スペインワイン

生産地

スペインの新星!モンサンワインの魅力を探る

スペイン北東部のカタルーニャ州に位置するモンサンは、ワイン産地としては比較的新しい歴史を刻み始めた地域です。雄大なエブロ川の左岸、モンサン山脈の麓に広がるこの土地は、古くからブドウ栽培が行われてきました。そして、2001年、ついにD.O.タラゴナから独立を果たし、独自の原産地呼称である「D.O.モンサン」を取得するに至ったのです。地中海からわずか30キロメートルほどという地理的条件でありながら、モンサンは内陸性気候の特徴を強く示しています。これは、そびえ立つモンサン山脈の影響によるもので、昼夜の寒暖差が大きく、ブドウ栽培に理想的な環境を生み出しています。太陽の光を浴びて育まれたブドウは、凝縮した果実味と、この土地ならではのミネラル感をワインにもたらします。険しい山腹に広がる段々畑では、古樹を含む多種多様なブドウ品種が栽培されています。それぞれの品種が持つ個性が、モンサンワインに複雑さと奥行きを与えているのです。力強く、それでいて繊細さも持ち合わせるモンサンワインは、今もなお進化を続ける注目の産地と言えるでしょう。
品種

世界で愛されるスペイン産黒ぶどう品種 モナストレル

スペイン東部、太陽が燦々と降り注ぐバレンシア州。この温暖な地を原産地とする黒ぶどう品種、それがモナストレルです。モナストレルは、その名の通り、太陽の恵みをいっぱいに受けて育ちます。その結果、濃厚な色合いと力強い味わいを持ち合わせています。 グラスに注げば、深いルビー色に目を奪われます。口に含むと、まず感じるのは凝縮された果実味。熟したプラムやブラックベリーを思わせる濃厚な味わいが広がります。そして、力強くも滑らかなタンニンが、複雑な味わいに深みを与えます。さらに、モナストレルならではの特徴として、黒胡椒のようなスパイシーな香りが挙げられます。この香りが、濃厚な果実味と見事に調和し、長く続く余韻を生み出します。 太陽の光を浴びて力強く育ったモナストレルは、まさにスペインの情熱を体現するようなぶどう品種と言えるでしょう。
ワインラベル

魅惑の甘美!シェリー酒「モスカテル」の世界

スペイン南部のアンダルシア地方で造られるシェリー酒は、独特の風味を持つ酒精強化ワインとして世界中で愛飲されています。その中でも、「モスカテル」は、甘美な芳香と濃厚な甘みが特徴で、多くの愛好家を魅了しています。 シェリー酒は、白ブドウを原料にブランデーなどを加えてアルコール度数を高めた酒精強化ワインの一種ですが、モスカテルは、その中でも特別な製造方法を用いることで独特の味わいを生み出しています。 まず、完熟したモスカテル種のブドウを収穫した後、天日で乾燥させます。太陽の光を浴びて乾燥していく過程で、ブドウの水分が蒸発し、糖分が凝縮されていきます。 この「天日干し」と呼ばれる工程こそが、モスカテルに独特の風味を与えるために欠かせないのです。 こうして、太陽の恵みをいっぱいに受けて造られたモスカテルは、まさに「飲む太陽」と呼ぶにふさわしいでしょう。口に含むと、芳醇な香りと濃厚な甘みが広がり、至福のひとときを味わえます。デザートワインとして楽しまれることが多く、濃厚なチーズやナッツ類との相性も抜群です。
品種

