辛口

生産方法

ノン・ドザージュ:究極の辛口シャンパーニュを味わう

華やかな泡立ちと爽やかな酸味が特徴のシャンパーニュ。その魅力的な味わいを決定づける重要な工程に「ドザージュ」があります。シャンパーニュは瓶内二次発酵という独特な方法で造られます。まず、ベースとなるワインを瓶に詰め、酵母と糖分を加えて密閉します。すると、瓶内で再び発酵が始まり、炭酸ガスが発生することで、あの美しい泡が生まれます。 その後、一定期間熟成させた後、「澱引き」という作業を行います。これは、瓶内に溜まった澱を凍らせて取り除く作業です。この澱引きの際に、瓶内の減った液体を補う目的で、少量のワインと糖液を混合したものを加えます。これが「ドザージュ」です。 ドザージュに使用されるワインと糖液の比率は、シャンパーニュの最終的な味わいを大きく左右します。糖分を多く加えれば甘口に、少なくすれば辛口に仕上がります。このように、ドザージュはシャンパーニュの味わいを調整し、最終的なスタイルを決める重要な役割を担っています。 例えば、「ブリュット」や「エクストラ・ブリュット」といった辛口のシャンパーニュは、ドザージュで加えられる糖分が非常に少ないため、ブドウ本来の風味が際立ちます。一方、「ドゥミ・セック」のような甘口のシャンパーニュは、デザートワインのような感覚で楽しむことができます。 このように、ドザージュによって様々な味わいのシャンパーニュが生み出されるため、自分好みのスタイルを見つけるのもシャンパーニュを楽しむ醍醐味の一つと言えるでしょう。
生産地

ミュスカデ: 海の幸に合う爽やか白ワイン

フランス中西部をゆったりと流れ、大西洋へと注ぐ雄大なロワール川。その流域に広がるロワール地方は、フランス屈指のワイン産地として知られています。 温暖な気候と恵まれた土壌を持つこの地方では、古くから多様なブドウ品種が栽培され、個性豊かなワインが生み出されてきました。 中でも、ロワール川河口付近の地域で造られる「ミュスカデ」は、この地方を代表する白ワインの一つです。 このワインは、その名の由来ともなった「ムロン・ド・ブルゴーニュ」というブドウ品種のみを使って仕込まれます。このブドウは、別名「ミュスカデ」とも呼ばれ、柑橘系の爽やかな香りと、軽やかでフルーティーな味わいが特徴です。 口に含むと、まるで新鮮なグレープフルーツやレモンを思わせる香りが広がり、いきいきとした酸味が喉を潤します。 魚介類との相性が抜群で、特に、この地方の特産品である牡蠣との組み合わせは、まさに絶品です。 また、キリッとした辛口に仕上がっているため、サラダや鶏肉料理など、幅広い料理との相性も楽しむことができます。 ロワール地方の豊かな自然が育んだ、爽快な味わいのミュスカデは、日常の食卓に彩りを添える、まさにフランスワインの隠れた名品と言えるでしょう。
テイスティング

辛口ワインの甘さの秘密

ワインを選ぶ際、「辛口」という言葉を見かけることは多いですよね。では、具体的に「辛口ワイン」とはどのようなワインなのでしょうか?ワインは、ブドウに含まれる糖分が酵母によってアルコール発酵することで作られます。この時、ブドウの糖分がすべてアルコールに変換されると、甘みを感じない、いわゆる「辛口」のワインになるのです。逆に、糖分が残っていると、甘口ワインや中口ワインと呼ばれるワインになります。一般的に、ワインは「甘口」「中口」「辛口」の3つのレベルに分けられます。その中で、辛口ワインは、すっきりとしたキレのある味わいが特徴です。糖分による甘みがない分、ブドウ本来の持つ酸味や渋みがストレートに感じられます。この、すっきりとした味わいが、和食や魚料理など、繊細な味付けの料理との相性が良いとされ、多くの人に愛されています。また、揚げ物など、脂っこい料理と合わせると、口の中をさっぱりとさせてくれるのでおすすめです。
テイスティング

ワインの「辛口」って何?

