ワインの味わいを決める「収量」の秘密

ワインの味わいを決める「収量」の秘密

ワインを知りたい

先生、「収量」って言葉はわかったんですけど、なんで少ないほうが良いワインになるんですか?

ワイン研究家

いい質問だね! ぶどう畑の広さって決まってるよね?栄養も限られてるんだ。それを、たくさんのぶどうの実で分け合うか、少しの実で分け合うかで、実一つひとつの味わいが変わるイメージかな。

ワインを知りたい

あ~!少ないぶどうで栄養を分け合うから、味が濃くなるってことですか?

ワイン研究家

その通り!だから、収量が少ないと、ぎゅっと凝縮された、リッチな味わいのワインになりやすいんだ。ただし、ワインの量も減っちゃうから、ワイナリーは価格と相談しながら決める必要があるんだよ。

収量とは。

「ワインの言葉で『収量』っていうのは、ある広さの畑でどれだけのワインができるかってことを表す言葉なんだ。普通は1ヘクタールあたり(アメリカだとエーカーも使うね)で、何ヘクトリットル(1ヘクトリットルは100リットル)のワインができるかを見るんだ(例えば『60hl/ha』みたいに書く)。産地やぶどうの種類によっても違うから、これだって断言はできないんだけど、目安として1ヘクタールで100ヘクトリットルを超えるとたくさんワインができる。反対に50ヘクトリットルを下回ると、ちょっと少ないなって感じかな。1ヘクタールの土地に含まれる栄養は決まっているから、ぶどうの木がその栄養を吸い上げて、実になる部分に送る。だから、ワインを作る量を減らせば減らすほど、収穫できるぶどうの実は良くなるんだ。でも、そうするとできるワインの数は減っちゃう。経営のことを考えると、ワインの量と質のバランスをどうするかは、ワインを作る人にとって悩ましい問題だね。ワインの量は、その土地の気候や土、ぶどうの種類、木の育て方、その年の天気、虫や動物の被害、病気の広がり具合なんかで変わってくるんだよ。」

ワインの収量とは?

ワインの収量とは?

– ワインの収量とは?ぶどうを栽培し、ワインを醸造する過程において、「収量」は非常に重要な要素です。簡単に言うと、一定の面積の畑からどれだけの量のワインを造り出せるのかを表す指標です。ワインの収量は、一般的に「ヘクタール(ha)」あたりの「ヘクトリットル(hl)」で表されます。1ヘクタールは100メートル四方の広さで、約10アールに相当します。そして、1ヘクトリットルは100リットルですから、例えば「60hl/ha」と表記されていれば、100メートル四方の畑から6,000リットルのワインを生産できるという意味になります。収量は、ワインの品質に大きな影響を与える要素の一つです。収量が多い、つまり、同じ面積の畑から多くのぶどうを収穫すると、一つ一つのぶどうの味わいが薄まり、水っぽくなってしまう傾向があります。逆に、収量を抑え、ぶどうの数を制限することで、残されたぶどうにより多くの栄養分が行き渡り、凝縮感のある、風味豊かなワインを生み出すことができます。高品質なワインを造るためには、収量を抑えることが重要ですが、生産コストとのバランスも大切です。そのため、ワイン生産者は、土壌の質や気候条件、ぶどうの品種などを考慮しながら、最適な収量を追求しています。

項目 説明
ワインの収量 一定面積の畑からどれだけの量のワインを造り出せるのかを表す指標
単位はヘクタール(ha)あたりのヘクトリットル(hl)
1ヘクタール (ha) 100メートル四方(約10アール)
1ヘクトリットル (hl) 100リットル
収量とワインの品質の関係 収量が多いと水っぽいワインに、収量が少ないと凝縮感のある風味豊かなワインになる傾向がある

収量が多ければ良いワイン?

収量が多ければ良いワイン?

ぶどうの収穫量が多いと、たくさんのワインを作ることができて良さそうに見えますが、果たして本当にそうでしょうか?実は、収穫量が多いから良いワインができるわけではありません。ぶどうの樹は、畑1ヘクタールあたりから吸収できる栄養の量が決まっています。そのため、たくさんのぶどうを実らせると、一つひとつの実に届く栄養が少なくなってしまい、味が薄くなってしまうのです。

例えば、同じ樹から10個の実と20個の実がなった場合を考えてみましょう。10個の実であれば、一つひとつにたくさんの栄養が行き渡り、味が濃くなります。しかし、20個の実になると、一つひとつの実に届く栄養は半分になってしまい、味が薄くなってしまうのです。

反対に、収穫量を減らすとどうなるでしょうか?一つひとつの実に栄養が行き渡り、凝縮感のある、風味豊かなワインを作ることができます。

このように、ワインの品質にとって重要なのは、収穫量よりもむしろ、一つひとつのぶどうの質なのです。

収穫量 味の濃さ ワインの品質
多い 薄い 低い
少ない 濃い 高い

収量の目安

収量の目安

ぶどうの収穫量は、ワインの味わいを大きく左右する要素の一つですが、明確な基準値というものは存在しません。栽培されている地域やぶどうの品種、そして栽培方法によって、収穫量は大きく変動するからです。