濃厚な赤ワインを生む、スペインの黒ブドウ品種「グラシアーノ」

太陽の恵みをたっぷり浴びたスペインは、多様なブドウ品種の宝庫として知られています。中でも、温暖な気候を好む黒ブドウ品種「グラシアーノ」は、スペインを代表する品種の一つと言えるでしょう。 特に、スペイン北部、リオハやナバーラの地で、グラシアーノは大切に育てられています。この地域は、昼夜の寒暖差が大きく、ブドウ栽培に最適な環境です。グラシアーノは、この恵まれた環境で育つことで、濃厚な果実味と力強いタンニンを蓄え、唯一無二の存在感を放ちます。 その味わいは、熟したプラムやブラックベリーを思わせる濃厚な果実香と、スパイスや革製品を連想させる複雑な香りが特徴です。しっかりとした骨格がありながらも、熟成を経ることで、ビロードのような滑らかさを纏い、より複雑で深みのある味わいに変化していきます。 近年では、フランスやポルトガルなど、スペイン以外の地域でも栽培が始まり、国際的な評価も高まっています。しかし、グラシアーノ本来の魅力を引き出せるのは、やはりスペインの地と言えるでしょう。太陽の光を浴びて力強く育ったグラシアーノから造られるワインは、スペインの情熱を感じさせる一杯となるでしょう。
生産地

隣接する銘醸地に負けない!注目の産地「ナバーラ」

ナバーラは、スペインの北部に位置するワイン産地です。雄大なピレネー山脈の南側に広がり、その山々がフランスとの国境を形成しています。東側には、かの有名な銘醸地として知られるリオハと隣接し、二つの地域は文化や歴史を共有してきました。 ナバーラ地方は、温暖な気候と豊かな自然環境に恵まれています。ピレネー山脈の影響で、昼夜の寒暖差が大きく、それがブドウの栽培に最適な環境を生み出しています。また、土壌も変化に富んでおり、粘土質の土壌や石灰岩質の土壌など、様々なタイプの土壌が見られます。 これらの要素が組み合わさることで、ナバーラでは個性豊かなワインが数多く生み出されています。特に、この地方の固有品種であるガルナッチャを用いた赤ワインは、力強さと繊細さを兼ね備えた味わいで、世界中のワイン愛好家を魅了しています。
品種

まろやか白ワインの代表格!ガルナッチャ・ブランカ

- スペイン生まれの白ブドウ 太陽が降り注ぐスペインで生まれた白ブドウ品種、ガルナッチャ・ブランカ。その名は、スペイン語で「白いグルナッシュ」を意味します。 力強く濃厚な味わいの赤ワイン用品種として知られるグルナッシュの、実は白ブドウバージョンにあたるこの品種は、温暖な気候を好み、スペイン北部、特にリオハやナバーラなどの地域で盛んに栽培されています。 その歴史は古く、数百年もの間、スペインの人々の暮らしと共にありました。頑丈な性質を持つため、乾燥した土地や、強い日差しにも負けずに育ちます。 ガルナッチャ・ブランカから造られるワインは、ふくよかな果実味と、しっかりとした酸味が特徴です。熟した桃やアプリコット、ハチミツを思わせる甘い香りに、かすかにハーブやスパイスの香りが感じられることもあります。 近年では、その個性的な味わいが世界中で注目を集めており、スペインだけでなく、フランスやアメリカなど、様々な国で栽培が始まっています。 古くからスペインで愛されてきたガルナッチャ・ブランカは、今まさに新たな黄金時代を迎えようとしています。
品種

濃厚な色合いを持つブドウ、ガルナッチャ・ティントレラ

ワインの世界は、多種多様なブドウ品種が存在することで知られていますが、その中でもひときわ強い個性を放つ品種があります。それが、ガルナッチャ・ティントレラと呼ばれる黒ブドウ品種です。 この品種の最大の特徴は、その名の通り、果肉まで赤いという点にあります。一般的なブドウの場合、果皮は赤や黒くても、果肉は白や薄い緑色をしているのが普通です。しかし、ガルナッチャ・ティントレラは、果皮だけでなく果肉まで鮮やかな赤色に染まっているため、ワインに独特の深みを与えます。 この果肉まで赤いという特性こそが、ガルナッチャ・ティントレラから造られるワインの個性に大きく影響を与えています。濃厚な色合いはもちろんのこと、力強いタンニンと豊かな果実味、そしてどこか野性味を感じさせる複雑な風味が特徴です。 ガルナッチャ・ティントレラは、スペインを原産地とし、現在でもスペインを中心に栽培されています。温暖な気候を好み、乾燥に強いという特徴があります。そのため、日照時間が長く、雨の少ない地域で、そのポテンシャルを最大限に発揮することができます。 近年では、その個性的な味わいが注目を集め、世界中で栽培されるようになってきました。日本でも、このブドウを使ったワインを見かける機会が増えてきました。もし、見慣れないワインラベルで見かけたら、ぜひ一度試してみて下さい。きっと、その濃厚な味わいに驚くことでしょう。
品種

