パスリヤージュ

生産方法

甘口ワインを生む魔法、パスリヤージュ

- ブドウの変身収穫の秋が過ぎ、多くのブドウがワインとなるために摘み取られる中、畑の一部のブドウは、樹にそのまま残されることがあります。晩秋の冷たい風と、冬の柔らかな陽射しを浴びて、まるで時間を止めたかのように、静かにその身を委ねているのです。 これは、「パスリヤージュ」と呼ばれる、甘口ワインを生み出すための、ブドウの変身劇の始まりです。パスリヤージュでは、収穫期を過ぎたブドウを、意図的に樹に付けたまま乾燥させます。すると、ブドウの水分が徐々に蒸発し、糖分や酸、アロマが凝縮されていきます。その過程は、まるでブドウが太陽の光を浴びて、黄金色に輝きを増していくかのようです。ブドウの実は、徐々にしなびていき、干しブドウのように変化していきますが、その中には、凝縮された旨みと、芳醇な香りが詰まっているのです。こうして乾燥させたブドウからは、糖度の高い果汁が得られます。この果汁をゆっくりと発酵させることで、芳醇な香りと、濃厚な甘みを持つ、特別な甘口ワインが生まれます。 それは、太陽と風、そして時間という自然の力が織りなす、まさに芸術作品と言えるでしょう。 蜂蜜やカラメルを思わせる濃厚な甘み、アプリコットやドライフルーツのような芳醇な香り、そして、長い余韻。パスリヤージュによって生まれたワインは、まさに、ブドウの変身が生み出す、至福の味わいを私たちに届けてくれるのです。