乾燥

生産方法

甘美な凝縮:陰干しワインの世界

黄金色に燦々と輝くワイン。一口含むと、濃厚な甘みが口いっぱいに広がり、至福のひとときを与えてくれます。この芳醇な味わいの裏側には、古来より受け継がれてきた伝統的な技法、「陰干し」が息づいています。秋、太陽の光をいっぱいに浴びて育ったぶどうは、収穫の後、丁寧に棚に並べられます。そして、太陽の光と風の力を借りて、じっくりと乾燥されるのです。自然の恵みである太陽の熱は、ぶどうの水分をゆっくりと奪い、糖度を上昇させます。また、そよ風は、湿気を帯びた空気を入れ替え、ぶどうの凝縮感をさらに高めます。まるで、自然の力で時間をかけて宝石を研磨するかのごとく、ぶどうはゆっくりと変化していきます。その過程で、凝縮された旨味と、芳醇な香りが生まれていくのです。こうして、太陽と風の贈り物である「陰干し」を経たぶどうから、格別な甘さと香りをたたえた黄金色のワインが生まれるのです。
気候

アルゼンチンワインとゾンダ風

南米大陸の背骨とも呼ばれるアンデス山脈は、アルゼンチンのワイン造りに欠かせない要素です。その雄大な山脈は、美しい景観を形作るだけでなく、ブドウの生育やワインの味わいに大きな影響を与えています。その影響の一つに、アンデス山脈から吹き降ろす「ゾンダ風」と呼ばれる強風が挙げられます。アンデス山脈の東側に位置するアルゼンチンのワイン産地では、このゾンダ風がよく吹きます。乾燥した熱風であるゾンダ風は、ブドウ畑に様々な影響を与えます。まず、湿気を多く含んだ空気を吹き飛ばすため、ブドウの病気の発生を抑える効果があります。これは、アルゼンチンで有機栽培やビオディナミ農法といった、農薬の使用を極力抑えた栽培方法が盛んな理由の一つとなっています。また、ゾンダ風は、ブドウの果皮を厚くするという働きもします。果皮が厚くなることで、ブドウに含まれるタンニンやポリフェノールといった成分が増加し、結果として色合いが濃く、味わいのしっかりとしたワインが生まれます。このように、アンデス山脈から吹き降ろすゾンダ風は、アルゼンチンワイン独特の個性に大きく貢献しています。雄大な自然環境の中で育まれたブドウから生まれるアルゼンチンワインは、力強さと繊細さを兼ね備えた魅力的な味わいです。