニュ地方の中心都市ランスに拠点を置く、シャンパーニュの生産者です。その名前は、世界中で高級シャンパーニュとして知られており、特別な日の一杯として楽しまれています。

ヴーヴ・クリコの歴史は古く、1772年に創業されました。これはフランス革命よりもさらに前の時代であり、その長い歴史と伝統は、彼らが作り出すシャンパーニュの品質の高さを物語っています。

ヴーヴ・クリコという名前は、創業者の未亡人、マダム・クリコに由来します。彼女は夫の死後、弱冠27歳という若さで事業を継承し、類まれなる経営手腕でシャンパーニュメゾンを世界的な成功に導きました。彼女の功績は、現代においてもなお語り継がれており、ヴーヴ・クリコのシャンパーニュには、彼女の力強い生き様と、革新的な精神が息づいています。

1986年には、高級ブランドグループであるLVMH（ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー）の傘下に入り、その知名度と品質はさらに向上しました。現在では、世界150カ国以上で愛される、世界屈指のシャンパーニュブランドとしての地位を確立しています。

黄色いラベルの秘密

輝く黄金色の飲み物を包む、鮮やかな黄色いラベル。シャンパンの代名詞ともいえる「ヴーヴ・クリコ」、その中でも「イエローラベル」と呼ばれるスタンダードキュヴェには、特別な秘密が隠されています。

一目見ただけで心を奪われるその黄色は、偶然の産物ではありません。それは、品質の証であり、揺るぎない自信の表れなのです。

口に含めば、きめ細やかな泡が舌の上で軽やかに踊り、フレッシュでフルーティーな香りが鼻腔をくすぐります。

その味わいは、まさに至福のひととき。どんな料理にも寄り添い、その場を華やかに彩ります。

ヴーヴ・クリコのイエローラベルは、単なるシャンパンを超えた、特別な存在と言えるでしょう。黄色いラベルに込められた秘密に触れた時、あなたはきっと、その魅力の虜になるはずです。

偉大なる女性、マダム・クリコ

– 偉大なる女性、マダム・クリコヴーヴ・クリコというシャンパンの名を知らぬ人は少ないでしょう。世界中で愛飲されるこのシャンパンの成功は、ひとりの女性のたゆまぬ努力なくしてはありえませんでした。その名は、マダム・クリコ。彼女は、ヴーヴ・クリコの創業者である孫のフランソワ・クリコが若くしてこの世を去った後、事業を継承したのです。まだ女性が社会進出に困難を極めた時代、若干27歳で未亡人となったマダム・クリコは、悲しみに暮れることなく、夫の遺志を継ぎ、シャンパン造りに生涯を捧げることを決意します。持ち前の聡明さと行動力で、彼女は品質への妥協なき姿勢を貫き、数々の革新的な技術を導入することで、ヴーヴ・クリコの名声を高めていきました。中でも特筆すべきは、「ルミュアージュ」と呼ばれる澱引きの技術です。これは、瓶を傾けながら澱を瓶口に集めることで、シャンパンの味わいをクリアにするための重要な工程ですが、従来の方法では非常に時間と手間がかかっていました。マダム・クリコは、この工程を効率化するために、斜めに穴を開けた作業台を考案。これにより、作業効率が飛躍的に向上し、高品質なシャンパンを安定して供給できる体制を築き上げました。「品質こそがすべて」。マダム・クリコのこの信念は、今日のヴーヴ・クリコのシャンパン造りにもしっかりと受け継がれています。そして、彼女の功績は、シャンパンの世界にと止まることなく、逆境に立ち向かう女性たちの希望の光として、時代を超えて世界中の女性から尊敬を集めているのです。

トップキュヴェ「ラ・グランダム」

ヴーヴ・クリコを代表する最高級シャンパーニュ、それが「ラ・グランダム」です。「ラ・グランダム」とは、フランス語で「偉大なる女性」を意味します。これは、まさに、夫を亡くした後もシャンパーニュ造りに情熱を注ぎ、ヴーヴ・クリコを世界的な名門へと成長させたマダム・クリコへのオマージュとして捧げられた特別なシャンパーニュなのです。
「ラ・グランダム」には、最高の畑で収穫された選び抜かれたブドウだけが使われます。そして、長い年月をかけて熟成させることで、その味わいは深みを増し、芳醇な香りと複雑で奥深い味わいを生み出すのです。グラスに注げば、きめ細かい泡が立ち上り、白い花や柑橘系の果実を思わせる華やかな香りが広がります。口に含むと、熟した果実の豊かな風味が広がり、クリーミーな泡が心地よく舌を刺激します。そして、余韻にはハチミツやブリオッシュを思わせる香ばしい香りが長く続きます。ヴーヴ・クリコの伝統を守りながら、常に革新を続けるという精神が込められた「ラ・グランダム」。まさに、至高と呼ぶにふさわしい、珠玉のシャンパーニュと言えるでしょう。

広大な自社畑とブドウ品種

ヴーヴ・クリコは、高品質なシャンパーニュを生み出すために、ブドウ栽培にも一切の妥協を許しません。その象徴とも言えるのが、広大な自社畑です。その面積は、実に390ヘクタールにも及びます。これは、東京ドーム約83個分に相当する広さです。

中でも特に重要なのが、シャンパーニュ地方の中でも特に優れたブドウが収穫できるとされる、グラン・クリュとプルミエ・クリュに指定された畑です。これらの畑は、日当たりや水はけ、土壌の質など、ブドウ栽培に最適な条件が揃っています。

そして、これらの恵まれた環境で大切に育てられるのが、シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエという3種類のブドウです。シャルドネは、繊細な味わいと上品な香りを、ピノ・ノワールは、力強い骨格と深みのある味わいを、ムニエは、フルーティーな香りとまろやかな味わいを生み出します。

ヴーヴ・クリコは、長年の経験と独自のノウハウに基づき、これらのブドウを絶妙なバランスでブレンドすることで、繊細でありながら複雑さを持つ、エレガントなシャンパーニュを造り上げているのです。

リザーヴワインの比率

ヴーヴ・クリコのシャンパーニュといえば、その華やかで芳醇な味わいが多くの人を魅了してやみません。この味わいの秘密は、一体どこにあるのでしょうか？実は、シャンパーニュ造りにおいて非常に重要な役割を果たす「リザーヴワイン」の使い方に、ヴーヴ・クリコのこだわりが隠されているのです。

リザーヴワインとは、過去の収穫年のワインを大切に熟熟成させたもので、シャンパーニュに奥行きと複雑さを与えるためにブレンドされます。一般的に、シャンパーニュにおけるリザーヴワインの使用比率は20%程度と言われています。しかしヴーヴ・クリコでは、なんと25%から45%という高い比率でリザーヴワインを使用しているのです。

このこだわりの背景には、長い年月を経て培われた伝統と、品質への揺るぎない信念が存在します。良質な葡萄が育つ畑を所有し、そこで収穫された葡萄のみを使用すること。そして、最高のヴィンテージのワインを惜しみなくリザーヴワインとして使用することで、ヴーヴ・クリコは常に最高峰のシャンパーニュを世に送り出しているのです。