しかし、一般的な目安として、1ヘクタールあたりの収穫量が100ヘクトリットルを超えると「収量が多い」、反対に50ヘクトリットルを下回ると「収量が少なく」なる傾向があるとされています。

例えば、フランスのボルドー地方のように高級ワインの産地として知られる地域では、収量を意図的に抑えることで、凝縮感のある風味を持つ、高品質なぶどうを栽培しています。その結果、労働力や時間も多く費やすことになるため、ワインの価格も高価になる傾向があります。

一方で、毎日の食事と一緒に気軽に楽しむテーブルワインなどの産地では、ある程度の収量を確保することで、手頃な価格で楽しめるワインを生産しています。

このように、ワインの収量は、そのワインの品質や価格を左右するだけでなく、栽培されている地域の気候や土壌、そして作り手の哲学など、様々な要素が複雑に絡み合って決まるものなのです。

収穫量 特徴 ワインの例
多い (1ヘクタールあたり100ヘクトリットル超)
  • 収量を重視した栽培方法
  • 手頃な価格のワイン
テーブルワインなど
少ない (1ヘクタールあたり50ヘクトリットル以下)
  • 収量を抑制し、凝縮感のある高品質なぶどうを栽培
  • 労働力や時間がかかるため高価なワイン
高級ワイン (ボルドーワインなど)

収量を決める様々な要因

収量を決める様々な要因

ワインの原料となるぶどうの収穫量は、実に様々な要素が複雑に絡み合って決まります。ぶどうを取り巻く生育環境や、その年の気候条件、そしてぶどうが根を張る土壌の質など、自然由来の要素は収量を左右する大きな要因です。
同じ産地、さらに同じ畑であっても、場所によって日当たりや水はけは異なります。そのため、畑全体で一様にぶどうが育つわけではなく、場所によって生育状況に差が生じます
また、ぶどうの品種によっても収量は大きく異なります。同じように育てても、元々実のなりやすい品種もあれば、そうでない品種もあるためです。さらに、ぶどうの木を支える台木の種類や、枝の仕立て方によっても、ぶどうの木に栄養が行き渡りやすくなるか、実がなりやすくなるかといった点が変わってくるため、収量に影響を与えます。
そして、その年の天候は収量を大きく左右する要素です。ぶどうの生育期に十分な日照時間があれば、ぶどうはしっかりと熟し、収量も増える傾向にあります。反対に、日照時間が短かったり、長雨が続いたりすると、ぶどうの生育は鈍り、病気や害虫のリスクも高まるため、収量が減ってしまうことになります。
このように、ワインの原料となるぶどうの収量は、自然環境、栽培技術、そしてその年の天候など、様々な要素が複雑に関係し合って決まるのです。

要素 内容
生育環境 産地、畑、場所によって日当たりや水はけが異なり、生育状況に差が生じる。
ぶどうの品種 品種によって実のなりやすさが異なり、収量が大きく変わる。
栽培技術 台木の種類や枝の仕立て方によって、ぶどうの木への栄養供給や実のなりやすさが変わる。
天候 日照時間の長さや降雨量によって、ぶどうの生育状況や病気・害虫リスクが変わり、収量に影響する。

ワイナリーのジレンマ:収量と品質のバランス

ワイナリーのジレンマ:収量と品質のバランス

ワイン造りにおいて、収量と品質のバランスは、ワイナリーにとって永遠の課題と言えるでしょう。美味しいワインを造ろうとすればするほど、ブドウの収量を減らし、一房一房に栄養を凝縮させる必要があります。しかしながら、収量を減らすということは、そのままワインの生産量の減少に繋がり、経営を圧迫する要因となりかねません。
高品質なワインを造るためには、手間暇を惜しまず、丁寧にブドウを栽培し、醸造する必要があります。しかし、そうして出来たワインは当然ながら、生産コストが上昇し、販売価格に反映せざるを得ない状況を生み出します。
一方、収量を重視するあまり、ブドウの木に多くの房を実らせすぎると、一房一房に与えられる栄養が分散され、結果としてワインの味わいが薄っぺらくなってしまうことがあります。
消費者は正直です。一度、「味が薄い」「値段に見合っていない」と感じてしまえば、そのワインを選ぶことは二度とないかもしれません。
ワイナリーは、消費者に支持される高品質なワインを安定して供給するために、そして、企業として持続可能な経営を両立させるために、日々、収量と品質のバランスを探る努力を続けているのです。

項目 内容
収量重視の場合
  • メリット:生産量が増加し、経営的に安定する可能性がある。
  • デメリット:ブドウの栄養が分散され、味が薄くなり、消費者の支持を得られない可能性がある。
品質重視の場合
  • メリット:高品質なワインを造ることができ、消費者の支持を得られる可能性がある。
  • デメリット:生産コストが上昇し、販売価格に反映せざるを得ないため、経営を圧迫する可能性がある。
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