ワインのブショネ:原因と対策

ワインのブショネ:原因と対策

ワインを知りたい

先生、ブショネって塩素とカビが原因で起こるんですよね? でも、最近は技術が進歩して減ってきていると聞いたんですけど、本当ですか?

ワイン研究家

その通り!昔はコルクの処理に塩素が使われていたから、ブショネになるワインが多かったんだけど、今は違う方法になったから減ってきているね。

ワインを知りたい

じゃあ、もうブショネの心配はしなくていいんですか?

ワイン研究家

うーん、残念ながらそうとは言い切れないんだ。塩素やカビは自然の中にあるものだから、完全にゼロにするのは難しい。それに、ごくまれにだけど、コルク以外でもブショネになることがあるみたいだよ。

ブショネとは。

ワインを瓶詰めした後に、ときおり嫌な臭いがすることがあります。これは「ブショネ」と呼ばれる現象です。この臭いの主な原因は「トリ・クロロ・アニゾール」という物質で、カビの一種である青カビが塩素と反応することで発生します。特に、ワインの栓に使われるコルクに問題があると、ブショネが起こりやすくなります。昔はコルク樫の処理に塩素が使われていたため、多くのワインがこの臭いの影響を受けていました。一説によると、20%ものワインがブショネになっていたと言われています。しかし、1990年代後半以降、技術の進歩によりブショネの発生は減少し、現在では2%程度にまで抑えられています。それでも、塩素やカビは自然界に普通に存在するため、ブショネの発生率をゼロにすることはできません。実際にワインを瓶詰めする前に汚染されるケースもあり、ごくまれにですが、スクリューキャップやガラス栓のワインでもブショネが発生することがあります。実は「トリ・クロロ・アニゾール」は、私たちの身の回りにある食品にも存在しています。食品の鮮度が落ちると風味が損なわれることがありますが、これも「トリ・クロロ・アニゾール」が原因の一つです。食品の鮮度が落ちるにつれて「トリ・クロロ・アニゾール」の量は増加し、私たちの舌の味を感じる働きを鈍らせるため、本来の風味を感じにくくなってしまうのです。つまり、「トリ・クロロ・アニゾール」は、ワインだけでなく、普段の食事にも関係している物質なのです。

ブショネとは

ブショネとは

– ブショネとはワインを開けて、期待に胸を膨らませた瞬間、鼻に飛び込んできたのは、芳醇な果実の香りではなく、生乾きの布や湿った段ボールを思わせる不快な臭い…。それは、まさにワイン愛好家にとって悪夢のような、「ブショネ」の仕業かもしれません。ブショネとは、ワインに「トリクロロアニソール(TCA)」という化学物質が含まれることで発生する、コルク臭とも呼ばれるワインの欠陥です。TCAは、コルク栓の製造過程で使用される塩素系消毒剤と、ブドウに含まれるフェノール類が反応することで生成されます。ごく微量でも、ワインにこの物質が混入してしまうと、カビ臭いような独特の臭いを発生させ、ワイン本来の風味を損なってしまうのです。ブショネは、残念ながら完全に防ぐことが難しいのが現状です。コルク栓を使用している以上、TCAの発生リスクは常に付きまといます。しかし、近年では、スクリューキャップや合成樹脂製のコルク栓の普及により、ブショネのリスクは減少傾向にあります。もし、開けたワインからブショネを疑わせる臭いがしたら、無理に飲まず、購入したお店に相談してみましょう。お店によっては、交換に応じてくれる場合もあります。せっかくのワイン、気持ちよく楽しみたいものですね。

項目 内容
現象 ワインを開けた際に、果実の香りではなく、生乾きの布や湿った段ボールを思わせる不快な臭い(コルク臭)がする
原因物質 トリクロロアニソール(TCA)
発生メカニズム コルク栓の製造過程で使用される塩素系消毒剤と、ブドウに含まれるフェノール類が反応してTCAが生成される
特徴 ごく微量でも、カビ臭いような独特の臭いを発生させ、ワイン本来の風味を損なう
予防策 完全に防ぐことは難しいが、スクリューキャップや合成樹脂製のコルク栓の普及によりリスクは減少傾向
対策 無理に飲まず、購入したお店に相談(交換に応じてくれる場合もある)