ワインを選ぶ際に、「辛口」や「甘口」といった言葉を耳にすることが多いのではないでしょうか。特に「辛口」という表現は、多くの人が好んで使う一方で、その本当の意味合いを理解している人は意外と少ないかもしれません。私たちは普段の生活で、「辛い」と聞くと、唐辛子のようなヒリヒリとした刺激や、塩辛い食べ物をイメージしますよね。しかし、ワインの世界における「辛口」は、全く異なる意味で使われています。 ワインの「辛口」は、甘みの度合いを示す言葉であり、甘みが少なく、すっきりとした味わいのワインのことを指します。反対に、「甘口」は、甘みが強く感じられるワインを指します。つまり、ワインの「辛口」「甘口」は、私たちが普段感じる「辛味」とは全く関係なく、甘みの強弱を表しているのです。 では、なぜ「辛口」という言葉が使われるようになったのでしょうか。それは、ワインに含まれる「タンニン」という成分が関係しています。タンニンは、渋み成分の一種であり、口の中を引き締めるような感覚を与えます。このタンニンの強いワインを「辛い」と表現したのが始まりだとされています。しかし、現在ではタンニンの量ではなく、甘みの度合いを基準に「辛口」「甘口」が使われています。
生産方法

潮風の贈り物!マンサニーリャの魅力

太陽が燦々と降り注ぐスペインのアンダルシア地方。その一角に、ヘレスと呼ばれる町があります。この町は、世界中で愛される酒精強化ワイン「シェリー酒」の生まれ故郷として知られています。シェリー酒は、白ブドウから作られる、バラエティ豊かな味わいが魅力のお酒です。その中でもひときわ異彩を放つのが、今回ご紹介する「マンサニーリャ」です。 マンサニーリャは、ヘレスの中でも特定の地区で造られる、特別なシェリー酒です。海にほど近いその土地は、年間を通して湿気が高く、独特の気候風土を作り出しています。この特別な環境で、マンサニーリャは生まれ育まれます。 マンサニーリャ最大の特徴は、そのキリリとした辛口の味わいにあります。フレッシュな酸味とほのかな塩気、そしてアーモンドのような香ばしさが複雑に絡み合い、他にはない独特の風味を醸し出しています。その味わいは、まさに「飲む者を魅了する、辛口シェリーの芸術品」と呼ぶにふさわしいでしょう。 魚介類を使った料理との相性が抜群で、特にエビやイカを使ったタパスと合わせると、その魅力を最大限に楽しめます。キンキンに冷やして、食前酒として楽しむのもおすすめです。
テイスティング

ワインの味わいを探求: ドライとは?

ワインを選ぶ際に、「辛口が好き」「甘口はちょっと…」といった会話を耳にすることはありませんか?ワインの味は、甘口から辛口まで実に様々です。この味わいの違いを左右するのが「甘辛度」です。ワインの世界では、甘みの少ないワインを「辛口」、反対に甘いワインを「甘口」と表現します。普段何気なく使っている言葉ですが、一体どのようにしてこの甘辛度の違いが生まれるのでしょうか? ワインの甘辛度は、ワインの製造過程、特にブドウの糖度と発酵の関係によって生まれます。ワインの原料となるブドウには、果糖やブドウ糖といった糖分が含まれています。ワイン作りにおいて重要なプロセスである「発酵」は、酵母がこのブドウの糖分をアルコールと炭酸ガスに分解することによって進みます。 発酵の過程で、ブドウの糖分がすべて分解されれば、辛口のワインになります。反対に、発酵途中で糖分が残っていると、その分甘さを感じられる甘口のワインとなるのです。 つまり、ワインの甘辛度は、発酵の進み具合によって決まると言えるでしょう。一般的に、白ワインは赤ワインに比べて甘口に作られることが多いですが、これは必ずしもそうではありません。白ワインの中にも辛口のものは多く存在しますし、赤ワインでも甘口に仕上げたものはあります。 ワインを選ぶ際には、ぜひ甘辛度にも注目してみてください。きっと、あなたの好みにぴったりの一本が見つかるはずです。
テイスティング