世界で愛されるスペインの黒ブドウ!ガルナッチャの魅力に迫る

ワインの世界で、個性豊かなブドウ品種を生み出す国として知られるスペイン。数あるスペイン産のブドウの中でも、ガルナッチャは特に有名です。この黒ブドウは、スペイン東部のアラゴン地方が生まれ故郷とされ、今やスペイン国内だけでなく、世界中のワイン産地で栽培されています。 もしかしたら、"グルナッシュ"という名前を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。これは、フランスにおけるガルナッチャの呼び名です。国際的に通用する名を持つことからも、世界中で愛されているブドウであることが分かります。 ガルナッチャは、栽培される土地の気候や土壌によって、味わいに変化が生まれるのも魅力の一つです。太陽の光をたっぷり浴びて育ったガルナッチャからは、熟した果実の風味とふくよかな味わいのワインが生まれます。一方、冷涼な気候で育ったガルナッチャからは、引き締まった酸味と上品な果実香を持つワインが生まれます。 このように、同じガルナッチャでも、育った環境によって全く異なる個性を発揮する点が、多くのワイン愛好家を魅了してやまない理由の一つと言えるでしょう。
ワインラベル

グラン・レセルバ – スペインとチリの熟成ワイン

- グラン・レセルバとは 「グラン・レセルバ」とは、スペインやチリにおいて、厳しい条件をクリアした長期熟成の高品質ワインだけに許される特別な呼称です。それぞれの国や地域によって規定は異なりますが、いずれも厳しい基準が設けられています。 スペインでは、規定はさらに細かく分かれています。例えば、リオハ地方では、赤ワインの場合、最低でも樽熟成を18ヶ月以上、その後瓶内熟成を3年以上行う必要があります。白ワインやロゼワインには、さらに長い熟成期間が求められます。 チリでは、赤ワインは最低4年以上、白ワインは最低3年以上の熟成期間が必要です。 このように、グラン・レセルバの称号を得るためには、長い年月と手間暇をかけて、丁寧にワインを造り上げる必要があります。その結果として生まれるワインは、濃厚な果実味と複雑な香りを持ち、長い余韻を楽しむことができます。 まさに、高級ワインの証と言えるでしょう。 ワイン愛好家であれば、一度は味わってみたい至高の一本です。
品種

スペインの風土が生むブドウ品種:チャレロ

チャレロとは チャレロは、スペイン北東部のカタルーニャ地方を中心に栽培されている白ブドウ品種です。温暖な気候と地中海の風土で育まれ、スペインを代表するスパークリングワインである「カバ」の主要な原料として知られています。 一般的に、カバはマカベオ、パレリャーダといった他のブドウ品種とブレンドされて造られます。それぞれの品種が持つ個性が調和し、複雑で奥行きのある味わいを生み出すのです。 しかし近年、チャレロ単体で造られるワインも注目を集めています。 チャレロは、柑橘系の果実や青リンゴを思わせる爽やかな香りと、ハーブや白い花のような繊細なアロマを併せ持ちます。味わいは、フレッシュな酸味とミネラル感が特徴で、しっかりとした骨格を感じさせます。熟成によって、蜂蜜やナッツのような複雑な風味が加わり、円熟味を増していくのも魅力です。 かつてはブレンド用のブドウとされていましたが、チャレロは単体でも素晴らしいポテンシャルを秘めた品種と言えるでしょう。今後、世界中でその評価が高まっていくことが期待されています。
ワインラベル

ワインの甘口表示「ドゥルセ」って?

