ドイツの濁りワインの魅力：フェーダーヴァイサー

ドイツの濁りワインの魅力：フェーダーヴァイサー

秋を告げる風物詩

空が高く澄み渡り、少しずつ秋の気配が濃くなってくる頃、ドイツでは、街のあちこちで独特の甘い香りが漂い始めます。それは、ぶどうの収穫期を迎えると同時に人々が楽しみにする、「フェーダーヴァイサー」と呼ばれるお酒の香りです。

フェーダーヴァイサーは、白ワインの一種ですが、一般的な白ワインとは異なり、まだ発酵中の酵母が含まれているため、白く濁っているのが特徴です。その色合いは、まるで秋の到来を告げる霧の様。そこから、「フェーダーヴァイサー」、つまり「羽根のように白い（Feder）」ワインという意味の名前が付けられました。

口に含むと、微炭酸の爽やかな刺激と、ぶどう本来のフルーティーな甘みが広がります。アルコール度数は低めで、優しい飲み口なので、お酒に強くない方でも楽しむことができます。

ドイツでは、屋外のテーブルにフェーダーヴァイサーと簡単な食事を並べて楽しむ姿がよく見られます。秋の澄み切った空気の下、黄金色に色づいたぶどう畑を眺めながら味わう一杯は格別です。

発酵途中のフレッシュな味わい

発酵途中のフレッシュな味わい

フェーダーヴァイサーの一番の特徴は、その爽やかな味わいです。 普段私たちが口にするワインとは違い、酵母によるアルコール発酵の最終段階まで至っていません。そのため、ブドウ本来が持っている甘みや酸味を、ダイレクトに感じ取ることができるのです。口に含むと、シュワシュワとした発泡感と、ほんのりとした甘みが広がり、まるでブドウジュースを飲んでいるかのような感覚を覚えます。アルコール度数は2～4％程度と低めで、お酒に強くない方でも非常に飲みやすいのも魅力です。ただし、発酵の途中のワインであるという点には注意が必要です。栓を開けずに置いておくと、瓶の中で発酵が進み、炭酸ガスが発生して瓶が破裂してしまうことがあります。そのため、ガス抜き用の栓が施されていたり、ペットボトルで販売されていたりすることもあります。栓を開ける際には、ガスが噴き出す可能性があるので、十分に注意しましょう。

赤ワイン版「フェーダーローター」

お酒好きの間では、「フェーダーヴァイサー」という名前を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。これは、ドイツ生まれの濁りワインで、白ブドウを使って作られます。フレッシュでフルーティーな味わいが人気ですが、実は、同じ製法で作られた赤ワイン版の「フェーダーローター」が存在します。

フェーダーローターは、その名の通り、薄い赤色に濁っているのが特徴です。白ワインのフェーダーヴァイサーと同様に、赤ブドウの皮を果汁に短時間だけ漬け込むことで、美しい色合いとフルーティーな香りを引き出しています。味わいは、フレッシュで軽快ながらも、赤ブドウ由来のほんのりとした渋みも感じられます。

日本ではまだ、白ワインのフェーダーヴァイサーと比べると知名度は高くありません。しかし、近年では輸入販売するお店も増えてきており、注目を集めつつあります。飲み方は、冷やしてそのまま楽しむのがおすすめです。軽めの食事や、食前酒としてもぴったりです。フェーダーヴァイサーに親しみのある方も、まだ試したことがない方も、この機会にぜひ、赤ワイン版である「フェーダーローター」のフルーティーな味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。

秋の風物詩を味わおう

空が高く澄み渡り、心地よい風が吹き抜ける季節、秋。
実りの秋は、美味しいものがたくさん出回る楽しみな季節でもあります。
今回は、そんな秋の食卓に彩りを添える、ドイツ生まれのワイン、「フェーダーヴァイサー」と「フェーダーローター」をご紹介しましょう。

「フェーダー」とはドイツ語で「羽根」を意味し、その年に収穫されたばかりのブドウを使った、まさに旬を感じさせるワインです。
「フェーダーヴァイサー」は白ぶどうから、「フェーダーローター」は赤ぶどうから作られます。

ドイツでは、収穫の時期になると広場に屋台が立ち並び、採れたてのブドウを使った「フェーダーヴァイサー」や「フェーダーローター」を楽しむお祭りがあちこちで開催されます。
熱々のソーセージや香ばしい焼き栗など、屋台の軽食と一緒に味わうのが定番です。

日本では、秋になるとワイン専門店やドイツ料理店などで見かける機会が増えます。
「フェーダーヴァイサー」は、フレッシュでフルーティーな味わいが特徴です。
みずみずしい口当たりで、和食との相性も抜群です。
一方、「フェーダーローター」は、軽やかでフルーティーな中にも、ほんのりとした甘みを感じられます。

今年の秋は、旬の味覚である「フェーダーヴァイサー」と「フェーダーローター」を片手に、秋の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。