チリワインを支える黒ブドウ品種:パイス

チリワインを支える黒ブドウ品種:パイス

ワインを知りたい

先生、ワイン品種の『パイス』ってチリでよく聞くんですけど、どんな特徴のブドウなんですか?

ワイン研究家

良い質問だね!パイスはチリを代表する黒ブドウ品種の一つで、土っぽい味わいのものから軽やかなものまで、幅広いスタイルの赤ワインが作られるんだよ。歴史も古くて、16世紀にスペインから伝わったと言われているんだ。

ワインを知りたい

へえー、そんなに昔からあるんですね!でも、どうしてチリでそんなに広まったんですか?

ワイン研究家

それはね、パイスは乾燥や暑さに強く、病気にもなりにくくて、たくさん収穫できる丈夫な品種だからなんだ。ただ、最近は量より質を重視して、古木のブドウから高品質なワインも作られるようになってきているんだよ。

ワイン品種のパイスとは。

「ワイン品種のパイス」というワイン用語は、主にチリで育てられている黒ブドウの種類を表しています。このブドウからは、土の香りがする濃厚な味わいから、すっきりとした軽い飲み口のものまで、様々な味わいの赤ワインが生まれます。16世紀の半ば頃に、スペインから布教活動に訪れたキリスト教の伝道師がチリに持ち込んだと言われています。同じようにアメリカやアルゼンチンにも伝えられ、現在でもアメリカでは「ミッション」、アルゼンチンでは「クリオハ・グランデ」(または「クリオハ・チカ」)という名前で栽培されています。このブドウは、乾燥や暑さに強く、病気にもかかりにくいため、たくさん収穫できることが特徴です。チリでは多く収穫できる品種として広まりましたが、近年では樹齢の高いブドウの木を中心に、質の高いワイン造りが始まっています。

歴史

歴史

– 歴史パイスは、16世紀半ば、南米大陸へのキリスト教の布教を目指していたスペイン人宣教師たちによってチリにもたらされました。厳しい船旅にも耐えうる丈夫な品種であったパイスは、その後もチリの風土に非常によく馴染んでいきました。 乾燥した気候や強い日差し、時には病気を引き起こす害虫にも負けず、多くの実をつけたのです。こうしてパイスはチリ中に広まり、長年にわたってチリワインを象徴する品種として、人々に愛されるようになりました。パイスの旅路はチリにとどまりません。海を渡り、アメリカ大陸にもその姿は広がっていきました。 アメリカでは「ミッション」、アルゼンチンでは「クリオジャ・グランデ」または「クリオジャ・チカ」という名前で親しまれ、それぞれの土地でワイン造りに貢献しています。 パイスは、国境を越えて人々に愛され、その土地土地で独自の進化を遂げてきた、まさに歴史を紡いできたブドウ品種と言えるでしょう。

名称 備考
チリ パイス 16世紀半ばにスペイン人宣教師によってもたらされる。乾燥した気候や強い日差しにも負けずに育ち、チリワインを象徴する品種となる。
アメリカ ミッション
アルゼンチン クリオジャ・グランデ
クリオジャ・チカ

特徴

特徴

パイスは黒ブドウの一種で、その名の通り濃い色の果皮が特徴です。このブドウから作られるワインは、バラエティに富んだ味わいを持ち、世界中のワイン愛好家を魅了しています。

パイスを用いて造られるワインは、大きく分けて二つのスタイルに分類できます。一つは、土やスパイスを思わせるような、素朴で力強い味わいのワインです。このようなワインは、パイス本来の野性味あふれる個性が前面に出ており、親しみやすい飲み口が魅力です。もう一つは、赤い果実を彷彿とさせる、軽やかでフルーティーな味わいのワインです。こちらは、現代的な醸造技術を用いることで、パイスの持つ繊細な香りを最大限に引き出したスタイルと言えます。

近年では、古木の持つ凝縮された旨味に着目し、樹齢の高いパイスの樹から収穫されたブドウのみを用いて、複雑で深みのある高級ワインを造る動きも盛んになっています。このようなワインは、長期熟成にも耐えうるポテンシャルを秘めており、世界中のワイン愛好家やコレクターから高い評価を受けています。