ワインのラベルに「ドゥルセ」の文字を見つけたら、それは甘口ワインの合図です。「ドゥルセ」はスペイン語で「甘い」を意味し、主にスペイン産のスパークリングワインやスティルワインの甘さを表現する際に使われます。 スペインワインの甘辛度は、「ブリュット・ナチューレ」「エクストラ・ブリュット」「ブリュット」「エクストラ・セコ」「セコ」「セミセコ」「ドゥルセ」の7段階で表示されます。これらのうち、「ドゥルセ」は最も甘い味わいを示す言葉です。 「ドゥルセ」のワインは、デザートワインとして楽しまれることが多いです。濃厚な甘さと豊かな香りが特徴で、食後のひとときを優雅に彩ってくれます。チョコレートやフルーツタルトなど、甘いデザートとの相性が抜群です。 ワイン選びの際に「ドゥルセ」の文字を見かけたら、ぜひ一度試してみてください。その魅惑的な甘さに、きっと虜になるはずです。
品種

黒ブドウ「グラシアーノ」の魅力

スペインの太陽を浴びて育つ黒ブドウ、グラシアーノをご存知でしょうか?スペインのリオハ地方生まれのこのブドウは、力強くコクのあるワインを生み出すことで知られるリオハ地方において、長い歴史を持つ伝統的な品種です。 リオハ地方と言えば、主要品種であるテンプラニーリョを使ったワインが有名です。しかし、近年では、このテンプラニーリョの影に隠れがちだったグラシアーノに注目が集まっています。 グラシアーノは、濃厚な色合いと、ブラックベリーやプラムを思わせる果実味、そしてかすかに感じるスパイスの香りが特徴です。しっかりとしたタンニンを持つため、長期熟成にも向いていると言われています。 リオハ地方の恵まれた環境の中で育ったグラシアーノは、個性的な魅力を放つワインを生み出します。力強い味わいのワインがお好みの方は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?
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多様性に富むスペイン生まれ、マラガワインの世界

スペイン南部、アンダルシア州に広がるマラガ地方。太陽の光が燦燦と降り注ぐこの土地は、地中海を臨む温暖な気候にも恵まれ、古くからブドウ栽培が盛んに行われてきました。 太陽の恵みをいっぱいに浴びて育ったブドウから生まれるのが、個性豊かな味わいを特徴とするマラガワインです。 マラガワインと聞いて、多くの人が甘口のデザートワインを想像するかもしれません。しかし、実際には辛口から極甘口まで、幅広いスタイルのワインが存在します。その味わいは、ブドウの品種や製法によって大きく異なり、白ブドウ品種のペドロ・ヒメネスを用いたものは、レーズンのような凝縮感のある甘みが特徴です。一方、モスカベル種を使ったものは、華やかな香りと爽やかな甘さが口の中に広がります。 このように、マラガワインは多様な表情を持つ奥深いワインと言えるでしょう。太陽の恵みを受けた土地で、伝統的な製法を守りながら、個性豊かなワインを生み出すマラガ地方。その奥深い魅力を探求してみる価値は大いにあります。
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注目の産地トロ!その魅力を探る

スペインと聞いて、多くの人は太陽が燦々と降り注ぐ温暖な気候を思い浮かべるのではないでしょうか。そのイメージそのままに、スペインは世界中で有名なワインの産地であり、変化に富んだ気候と土壌によって個性豊かなワインが生み出されています。数ある銘醸地の中でも、近年特に注目を集めているのが、首都マドリードから北西に位置するトロという地域です。 トロは、スペイン内陸部のカスティーリャ・イ・レオン州に位置し、ドゥエロ川の上流に広がるワイン産地です。この地域は、夏は暑く乾燥し、冬は厳しい寒さが訪れるという大陸性の気候です。年間を通して乾燥しており、日照時間が長いことが特徴です。また、土壌は、水はけの良い砂礫質で、ブドウ栽培に最適な環境が整っています。 トロで栽培されているブドウ品種は、主に赤ワイン用の「テンプラニーリョ」という品種です。この土地では「ティント・デ・トロ」とも呼ばれ、力強く濃厚な味わいのワインを生み出すことで知られています。その味わいは、凝縮感のある果実味としっかりとしたタンニンが特徴で、長期熟成にも適しています。 トロのワイン造りの歴史は古く、ローマ帝国時代まで遡ると言われています。長い歴史の中で、その品質の高さは高く評価されてきました。特に、近年では、現代的な醸造技術を取り入れた、より洗練されたスタイルのワインが次々と生み出され、世界中のワイン愛好家を魅了しています。 太陽の恵みと歴史が育んだ、力強くも洗練された味わいのトロワイン。是非一度、その魅力に触れてみてはいかがでしょうか。
ワインラベル