ワインの「ドミセック」甘口?辛口?その味わいを解説

- ドミセック甘口と辛口のハーモニー ワイン、特に泡立つスパークリングワインを選ぶ際、「ドミセック」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。フランス語で「ややドライ」を意味するこの言葉は、ワインの甘辛度合いを表す重要な指標です。 ワインの甘さは、ブドウの果汁に含まれる糖分が、発酵の過程でどれほどアルコールに変化したかによって決まります。発酵が進み、糖分がほとんど残っていない状態が「辛口」、反対に糖分が多く残っている状態が「甘口」です。 では、「ドミセック」はというと、その名の通り、甘口と辛口の中間に位置する味わいを表現しています。 具体的には、1リットルあたり32~50グラム程度の糖分を含んでおり、ほのかな甘みが感じられるのが特徴です。 ドミセックのスパークリングワインは、フルーティーな香りと柔らかな甘みが魅力です。食前酒としてはもちろん、デザートワインとしても楽しむことができます。また、フルーツを使った料理や、スパイシーな料理との相性も抜群です。 甘口過ぎず、辛口過ぎない、絶妙なバランスの「ドミセック」。ぜひ一度、その奥深い味わいを体験してみてください。
ワインラベル

ワインで見かける「トロッケン」とは?甘口?辛口?

ワインのラベルに記載されている「トロッケン」という表示を見たことがありますか?これは、ドイツ語で「乾燥した」という意味を持つ言葉で、ワインの味わいを表す重要な要素です。特にワイン初心者の方にとって、「トロッケン」と聞いても、具体的な味が想像しにくく、甘口なのか辛口なのか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。 「トロッケン」とは、簡単に言うと「辛口」を意味する言葉です。ワインの甘辛度は、ブドウの果汁に含まれる糖分が、発酵の過程でどれだけアルコールに変化したかによって決まります。「トロッケン」と表示されたワインは、発酵の際に糖分がほとんど残らずアルコールに変換されているため、甘みを感じない、すっきりとした辛口の味わいになります。 反対に、甘口のワインには、「トロッケン」の代わりに「ハルプトロッケン(中辛口)」「ズィース(甘口)」といった表示が用いられます。これらの表示を見分けることで、自分の好みに合ったワインを選ぶことができます。 「トロッケン」は主にドイツワインで見かけることが多いですが、フランスワインやイタリアワインなど、他の国のワインでも使用されることがあります。ワイン選びの際に「トロッケン」という表示を見かけたら、ぜひ参考にしてみてください。
品種

ヴェルシュリースリング:多様な味わいを生む国際的な白ブドウ品種

- ヴェルシュリースリング爽やかな酸味と多様な味わいが魅力の白ブドウヴェルシュリースリングは、主にオーストリアやルーマニアで栽培されている白ワイン用のブドウ品種です。その名前はドイツ語で「春のリースリング」を意味し、リースリングとは異なる品種ですが、爽やかな酸味と芳醇なアロマが魅力です。ヴェルシュリースリングから造られるワインは、青リンゴやレモン、グレープフルーツなどの柑橘系果実を思わせる爽やかな香りと、キリッとした酸味が特徴です。この酸味が、料理の味わいを引き締め、後味をさっぱりとさせてくれます。特に、オーストリアのヴァッハウ地方やカンメルラント地方で造られる辛口ワインは、世界的に高い評価を受けています。しかし、ヴェルシュリースリングの魅力は、辛口ワインだけにとどまりません。近年では、瓶内二次発酵によって造られる、きめ細かい泡立ちが心地よいスパークリングワインや、遅摘みブドウの豊かな糖分を生かした、甘美なデザートワインとしても楽しまれています。このように、ヴェルシュリースリングは、栽培される土地や醸造方法によって、多様なスタイルのワインを生み出す、奥深い魅力を持ったブドウ品種と言えるでしょう。
テイスティング

ワインの甘さの秘密:残糖量

ワインを口に含んだ時、ふんわりと広がる甘やかさ。この甘さの秘密は一体どこにあるのでしょうか?その答えの一つが「残糖量」です。 残糖量とは、ワイン造りの過程でブドウに含まれる糖分が完全にアルコールに変換されずに、わずかに残った量のことを指します。 ブドウの果汁には、もともと糖分が多く含まれています。ワインはこの糖分を酵母によってアルコール発酵させることで作られます。この時、酵母は糖分を全てアルコールに変えてしまうわけではありません。ワインメーカーの意図や醸造方法によって、あえて発酵を途中で止めることがあります。すると、糖分の一部がワインの中に残ることになり、これが甘さの由来となるのです。 残糖量は、ワインの甘口、辛口を判断する一つの目安となります。一般的に、残糖量が多いワインは甘口、少ないワインは辛口に分類されます。しかし、残糖量が多いからといって、単純に甘ったるいワインになってしまうわけではありません。ワインの味わいは、残糖量だけでなく、酸味やタンニン、アルコール度数など、様々な要素が複雑に絡み合って決まります。例えば、酸味がしっかりとしているワインであれば、残糖量が多くても甘ったるく感じることなく、むしろ爽やかな後味になることもあります。 そのため、残糖量はあくまでもワインの味わいを構成する要素の一つとして捉えることが大切です。ワインの奥深い魅力を味わうには、残糖量という数字だけで判断するのではなく、実際に自分の舌で確かめてみるのが一番です。
テイスティング