ブショネの原因物質

ブショネの原因物質

– ブショネの原因物質ワイン愛好家にとって恐ろしい「ブショネ」。それは、楽しみにしていたワインを開けた瞬間、漂ってくるカビ臭い匂いによって、その味わいを台無しにしてしまう現象です。一体なぜ、このようなことが起こってしまうのでしょうか?ブショネの主な原因物質として知られているのが、-「トリ・クロロ・アニゾール」-と呼ばれる化学物質です。これは、一般的には「TCA」という略称で呼ばれています。このTCAこそが、あの不 unpleasant なカビ臭さをワインにもたらす張本人なのです。では、このTCAはどのようにしてワインの中に発生してしまうのでしょうか?その原因は、ワインの栓として使われているコルクにあります。コルクは、天然素材であるがゆえに、微量の塩素系物質や、「フェノール類」と呼ばれる物質を含んでいます。そして、このコルクに、空気中を漂うごくありふれたカビの一種である「青カビ」が付着すると、TCAが発生してしまうのです。特に、ワインの製造過程で使用される洗浄剤や殺菌剤には、塩素系物質が含まれていることが多く、これがコルクに潜むカビと反応することで、TCAが発生しやすくなると考えられています。つまり、ワインそのものではなく、コルクに起因する問題であると言えるでしょう。ブショネは、ワインの品質を著しく損なってしまうため、ワイン生産者にとって深刻な問題となっています。そのため、近年では、TCAの発生を抑えるために、コルクの製造過程における洗浄方法の改善や、代替素材の開発など、様々な取り組みが行われています。

原因物質 発生源 関係物質
トリ・クロロ・アニゾール (TCA) コルクに付着した青カビ 塩素系物質、フェノール類

発生のメカニズム

発生のメカニズム

ワインの栓に使われるコルクは、その独特の性質から長らく愛されてきましたが、同時に「ブショネ」と呼ばれる、ワインに好ましくない香りを与えてしまう現象の原因ともなり得ます。かつてはその発生率は非常に高く、一説には20%ものワインがブショネの影響を受けていたとも言われています。
その主な原因として挙げられるのが、コルクの処理工程で使用されていた塩素です。塩素は漂白や殺菌効果が高い一方で、コルクに含まれるフェノール類と化学反応を起こし、「トリクロロアニソール(TCA)」と呼ばれる物質を生成することがあります。このTCAこそが、ブショネの原因物質であり、微量でもカビ臭いような不快な香りをワインに与えてしまうのです。
しかし、1990年代後半頃から、コルク業界全体で品質管理の意識が高まり、塩素の使用量削減や alternative な殺菌方法の導入が進められました。その結果、現在ではブショネの発生率は2%程度にまで減少し、以前と比べて安心してワインを楽しむことができるようになっています。
とはいえ、塩素やカビは自然界に広く存在するため、ブショネのリスクを完全にゼロにすることは容易ではありません。依然としてワイン造りにおける重要な課題として、さらなる研究や技術開発が進められています。

項目 内容
従来の問題点 コルクの処理工程で使用される塩素が、コルクのフェノール類と反応し、トリクロロアニソール(TCA)を生成。これがブショネの原因となり、ワインにカビ臭い香りを与えてしまう。
ブショネ発生率(過去) 約20%
対策 1990年代後半から、コルク業界全体で品質管理を強化。塩素の使用量削減や代替殺菌方法の導入が進められた。
ブショネ発生率(現在) 約2%
今後の課題 塩素やカビは自然界に広く存在するため、ブショネのリスクを完全にゼロにすることは困難。さらなる研究や技術開発が必要。

スクリューキャップでも起こる?

スクリューキャップでも起こる?

