生産方法 ワインの individuality を決める「株密度」
広大なブドウ畑を思い浮かべてみてください。太陽の光を浴びて緑の葉が輝き、その下には、たわわに実ったブドウが並んでいます。どこを見ても似たような景色が広がっていると思いがちですが、一歩足を踏み入れてみると、畑によってブドウの樹の植えられ方が違うことに気づきます。ある畑は樹と樹の間隔が広く、のびのびとした印象を受けますが、別の畑はまるで肩が触れ合うようにぎっしりと樹が植えられています。この違いを生み出すのが「株密度」です。株密度とは、簡単に言うと、一定の面積あたりに植えられたブドウの樹の本数のことです。広々とした畑は株密度が低く、ぎゅっと詰まった畑は株密度が高いということになります。では、なぜ株密度を変えるのでしょうか?それは、ブドウの生育やワインの味わいに大きな影響を与えるからです。例えば、株密度が高いと、ブドウの樹は太陽の光を求めて上へと伸びていきます。その結果、一房一房に栄養が行き渡りやすくなるため、凝縮感のある果実味豊かなワインが生まれます。反対に、株密度が低い場合は、太陽の光をたっぷりと浴びることができるため、ブドウは大きく成長し、果汁も豊富になります。こうして生まれるワインは、穏やかな酸味とふくよかな香りが特徴です。このように、一見同じように見えるブドウ畑でも、株密度によって個性は大きく変わります。ワインを味わう際には、ぜひその背景にあるブドウ畑の風景にも思いを馳せてみてください。