ワインの甘さの秘密:残糖について

ワインを口に含んだ時に感じる甘み。多くの人が「甘いブドウからできているから?」と思うかもしれませんが、実は少し違います。ワインの甘さの正体は、「残糖」と呼ばれる成分にあります。 ワインは、ブドウの果汁に含まれる糖分を酵母によってアルコール発酵させることで作られます。この時、酵母は糖分を分解してアルコールと炭酸ガスを生み出します。 しかし、ブドウの糖分が全てアルコールに変わるわけではありません。酵母が活動できる限界を超えた糖分は、ワインの中に残ります。これが「残糖」です。 つまり、残糖とは、ブドウに含まれていた天然の糖分が、ワインの醸造過程でアルコール発酵しきれずに残ったものなのです。 ワインに残る甘さの程度は、この残糖の量によって異なってきます。残糖が多いワインは甘口になり、少ないワインは辛口になります。 ワイン選びの際には、ぜひ「残糖」という言葉にも注目してみてください。きっと、自分好みの甘さのワインを見つけるヒントになるはずです。
品種

知られざる名脇役?ワイン用ブドウ品種「ラシュキ・リースリング」の魅力

- ラシュキ・リースリングとは ラシュキ・リースリングというブドウ品種を耳にしたことはありますか?あまり聞き馴染みのない名前かもしれませんが、実は東ヨーロッパを中心に広く栽培されている、白ワインの原料となるブドウです。 「リースリング」と名前が付いていることから、あの有名なドイツ生まれのリースリングと関係があるのでは?と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、遺伝子分析の結果、ラシュキ・リースリングとリースリングの間に直接的な関係はないことが分かっています。 では、一体どんなワインが生まれるのでしょうか?ラシュキ・リースリングは、柑橘類を思わせる爽やかな香りと、蜂蜜のような甘いニュアンスを感じさせるワインを生み出します。味わいは軽快でフルーティーなものから、コクのある辛口まで、造り手によって様々です。 まだ日本ではあまり知られていませんが、リーズナブルな価格で高品質なワインが多いのも魅力の一つです。これを機に、ぜひ一度ラシュキ・リースリングのワインを試してみてはいかがでしょうか?
品種

ワイン品種解説:ラインリースリング

- 高貴な白ワイン品種ラインリースリングは、世界中で愛飲されている白ワインの原料となる、気品高いブドウ品種として知られています。その名の由来は、主要な生産地の一つであるドイツのライン川流域にちなんでいます。しばしば単にリースリングと呼ばれることもあり、世界各地で多種多様なスタイルのワインを生み出しています。ラインリースリングは、冷涼な気候を好み、晩熟の品種としても知られています。そのため、果実が成熟するまでに長い時間と手間暇がかかりますが、その分、豊かな香りと味わいを備えた、複雑で奥深いワインが生まれます。仕上がったワインは、キリッとした酸味と上品な甘味のバランスがとれており、繊細な果実香と花の香りが特徴です。また、産地や製法によって、辛口から極甘口まで、幅広いスタイルのワインが造られます。ラインリースリングの魅力は、その多様性と熟成能力にあります。若いワインは、フレッシュな果実味と爽やかな酸味が楽しめ、熟成したワインは、蜂蜜やナッツ、ペトロールなどの複雑な香味が現れ、より深みのある味わいに変化します。和食との相性も良く、繊細な味付けの料理や、天ぷらなどの揚げ物とも相性が抜群です。世界中のワイン愛好家を魅了してやまない、気品高い白ワイン品種と言えるでしょう。
生産地