スペインワイン熟成の証「クリアンサ」

スペインのワインを選ぶ際、ラベルに「クリアンサ」と記されているのを見たことがあるでしょうか?これは、スペインワインの熟成期間を表す言葉のひとつで、ワイン選びの重要な手がかりとなります。スペインでは、ワインの熟成期間の長さによって異なる名称が付けられており、それぞれの名称は、ワインの味わいや品質の目安となります。今回は、その中でも「クリアンサ」に焦点を当て、その意味や味わいの特徴について詳しく解説していきます。 「クリアンサ」とは、スペイン語で「熟成」を意味する言葉です。スペインワインの法律では、クリアンサを名乗るためには、赤ワインの場合は最低2年間、そのうち6ヶ月以上はオーク樽で熟成させることが義務付けられています。白ワインやロゼワインの場合は、最低18ヶ月の熟成期間のうち、6ヶ月以上をオーク樽で熟成させる必要があります。 クリアンサを経たワインは、熟成によってオーク樽の香りがワインに移り、バニラやスパイス、ナッツのような複雑な香りを持ちます。また、熟成期間中にワインの渋みがまろやかになり、まろやかで奥行きのある味わいとなります。 クリアンサは、スペインワインの中でも、比較的長い期間熟成させたワインです。そのため、しっかりとした味わいでありながら、熟成による複雑な香りやまろやかさも楽しむことができます。スペイン料理との相性はもちろんのこと、肉料理やチーズなどともよく合います。ぜひ、さまざまな料理と合わせて、クリアンサの魅力を体験してみてください。
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テラ・アルタ:高品質でお値打ちなスペインワイン産地

- テラ・アルタの場所テラ・アルタは、太陽の恵み豊かなスペインの北東部に位置するカタルーニャ州にあります。カタルーニャ州というと、青い地中海を望む海岸線を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかしテラ・アルタは、海からおよそ50キロメートル離れた内陸部に位置しています。周囲を山々に囲まれた盆地のような地形が特徴で、その面積は比較的小規模です。そのため、大規模なワイン生産地とは異なり、家族経営の小さなワイナリーが点在しています。彼らのワイン造りへの情熱は、この地の独特なテロワールによって育まれています。
品種

スペインを代表する黒ぶどう、ボバルの魅力

- ボバルとはボバルは、スペインの太陽の恵みをたっぷり浴びて育つ黒ぶどうの一種です。その故郷は、スペイン東部、地中海に面した温暖なバレンシア州。特にこの地域で広く栽培されており、バレンシアを代表するぶどう品種として、古くから人々に愛されてきました。ボバルは、ぶどうの樹自体が強く、病気にも強いという特徴を持っています。そのため、栽培が比較的容易で、安定した収穫が見込めることから、農家の人々にとっても心強い存在です。しかし、その魅力は丈夫さだけではありません。ボバルで造られるワインは、しっかりとした深い色合いと、力強い果実味、そして程よい酸味が特徴です。国際的には、まだあまり知られていないボバルですが、近年、その品質の高さから注目を集め始めています。バレンシアの温暖な気候と、そこで育まれたボバル。その組み合わせが生み出すワインは、まさにスペインの大地の力強さを感じさせる一杯と言えるでしょう。
品種

