ポルトガル生まれの白ワイン品種 シリアの魅力

ポルトガル生まれの白ワイン品種 シリアの魅力

あまり知られていないシリア

ワインの世界は、まさに多種多様なブドウ品種の宝庫です。世界中で愛される有名な品種から、限られた地域でひっそりと栽培される珍しい品種まで、その数は数え切れません。

ポルトガルという国をご存知でしょうか？ポルトガルはイベリア半島の西端に位置し、温暖な気候と豊かな自然に恵まれた美しい国です。そして、このポルトガルは、古くからワイン造りが盛んなことでも知られています。中でも、ドウロ川の上流地域に広がる「アレンテージョ地方」は、ポルトガルを代表するワイン産地の一つです。

太陽の光をたっぷり浴びて育ったブドウから造られるアレンテージョのワインは、果実味豊かでコクがあり、世界中のワイン愛好家を魅了しています。

さて、そんなアレンテージョ地方で、主に栽培されている白ワイン用ブドウ品種の一つに「シリア」という品種があります。シリアは、あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、ポルトガルでは古くから栽培されている伝統的な品種です。

シリアという名前は、この品種の原産地が中東のシリア地方であるという説に由来すると言われています。しかし、その起源ははっきりとしていません。一説には、フェニキア人によって地中海沿岸にもたらされたとも言われており、長い歴史の中で人々の間を渡り歩いてきたロマンを感じさせる品種と言えるでしょう。

シリアで造られるワインは、柑橘系の爽やかな香りと、蜂蜜やミネラルを思わせる複雑な風味が特徴です。しっかりとした酸味があり、魚介料理との相性が抜群です。

近年、ポルトガルワインの人気が高まるにつれて、シリアへの注目度も少しずつ高まってきています。まだあまり知られていない、隠れた魅力を持つブドウ品種「シリア」。もし機会があれば、ぜひ一度味わってみてください。きっと、その奥深い味わいに魅了されることでしょう。

シリアの味わいと香り

シリアという国は、長い歴史の中でワイン造りにも深い関わりを持ってきました。現代においても、シリア産のワインは、その独特の味わいで、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。

シリアのワインと聞いてまず思い浮かぶのは、みずみずしく、果実味が豊かな点です。口に含んだ瞬間、まるでシリアの太陽の光を浴びて育った果実のように、フレッシュな甘みと爽やかさが広がります。特に、柑橘類を思わせる、すっきりとした香りは、シリアワインの大きな特徴と言えるでしょう。さらに、白い花のような繊細な香りや、メロンや桃のような熟した果実の甘い香りが、複雑に絡み合い、豊かなアロマを生み出しています。

味わいは、軽やかで飲みやすい点が特徴です。渋みや苦味は控えめで、フルーティーな酸味が全体を引き締めており、バランスの良さを感じさせます。そのため、若い内に楽しむのがおすすめです。複雑な熟成を経たワインとはまた違った、若々しい果実のエネルギーを、存分に味わうことができます。

シリアのワインは、その土地の恵みを感じさせる、魅力あふれるワインと言えるでしょう。

ポルトガル以外では珍しい

シリアは、その名の通りポルトガルで生まれた葡萄品種です。ポルトガルの中でも特に、アレンテージョ地方を中心に栽培されており、他の地域ではほとんど見かけることができません。そのため、ポルトガル国外では、シリアワインを見つけることは非常に難しいと言えるでしょう。
この希少性こそが、シリアワインの大きな魅力の一つとなっています。シリアは、他の国際的に有名な品種と比べて栽培面積が狭く、生産量も限られています。そのため、「幻の品種」と呼ぶ人もいるほどです。
シリアワインは、しっかりとした骨格と豊かな果実味を兼ね備えているのが特徴です。赤い果実や黒い果実を思わせる香りに加え、スパイスやハーブの香りが複雑さを与えています。
もしあなたがポルトガルを訪れる機会があれば、ぜひアレンテージョ地方に足を運んでみてください。そして、地元で愛されるシリアワインを味わってみてください。きっと、その個性的な味わいに魅了されるはずです。

栽培の特徴と別名

シリアは、たくさんの実をつける上に、育てやすいという特徴を持つブドウ品種です。そのため、世界中で広く栽培されています。果実や房のサイズは比較的小さく、見た目の特徴としては、薄い緑色をした果皮が挙げられます。

また、シリアは地域によって異なる名前で呼ばれることも大きな特徴の一つです。イタリアのプーリア州にあるアレンテージョ地方では「ロウペイロ」という名で親しまれており、その他の地域では「コーデガ」と呼ばれることもあります。このように、シリアは複数の別名を持つことから、古くから様々な地域で愛されてきた品種であることが伺えます。