世界遺産の断崖絶壁が育む奇跡のワイン:チンクエ・テッレ

イタリアの北西部、リグーリア州に位置する「チンクエ・テッレ」。イタリア語で「5つの土地」を意味するこの地域は、その名の通り、険しい海岸線に沿って点在する5つの村を総称しています。切り立った断崖絶壁に、まるで絵本から飛び出したかのような、カラフルな家々が所狭しと建ち並ぶ風景は、他に類を見ない独特の景観です。 その美しさは世界遺産にも登録され、世界中の人々を魅了してやみません。青いリグリア海と、緑豊かな丘陵地帯のコントラストは息を呑む美しさで、訪れる人々に忘れられない感動を与えてくれます。 5つの村はそれぞれ個性豊かで、それぞれ違った魅力を放っています。 Monterosso al Mare は、5つの村の中で最も大きく、美しい砂浜が広がっています。Vernazza は、険しい崖の上に築かれた要塞都市のような雰囲気で、カラフルな家々が密集する様子は圧巻です。Corniglia は、唯一、海に直接面していない村ですが、周囲の丘陵地帯から眺めるチンクエ・テッレの絶景は格別です。Manarola は、愛らしい港町として知られ、断崖絶壁にへばりつくように建つ家々の様子は、絵画のような美しさです。そして、Riomaggiore は、5つの村の最南端に位置し、他の村とはまた違った、落ち着いた雰囲気が漂っています。 チンクエ・テッレは、その美しい景観だけでなく、ハイキングや海水浴など、自然と触れ合いながら楽しめるアクティビティも充実しています。また、新鮮なシーフードを味わえるレストランや、地元産のワインを販売するお店も多く、旅の楽しみを広げてくれます。
生産方法

魅惑の甘口ワイン:ホワイトポートの世界

- ホワイトポートとはポルトガル生まれの甘口酒精強化ワイン、ポートワイン。その中でも、白ブドウのみを用いて造られるのが「ホワイトポート」です。多くの人がポートワインと聞いてイメージするのは、芳醇な赤ワインかもしれません。しかし、ホワイトポートは透き通るような黄金色をしており、赤ワイン仕立てのものとは一線を画す魅力を放ちます。味わいの幅広さも、ホワイトポートの大きな特徴です。軽快でフルーティーなタイプは、まるでフルーツバスケットをそのまま味わうような華やかさに溢れています。一方、じっくりと時間をかけて熟成させたものは、濃厚な甘みと複雑な風味が織りなす、奥深い世界へと誘ってくれるでしょう。蜂蜜やナッツ、スパイスなどを思わせる香りは、長い年月を経て初めて生まれる、まさに熟成の賜物と言えるでしょう。このように、ホワイトポートは同じ白ブドウから造られるワインでありながら、製法や熟成期間によって全く異なる個性を見せてくれます。自分好みのスタイルを見つけるのも、楽しみの一つと言えるでしょう。
品種

注目の白ワイン用ブドウ品種:ヴェルメンティーノの魅力

近年、ワイン愛好家の間で話題にのぼるイタリア産のブドウ品種があります。それがヴェルメンティーノです。温暖な太陽の光と海の恵みを受けた、イタリアならではのこのブドウは、多くの人を惹きつける華やかな香りと爽やかな味わいが特徴です。 主な産地は、美しいティレニア海に面したサルデーニャ島やリグーリア州です。太陽の光をいっぱいに浴びて育ったヴェルメンティーノからは、柑橘系の果実や白い花を思わせる香りが生まれます。口に含むと、いきいきとした酸味とミネラル感が広がり、心地よい余韻が長く続きます。 近年では、その評判の高まりから、イタリアのみならず、フランスの地中海沿岸でも栽培が始まりました。 華やかな香りと爽やかな味わいのヴェルメンティーノは、魚介類を使った料理との相性が抜群です。潮風を感じさせるワインを片手に、イタリアの食卓を再現してみてはいかがでしょうか。
生産方法

