ミネラル感

テイスティング

ワインの味わいを表す「ミネラル」とは?その正体に迫る

ワインの試飲記録や解説書で、「ミネラル感」という言葉を目にしたことはありませんか? 近年、特に白ワインに関する記述でよく見かけるようになった表現ですが、実際には何を意味するのか、はっきりとは分からないという方も多いのではないでしょうか? 確かに、「ミネラル」はワインの香りや味わいを表現する言葉の中でも、特に定義が曖昧で、理解するのが難しい言葉として知られています。ワインに含まれる実際の鉱物や成分を指す言葉ではなく、特定の香りや味わいを感覚的に表現する際に用いられます。 例えば、火打ち石やチョークのような硬質な印象、海を思わせる塩気、あるいは、濡れた石のような冷涼な雰囲気などが、「ミネラル感」の典型的な例として挙げられます。これらの感覚は、ワインの原料となるブドウが育った土壌、気候、栽培方法など、様々な要素が複雑に絡み合って生まれます。 特に、ミネラル豊富な土壌で育ったブドウから造られるワインは、この「ミネラル感」が強く感じられる傾向があると言われています。 明確な定義がないからこそ、味わう人それぞれの感性によって感じ方が異なるのも、「ミネラル感」の魅力の一つと言えるでしょう。
土壌

シャブリを語る上で欠かせない「キンメリジャン」

- キンメリジャンとは今から約1億5千万年前のジュラ紀後期、地球は今よりも温暖で、海面は高く、陸地の大部分は浅い海に覆われていました。そして、フランスのブルゴーニュ地方も海の底にありました。 この時代に堆積した土壌をキンメリジャンと呼びます。キンメリジャンという名前は、この地層がイギリス海峡に面したイギリス南部のドーセット州キンメリッジという場所にちなんで名付けられたことに由来します。ブルゴーニュ地方、特にシャブリ地区のワインを語る上で、キンメリジャン土壌の存在は欠かせません。 シャブリの丘を歩くと、地面に白い石が混ざっていることに気が付きます。これはエグゾジラ・ヴィルギュラという、1~2ミリほどの小さな牡蠣の化石で、キンメリジャン土壌の特徴の一つです。キンメリジャン土壌は、石灰質と泥灰質からなる水はけの良い土壌です。ブドウの木はこの土壌に深く根を張り、必要な水分や栄養分を吸収します。その結果、健全で成熟したブドウが育ち、ミネラル感豊かで、しっかりとした酸味を持つ、シャブリワイン特有の味わいが生まれます。キンメリジャン土壌は、悠久の時を経て形成された、まさにブルゴーニュワインの礎といえるでしょう。
アロマ

ワインの香り表現「火打石」

- 火打石の香りとは?ワインのテイスティングコメントで、「このワインからは火打石の香りが感じられます」なんて言われたら、一体どんな香りがするのか想像がつかない方も多いのではないでしょうか?実際に火打石を打ち合わせた経験がある方は少ないでしょうし、ましてやその香りを記憶している方はさらに少ないはずです。火打石の香りを一言で表すなら、「打ち出した火花が消えた直後に漂う、かすかに焦げたような香り」と表現できます。少しイメージが湧きにくいかもしれませんね。この香りは、ワインによっては「火薬」や「硝煙」と表現されることもあります。お祭りの後、夜空に花火の香りが残っているのを思い浮かべてみてください。あの花火の煙がほんのり香るような、少しツンとした香りが、まさに火打石の香りの正体です。火打石の香りは、土壌に由来するミネラル感が影響していると言われています。特に、フランスのブルゴーニュ地方やロワール地方のワインに多く見られる特徴です。キリッとした辛口の白ワインや、繊細な味わいの赤ワインと相性が良く、複雑な香りの要素の一つとしてワインに深みを与えています。