注目のスペイン産ブドウ品種、メンシアの魅力

スペイン北西部に広がるカスティーリャ・イ・レオン州。その中に、ビエルソと呼ばれる地域があります。険しい山々と緑豊かな渓谷が広がるこの地で、今、世界中のワイン愛好家を魅了するブドウ品種が注目されています。それが、メンシアです。 メンシアは、この地域の冷涼な気候と水はけの良い石灰岩土壌という厳しい環境下で育ちます。そのため、小粒で果皮が厚く、凝縮感のある果実を実らせます。 こうして生まれるメンシアワインは、鮮やかなルビー色をしており、赤い果実やスパイス、ハーブを思わせる複雑な香りが特徴です。口に含むと、しっかりとした酸味とタンニンが感じられますが、決して重たくはなく、エレガントな飲み口です。 近年では、現代的な醸造技術の導入により、果実味と酸味のバランスがとれた、より洗練された味わいのメンシアワインが次々と生み出されています。その品質の高さから、「スペインのピノ・ノワール」とも称され、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。
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隠れたる名脇役、ガルナッチャ・ブランカの魅力

- ガルナッチャの変異種ガルナッチャ・ブランカは、その名の通り、黒ブドウ品種として名高いガルナッチャから生まれた白ブドウ品種です。これは、突然変異によって果皮の色素が失われたためで、本来の黒色とは異なり、白や薄いピンク色をしています。ガルナッチャ・ブランカは、親品種であるガルナッチャと同様に、温暖な気候を好みます。そのため、地中海沿岸地域を中心に、スペインやフランスなどで広く栽培されています。特にスペインの北東部、アラゴン州のカンポ・デ・ボルハや、カタルーニャ州のテラ・アルタなどは、この品種の銘醸地として知られています。ガルナッチャ・ブランカから造られるワインは、一般的に、ふくよかな果実味と、しっかりとした酸味のバランスが取れています。白い花や柑橘系の果物、ハーブなどを思わせる華やかな香りが特徴です。また、熟成させることで、蜂蜜やナッツのような複雑な香りが加わります。ガルナッチャ・ブランカは、単独で醸造されることもありますが、他の白ブドウ品種とブレンドされることも少なくありません。例えば、スペインのリオハ地方では、ビウラやマカベオとブレンドして、複雑で奥行きのある白ワインを生み出しています。
品種

カヴァだけじゃない!注目のスペイン白ぶどう品種「チャレロ」

スペインを代表するスパークリングワインであるカヴァ。その爽やかな味わいを生み出す主要品種の一つが、チャレロという白ぶどうです。 この名前は、スペイン語で「小石」を意味する「チャラ」に由来しています。一体なぜ「小石」なのでしょうか? それは、チャレロが乾燥した石灰質土壌を好んで育つことに由来しています。 スペインのカタルーニャ州を原産とするチャレロは、この土壌で育つことで、 しっかりとした酸味とミネラル感を特徴とするワインを生み出します。 カヴァの味わいの骨格を形成する重要な要素と言えるでしょう。 また、柑橘系の爽やかな香りと白い花のような華やかなアロマも持ち合わせており、 複雑で奥深い味わいを演出します。 カヴァを口にした際には、ぜひチャレロの個性にも注目してみてください。
ワインラベル

スペインの泡、カヴァの魅力を探る

- カヴァとはスペインの特定の地域で伝統的な製法によって造られるスパークリングワインを、「カヴァ」と呼びます。その名前は、カタルーニャ語で「洞窟」を意味する言葉に由来しています。これは、かつて瓶内二次発酵と熟成に洞窟が使われていたことに由来します。カヴァの最大の特徴は、シャンパンと同じく瓶内二次発酵で造られることが義務付けられている点です。瓶詰めしたワインに酵母と糖を加えて密閉し、瓶の中で二次発酵を起こすことで、きめ細かい炭酸ガスが生み出されます。スペイン国内でも特定の地域のみが、カヴァを名乗ることが許されています。主な産地としては、バルセロナを含むカタルーニャ州が有名ですが、その他にもリオハ州やバレンシア州など、全部で7つの地域のワインが「カヴァ」を名乗ることができます。カヴァの魅力は、その多様性にあります。ブドウの品種や熟成期間によって、味わいは大きく異なります。フレッシュでフルーティーなものから、複雑でコクのあるものまで、様々なスタイルのカヴァが存在します。シャンパンと比較して手頃な価格も魅力の一つです。普段の食卓を少し華やかにしたい時や、特別な日の乾杯など、様々なシーンで楽しむことができます。
生産地