奥深い魅力:シェリー酒の王者「オロロソ」

シェリー酒と聞いて、皆さんはどんなお酒を想像するでしょうか?甘口のお酒を思い浮かべる方もいれば、辛口のお酒を思い浮かべる方もいるかもしれません。実際、シェリー酒には様々な種類が存在します。その中でも今回ご紹介するのは、「オロロソ」と呼ばれる辛口タイプのシェリー酒です。 数あるシェリー酒の中でも、オロロソは独特の存在感を放っています。それは、その複雑な香りと深い味わいにあります。熟成期間中に酒精強化されることで生まれる、力強く芳醇な香りは、他のシェリー酒では味わえない、オロロソならではの魅力と言えるでしょう。まるで長い年月をかけて熟成されたブランデーを思わせるような、複雑で重厚な味わいは、まさに「シェリー酒の王様」と呼ぶにふさわしい風格を備えています。 オロロソは、その独特の味わいを活かして、様々な楽しみ方ができます。食前酒としてはもちろんのこと、食後酒としてもおすすめです。また、チーズやナッツ、ドライフルーツなどのおつまみとの相性も抜群です。 もし、あなたがまだオロロソを味わったことがないのなら、ぜひ一度試してみて下さい。きっと、その奥深い味わいに魅了されることでしょう。
テイスティング

ややドライ?セミセコワインの甘い誤解

ワインの世界は、甘口から辛口まで、実に様々な味わいが楽しめます。その多様な味わいのなかで、「セミセコ」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?「セミセコ」とは、スペイン語で「やや乾燥した」という意味を持ち、スパークリングワインとスティルワイン(発泡していないワイン)の両方に使用されます。ただし、スパークリングワインとスティルワインでは、セミセコに分類されるための残糖量が異なります。 スパークリングワインの場合、セミセコは1リットルあたり32~50グラムの残糖量を含むものを指します。これは、甘口と辛口の中間に位置し、ほのかな甘みを感じられるものの、後味は比較的すっきりとした味わいが特徴です。 一方、スティルワインにおいてセミセコは、1リットルあたり4~12グラムの残糖量を含みます。スパークリングワインと比較すると、甘みは控えめで、辛口に限りなく近い味わいです。 このように、セミセコはスパークリングワインとスティルワインで定義が異なるため、ラベルに記載されている残糖量を確認することが重要です。ワイン選びの際には、ぜひ「セミセコ」にも注目し、自分好みの味わいを発見してみてください。
ワインラベル

イタリアワインの「セッコ」って何?甘口?辛口?

- 「セッコ」の意味とは「セッコ」という言葉を耳にしたことはありますか? イタリア語で「辛口」や「ドライ」を意味する言葉ですが、ワインの世界においては、単に「辛い」ということを意味するだけではありません。 特にイタリアワインの風味表示として使われる場合、「セッコ」はスパークリングワインと、スパークリング以外のワインでは、異なる甘辛度を表します。スパークリングワインの場合、「セッコ」は「ブリュット」とほぼ同じ甘辛度を表し、残糖量が比較的少ない、辛口の味わいを示します。 軽快でスッキリとした飲み口が特徴で、食前酒としてはもちろん、食事と一緒に楽しむのもおすすめです。一方、スパークリング以外のワインにおいて「セッコ」は、「辛口」の中でも、やや甘みを感じる味わいを表します。 これは、スパークリングワインに比べて、ブドウの果実味やコクをしっかりと感じられるためです。つまり、「セッコ」はワインの種類によって、その意味合いが微妙に異なることを覚えておきましょう。ワインを選ぶ際には、ラベルに記載された「セッコ」の文字だけでなく、そのワインがスパークリングワインなのか、そうでないのかを確認することが重要です。 そうすることで、自分の好みに合った、より満足度の高いワイン選びができるようになるでしょう。
生産方法

究極の辛口!? ブリュット・ナチュールとは

華やかで祝祭を彩るお酒として知られるシャンパン。その独特な製造過程には、「ドザージュ」と呼ばれる重要な工程が存在します。ドザージュとは、シャンパンに最後の魔法をかける、甘味調整の最終段階を指します。 シャンパンは、瓶内二次発酵という特殊な方法で造られます。密閉された瓶の中で再び発酵が進むことで、あの繊細な泡が生まれます。しかし、二次発酵は泡を生み出すと同時に、酵母の活動により複雑な風味や時に強すぎる苦味を生み出すこともあります。そこでドザージュの出番です。 熟成を終えたシャンパンから澱を取り除いた後、少量のリキュール(糖分を加えたワイン)を加えることで、味わいのバランスを整えます。甘味を加えるだけでなく、酸味や苦味との調和を図り、メゾンそれぞれの個性を表現する、まさに熟練の技が光る工程と言えるでしょう。 ドザージュによって、辛口ですっきりとした味わいのものから、ふくよかで甘美な味わいのものまで、様々なスタイルのシャンパンが生み出されます。シャンパンを選ぶ際には、このドザージュの違いにも注目すると、より一層その奥深さを楽しむことができるでしょう。
ワインラベル

シャンパン選びの鍵! ブリュットってどんな味?

