道具 シャンパン熟成の秘密兵器:ピュピトル
黄金色に輝く泡立ちと、華やかで繊細な味わいが魅力のシャンパン。その背景には、長い年月をかけて受け継がれてきた伝統的な技と、気の遠くなるような時間をかけて行われる複雑な工程が存在します。その中でも、「ピュピトル」と呼ばれる道具は、シャンパンの味わいを左右する重要な役割を担っています。一体、ピュピトルとはどのようなもので、どのように使われているのでしょうか?ピュピトルは、フランス語で「机」を意味する言葉です。シャンパン造りにおいては、瓶詰め後のシャンパンを逆さまに立てておくための、穴の開いた木製の道具を指します。シャンパンは、瓶内二次発酵という独特な方法で造られます。この二次発酵の過程で、酵母によって糖分が分解され、炭酸ガスとアルコールが発生します。同時に、酵母は澱(おり)となって瓶底に沈殿していきます。そこで登場するのがピュピトルです。瓶詰め後のシャンパンをピュピトルに挿し込み、毎日少しずつ角度をつけていくことで、澱を瓶口に集めていきます。この作業は、「ルミアージュ」と呼ばれ、熟練の職人の手によって、数週間から数ヶ月もの長い時間をかけて行われます。そして、集められた澱は、「デゴルジュマン」という工程で、瓶口を凍らせて取り除かれます。このように、ピュピトルは、シャンパンの美しい輝きと繊細な味わいを生み出すために欠かせない、伝統的な道具なのです。
