品種 コルスの誇り、ニエルッキオを知る
イタリアを代表する黒ブドウ品種といえば、その名も「聖なるヨハネ」を意味するサンジョヴェーゼを思い浮かべる方も多いでしょう。イタリア全土で広く栽培され、親しまれているこの品種は、実は海を渡った先にも、深い繋がりを持つ親戚がいるのです。それが、フランス領コルシカ島の主要品種であるニエルッキオです。ニエルッキオは、遺伝子的にサンジョヴェーゼと同一であることが確認されており、いわば「海を隔てた双子」のような関係と言えるでしょう。では、なぜ同じブドウ品種が異なる名前で呼ばれているのでしょうか?その理由は、歴史の中に隠されています。古代ローマ時代、イタリア半島で広く栽培されていたサンジョヴェーゼは、その後、交易や人の移動に伴い、地中海周辺地域にも広まりました。コルシカ島に伝わったサンジョヴェーゼは、その土地の風土や気候に適応し、独自の進化を遂げたと考えられています。そして、長い年月を経て、ニエルッキオという固有の名前で呼ばれるようになったのです。このように、サンジョヴェーゼとニエルッキオは、歴史と海によって隔てられながらも、その根底には共通のルーツを持つ、非常に興味深い関係と言えるでしょう。