このように、パイスは様々な味わいのワインを生み出すことができる、非常にポテンシャルの高いブドウ品種と言えるでしょう。

パイスワインのスタイル 特徴
素朴で力強い味わい 土やスパイスを思わせる、野性味あふれる個性と親しみやすい飲み口
軽やかでフルーティーな味わい 赤い果実を彷彿とさせる、繊細な香り
複雑で深みのある高級ワイン 古木の持つ凝縮された旨味、長期熟成のポテンシャル

栽培地域

栽培地域

チリにおいて、パイスは主要なブドウ品種の一つとして知られており、広範囲で栽培されています。中でも、温暖な気候と乾燥した土壌に恵まれた、マウレ渓谷やビオビオ渓谷といった南部地域は、古くからパイスの一大産地として有名です。これらの地域で育まれたブドウは、太陽の光をふんだんに浴びて熟成し、凝縮感のある果実味と、まろやかな味わいのワインを生み出します。近年では、従来の栽培地域に加え、より冷涼な気候を持つ地域でも、パイスの栽培が始まっています。冷涼な地域で育つブドウは、ゆっくりと時間をかけて成熟するため、酸味と果実味のバランスに優れた、エレガントで複雑な味わいのワインが生まれます。こうした新しい試みによって、チリ産パイスは、その多様な味わいで、世界中のワイン愛好家を魅了し続けています。

地域 気候 ワインの特徴
マウレ渓谷、ビオビオ渓谷(南部) 温暖、乾燥 凝縮感のある果実味、まろやかな味わい
冷涼な地域 冷涼 酸味と果実味のバランスに優れた、エレガントで複雑な味わい

味わい

味わい

– 味わいパイスから生み出されるワインは、その土地の個性とブドウの力が織りなす、多様な味わいを特徴としています。多くの人に愛される味わいの秘密を探ってみましょう。パイス産のワインを口に含むと、まず感じるのが赤い果実や黒い果実を思わせる、豊かで芳醇な香りです。イチゴやラズベリーのような赤い果実の甘酸っぱさ、ブルーベリーやブラックベリーのような黒い果実の熟した濃厚さなど、品種や製法によって様々な表情を見せてくれます。味わいの濃さや深みも、ワインによって大きく異なります。軽やかな口当たりのワインは、フレッシュでフルーティーな味わいが魅力です。太陽の光をたっぷり浴びて育った果実をそのまま味わっているかのような、爽やかでみずみずしい味わいは、毎日のリフレッシュにも最適です。一方、熟成期間を経たしっかりとした味わいのワインは、複雑で重厚な味わいが楽しめます。長い時間をかけて熟成されたワインは、果実味やスパイス香に加えて、土や革製品を思わせる複雑な香りが生まれます。口に含むと、豊かな果実味と複雑な香りが織りなすハーモニーが広がり、長い余韻を楽しむことができます。このように、パイスのワインは軽やかなものから重厚なものまで、様々な味わいのバリエーションを持っています。自分好みの1本を見つけて、その奥深い世界を堪能してみてはいかがでしょうか。

特徴 味わい 香り

軽やかな口当たり

(例:フレッシュでフルーティー)

太陽の光をたっぷり浴びた果実をそのまま味わっているかのような、爽やかでみずみずしい味わい 赤い果実(イチゴ、ラズベリーなど)
黒い果実(ブルーベリー、ブラックベリーなど)

しっかりとした口当たり

(例:複雑で重厚)

豊かな果実味と複雑な香りが織りなすハーモニー、長い余韻 果実香、スパイス香
土や革製品を思わせる複雑な香り

今後の展望

今後の展望

かつては、大量生産される普段着のワインの原料として使われることが多かったパイスですが、近年はその真価が見直されつつあります。高品質なワインを生み出そうと、パイスに情熱を注ぐ生産者が増えているのです。
古木のブドウから造られるワインは、長年土壌から吸い上げた栄養分が凝縮された、複雑な味わいと奥深さを持ち合わせています。それは、世界中のワイン愛好家を魅了してやみません。
チリワインといえば、カベルネ・ソーヴィニヨンやカルメネールといった国際品種が注目されがちですが、パイスは、この地の風土を色濃く反映した、個性豊かなワインを生み出すことができる品種です。
チリワインの多様性を世界に知らしめる存在として、パイスは今後ますます注目を集めていくことでしょう。

品種 特徴 注目ポイント
パイス かつては大量生産の原料だったが、近年高品質ワインとして見直されている。古木のパイスからは複雑で奥深い味わいのワインが生まれる。 チリの風土を反映した個性的なワインを生み出す品種として、今後ますます注目される。
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