注目のワイン産地、ペネデスを探る

- スペインの銘醸地、ペネデスとは?スペイン北東部、カタルーニャ州に広がるペネデスは、温暖な地中海性気候と変化に富んだ土壌に恵まれた、古くからブドウ栽培が盛んな地域です。バルセロナから西へ約40kmと大都市からのアクセスも良く、多くのワイナリーが点在しています。世界的に有名なカヴァの生産地として知られる一方、伝統的な醸造方法と最新の技術を融合させた高品質なスティルワインの生産も盛んです。ペネデスは、標高や土壌、気候によって大きく三つの地域に分けられます。海抜250~500mに位置するアルト・ペネデスは、ペネデス最大のブドウ栽培地域であり、赤ワイン用品種の栽培が盛んです。昼夜の寒暖差が大きく、凝縮感のある果実味と力強いタンニンを持つワインが生まれます。海抜100~250mのバホ・ペネデスは、温暖で降雨量が少なく、白ワイン用品種の栽培に適しています。特に、スペインを代表する白ブドウ品種であるパレリャーダを使った、フレッシュでフルーティーなワインは世界中で愛飲されています。そして、海に近い標高100m以下のバシェス・デル・ペネデスは、地中海からの風を受け、温暖で湿度の高い気候です。ここでは、カヴァの原料となるブドウ品種が主に栽培されています。ペネデスは、長い歴史と伝統を守りながら、常に新しい技術やアイデアを取り入れ、進化を続けています。その革新的な姿勢と高品質なワインは、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。
品種

知られざる名脇役?黒ぶどう品種カリニェナの魅力

スペイン北東部に広がるアラゴン州を原産地とするカリニェナは、太陽の光をいっぱいに浴びて育つ黒ぶどうの一種です。その名は生まれ故郷であるスペイン・アラゴンの地名「カリニェナ」に由来しています。 温暖な気候と太陽の恵みを好むこの品種は、スペインだけでなく、国境を越えたお隣のフランスやイタリアなど、地中海沿岸の様々な地域で栽培されています。中でも、フランス南部のラングドック・ルーション地方や、イタリアのブーツの形をした半島から突き出たサルデーニャ島では、主要な品種としてワイン造りに欠かせない存在となっています。 太陽の光をたっぷりと浴びて育った果実からは、凝縮感のある果実味と、力強い味わいのワインが生まれます。温暖な地域で育ったことを感じさせる、熟した果実の風味や、豊かなタンニンは、カリニェナならではの魅力と言えるでしょう。味わいの骨格がしっかりとしているため、長期熟成にも向いている品種です。
品種

スペインの黒ブドウ、マスエロの魅力を探る

- マスエロとはマスエロは、スペイン発祥の黒ブドウ品種です。特に、スペイン北東部に位置するアラゴン地方が原産地として知られています。この地域は、古くからブドウ栽培が盛んな地域であり、マスエロはそこで長きにわたり愛されてきました。スペイン国内では、「マスエロ」の他に「カリニェナ」という別名でも広く親しまれています。この二つの名前は、どちらもスペイン国内で使われていますが、地域によって、どちらの名前が一般的であるかが異なります。例えば、アラゴン地方では「マスエロ」という名前が一般的であるのに対し、カタルーニャ地方では「カリニェナ」と呼ばれることが多いようです。マスエロは、スペイン国内の様々なワイン産地で栽培されており、それぞれの土地の気候や土壌に合わせて、個性豊かなワインを生み出しています。特に、リオハ、プリオラート、モンサンなどの産地では、主要な品種として重要な役割を担っています。国際的には、「カリニャン」の名前で知られています。フランスのラングドック・ルーション地方やアメリカのカリフォルニア州など、世界中の様々なワイン産地で栽培されており、その数は年々増加傾向にあります。これは、マスエロが持つ力強く濃厚な味わいと、様々な環境への適応力の高さが評価されているためと言えるでしょう。