近年、ワインのボトルキャップには、コルク栓に代わってスクリューキャップやガラス栓が使われることが多くなりました。これらのキャップは、コルク栓に比べてブショネのリスクが低いという利点があります。ブショネとは、コルクに含まれる化学物質によってワインにカビ臭さが生じる現象のことです。スクリューキャップやガラス栓は、コルクとは異なり、この化学物質を含んでいないため、ブショネが発生する可能性が極めて低いのです。

しかしながら、スクリューキャップやガラス栓を使用したワインでも、ごく稀にブショネに似た劣化臭が発生することがあります。これは、ワインの製造過程、具体的には樽や醸造設備に原因があると考えられています。これらの設備に、ブショネの原因となる化学物質が付着していると、ワインにその臭いが移ってしまうことがあります。ただし、このようなケースは非常に稀であり、スクリューキャップやガラス栓のワインは、従来のコルク栓に比べてブショネのリスクが低いと言えるでしょう。

したがって、スクリューキャップやガラス栓だからといって、ブショネのリスクが完全にゼロになるわけではありません。しかし、その確率は極めて低いため、安心してワインを楽しむことができます。近年では、多くのワイナリーが品質管理を徹底しており、ブショネが発生するリスクはますます低下しています。

種類 メリット デメリット
コルク栓 伝統的な風格 ブショネ(カビ臭)のリスク
スクリューキャップ
ガラス栓
ブショネのリスクが低い ごく稀に、樽や醸造設備由来の劣化臭が発生する可能性

ブショネはワインだけじゃない

ブショネはワインだけじゃない

ワインの栓としておなじみのブショネ。コルク栓に使われる天然コルクに潜むカビが原因で、ワインに「ブショネ臭」と呼ばれる off フレーバーを与えてしまうことがあります。この off フレーバーの元となる物質がTCAです。

実は、このTCAはワインだけでなく、様々な食品に影響を与える可能性があります。穀物、果物、野菜、ナッツ類など、私たちの身の回りにある食品にも、TCAが微量に含まれていることがあります。

TCAは、土壌や空気中など、自然環境に広く存在しています。カビが繁殖しやすい環境下では、食品にTCAが付着しやすくなります。食品に付着したTCAは、時間の経過とともに食品内部に浸透し、その量が増えていきます。

食品中のTCA濃度が高くなると、本来の香りが損なわれたり、カビ臭や湿った段ボールのような不快な臭いが感じられるようになります。その結果、風味が損なわれ、本来の美味しさを楽しむことができなくなってしまいます。

TCAは、私たちの食生活に広く関わる物質なのです。食品の保管方法や環境に注意し、TCAの発生を抑制することが大切です。

項目 内容
原因物質 TCA (トリクロロアニソール)
発生源 天然コルクに潜むカビなど、自然環境に広く存在
影響を受ける食品 ワイン、穀物、果物、野菜、ナッツ類など、様々な食品
影響 – 食品本来の香りの損失
– カビ臭、湿った段ボールのような不快な臭い
– 風味の劣化

風味への影響

風味への影響

– 風味への影響

ワインにとって風味は、その魅力を語る上で欠かせない要素の一つです。しかし、ブショネの原因となるTCA(2,4,6-トリクロロアニソール)は、この風味に大きな影響を与えてしまいます。

私たちは、鼻と口を使ってワインの香りと味わいを感じ取ります。TCAは、この嗅覚と味覚に作用し、本来感じられるはずの風味を弱めてしまうのです。

例えば、ブショネのワインを口にした時、コルク臭だけが目立つわけではありません。本来であれば豊かに広がるはずの果実の香りはもちろんのこと、その他の花やスパイス、樽由来の複雑な香りまでもが、TCAの影響で感じにくくなってしまうのです。

これは、TCAが味覚の入り口である味蕾を覆い隠してしまうために起こると考えられています。味蕾は、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味といった基本的な味を感じ取る器官ですが、TCAはこの味蕾の働きを阻害し、本来の風味を認識するのを妨げてしまうのです。

結果として、ブショネのワインは、本来持つべき複雑で豊かな風味が失われ、平坦で物足りなさを感じさせるものとなってしまいます。せっかくのワインの魅力を大きく損なってしまうTCAの影響は、決して軽視できるものではありません。

要素 TCAの影響
嗅覚 コルク臭が目立ち、果実、花、スパイス、樽由来の香りが感じにくくなる
味覚 味蕾を覆い隠し、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味を感じにくくする
風味全体 複雑で豊かな風味が失われ、平坦で物足りなくなる
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