ワインの味わいを決める「アルコール」

ワインの味わいを決める「アルコール」

ワインを知りたい

先生、ワインのアルコールって、ぶどうの糖分からできるんですよね?でも、アルコール度数が高いと辛口になるって、どういうことですか?

ワイン研究家

いい質問だね!確かにアルコールは甘さを感じる成分だけど、ワインには他に「糖分」も残っているんだ。辛口かどうかは、この残った「糖分の量」で決まるんだよ。

ワインを知りたい

え、そうなんですか?じゃあ、アルコール度数が高いのに、甘いワインもあるってことですか?

ワイン研究家

その通り!アルコール度数が高くても、糖分を多く残した甘いワインもあるんだよ。だから、アルコール度数と甘さは、必ずしも一致しないんだね。

アルコールとは。

ぶどうに含まれる甘い成分が、お酒のもとになる小さな生き物によって分解されると「アルコール」というものができます。これはワインに欠かせない成分で、全体の約12~14%を占めています。このアルコールが多いワインは、口にした時にコクとほんのりとした甘みが感じられます。そのため、たとえ渋みが強いワインでも、少し甘く感じることもあります。

ワインのアルコールができるまで

ワインのアルコールができるまで

ワインの原料となるぶどう。太陽の光をたっぷり浴びて育ったその果実には、芳醇な甘みのもととなる糖分がぎゅっと詰まっています。ワイン造りにおいて、この糖分こそが、あの芳醇なアルコールを生み出すための重要な鍵を握っているのです。

ワインの醸造過程では、まず収穫したぶどうを破砕し、果汁を取り出します。この果汁の中に、目には見えない小さな生き物である「酵母」を加えることで、魔法のような変化が始まります。まるで甘い香りに誘われるように、酵母はぶどうの果汁に含まれる糖分を分解し始めるのです。

そして、酵母の働きによって、糖分は姿を変え、私たちがワインに求める芳醇な香りのアルコールと、グラスの中で陽気に泡立つ炭酸ガスが生まれます。つまり、私たちがワインを口にした時に感じる、あの高揚感と幸福感をもたらすアルコールは、元をたどれば、太陽の恵みをいっぱいに受けて育ったぶどうの甘さが姿を変えたものと言えるでしょう。

原料 工程 生成物
糖分を多く含んだぶどう 酵母による発酵 アルコール、炭酸ガス

アルコール度数の秘密

アルコール度数の秘密

ワインを口にした時、最初に感じるであろう芳醇な香りと共に、微かに感じる熱。それがアルコールの存在です。ワインのラベルには必ず「アルコール度数」というものが記載されています。これは、そのワインの中にどれだけの割合でアルコールが含まれているかを示す数字です。一般的に、ワインのアルコール度数は12~14%程度ですが、この数字は、ワインの個性とも言える「味わい」に大きく影響を与えます。
では、何がアルコール度数に影響を与えるのでしょうか?
まず挙げられるのは、ワインの原料となる「ぶどう」の種類や育った環境です。太陽の光をたくさん浴びて育った、糖度の高いぶどうからは、アルコール度数の高いワインが生まれます。反対に、冷涼な地域で育ったぶどうからは、アルコール度数の低いワインが作られます。
次に、「ワインの製法」もアルコール度数に影響を与えます。ワイン造りにおいて、酵母はぶどうの糖分を分解し、アルコールと炭酸ガスを生み出します。この、酵母が活動する期間を長くすれば、より多くの糖分がアルコールに変換され、結果としてアルコール度数の高いワインになるのです。
このように、ワインのアルコール度数は、ぶどうの品種や産地、そしてワインの製法によって実に様々な表情を見せるのです。

項目 内容
アルコール度数とは ワインに含まれるアルコールの割合を示す数字
アルコール度数による影響 ワインの味わいに影響を与える
アルコール度数に影響を与える要因1 ぶどうの種類や生育環境
・日当たりの良い場所で育った糖度の高いぶどう → アルコール度数高め
・冷涼な地域で育ったぶどう → アルコール度数低め
アルコール度数に影響を与える要因2 ワインの製法
・酵母が活動する期間が長い → 糖分が多くアルコールに変換される → アルコール度数高め

アルコールがもたらす味わいへの影響

アルコールがもたらす味わいへの影響

ワインを語る上で欠かせない要素であるアルコール度数。それは、単なる数字の羅列ではなく、ワインの味わいを大きく左右する重要な要素と言えるでしょう。

まず、アルコールはワインに豊かさや重厚感を与えます。口に含んだ時の広がりや、舌に残る余韻の長さは、アルコール度数によって大きく変化します。度数の高いワインは、飲みごたえがあり、複雑な味わいを長く楽しむことができます。

また、アルコールには果実や花の香りを引き立てる役割もあります。ワインに含まれる様々な香気成分は、アルコールと結びつくことでより複雑になり、芳醇な香りを放つのです。

さらに、アルコールはワインにほのかな甘みを与え、渋みや酸味とのバランスを整えます。そのため、辛口と分類されるワインであっても、度数が高いものは、どこか甘やかさを感じさせることがあります。反対に、度数の低いワインは、軽快で爽やかな飲み心地となり、食事とも合わせやすいため、近年人気が高まっています。

このように、アルコールはワインの味わいを決定づける上で、非常に重要な役割を担っているのです。

要素 効果
アルコール度数が高い
  • 豊かさ、重厚感
  • 長い余韻
  • 複雑な味わい
  • 芳醇な香り
  • ほのかな甘み
アルコール度数が低い
  • 軽快で爽やかな飲み心地
  • 食事に合う

アルコールと料理の組み合わせ

アルコールと料理の組み合わせ

美味しいお酒と食事の組み合わせは、至福のひとときを演出してくれるものです。特に、様々な個性を持つワインを選ぶ際には、料理との相性を考えることが大切です。

アルコール度数の高いワインは、力強く濃厚な味わいの料理とよく合います。牛肉のステーキや、コクのあるチーズ、味の濃いソースを使った料理などがその代表例です。これらの料理とワインは、互いのボリュームに負けることなく、深い味わいを引き立て合います。

反対に、アルコール度数の低いワインは、繊細な味わいの料理と相性が抜群です。新鮮な魚介類を使った料理や、彩り豊かで風味豊かなサラダ、あっさりとした味付けの和食などと組み合わせることで、ワインの軽やかな飲み心地が料理本来の味を引き立て、爽やかな後味を楽しませてくれます。

ワインと料理の組み合わせ方ひとつで、食事の満足度は大きく変わります。それぞれの個性を知り、最高のマリアージュを見つけてみましょう。

ワインのアルコール度数 合う料理 相性の理由
高い ・牛肉ステーキ
・コクのあるチーズ
・味の濃いソースを使った料理
料理とワイン、互いのボリュームに負けることなく、深い味わいを引き立て合う
低い ・新鮮な魚介料理
・彩り豊かで風味豊かなサラダ
・あっさりとした味付けの和食
ワインの軽やかな飲み心地が料理本来の味を引き立て、爽やかな後味を楽しめる
タイトルとURLをコピーしました