「ブリュット(Brut)」という言葉をご存知でしょうか? スパークリングワイン、特にシャンパンを選ぶ際に、甘口から辛口までの味わいを示す大切な表示のひとつです。 フランス語で「生のまま」「飾らない」という意味を持つブリュットは、スパークリングワインの甘辛度合いを示す言葉として使われています。 ブリュットと表示されているスパークリングワインは、一般的に辛口を指します。 ワイン造りの過程でブドウ果汁に砂糖を加えることで、発酵が進みアルコールと炭酸ガスが発生します。ブリュットは、この際に加える砂糖の量が少ないため、発酵後のワインに残る糖分が少なく、辛口に仕上がります。 すっきりとした味わいのブリュットは、食前酒としてはもちろん、魚介料理やサラダなど、様々な料理と楽しむことができます。初めてスパークリングワインを選ぶ際には、ぜひ「ブリュット」を選んで、その洗練された辛口を体験してみて下さい。
生産地

ヴァッハウ:オーストリア白ワインの聖地

オーストリアの北西部に位置するヴァッハウ渓谷は、世界的に有名なワインの産地として知られています。ここはユネスコ世界遺産にも登録されており、その美しい景観は多くの人を魅了しています。 雄大なドナウ川が渓谷に沿ってゆったりと流れ、その両岸にはブドウ畑が広がっています。温暖な気候をもたらすドナウ川の影響と、太陽の光をふんだんに浴びることができる急斜面のブドウ畑という特殊な環境が、この地で栽培されるブドウの品質を高めているのです。 ヴァッハウ渓谷の風景は、まさに絵画のようです。幾重にも折り重なるように続くブドウ畑の緑と、その間を縫うように流れるドナウ川の青、そして、渓谷に点在する古城や修道院の佇まいが、訪れる人々に深い感動を与えます。 ブドウ畑は、この地の歴史と文化を語る上でも欠かせない要素です。古くから人々は、この地の風土を生かしてブドウ栽培を行い、その恵みを享受してきました。そして、その営みは、長い年月を経て美しい景観を生み出し、世界遺産として今日まで大切に守られているのです。
ワインラベル

エクストラ・ブリュット:辛口スパークリングワインの極み

- エクストラ・ブリュットとはスパークリングワイン、特にシャンパンのように瓶内で二次発酵を行うワインには、甘口から辛口まで様々な味わいの種類があります。その甘辛度合いを示す用語の一つに、「エクストラ・ブリュット」があります。エクストラ・ブリュットは、文字通り「極めて辛口」を意味する言葉で、その名の通り、非常に辛口に仕上がっているのが特徴です。これは、ワインの製造過程で加えられる糖分量に関係しています。ワイン造りでは、発酵が終わった後に補糖を行うことがありますが、エクストラ・ブリュットの場合、残糖分量が1リットルあたり0~6グラムと、極限まで抑えられています。そのため、口に含むと、キリッとしたドライな味わいが広がり、後味はすっきりとしています。甘味よりも、ブドウ本来の酸味やミネラル感を強く感じるため、料理の味を邪魔せず、食前酒としてはもちろん、魚介料理などとも相性抜群です。豊かな香りとキレのある味わいは、特別な日の一杯にも最適です。
ワインラベル

奥深い甘さの秘密:シュペートレーゼ

秋も深まり、木々が赤や黄色に色づく頃、ドイツやオーストリアのワイン畑では、秋の恵みをいっぱいに受けた特別なぶどうの収穫が始まります。冬の寒さが近づき、時折霜が降りるような厳しい気候条件の中で、ゆっくりと時間をかけて熟成されたこれらのぶどうは、凝縮された甘みと芳醇な香りを持ち、「シュペートレーゼ」と呼ばれる甘美なワインを生み出します。「シュペートレーゼ」とは、ドイツ語で「遅い収穫」を意味し、その名の通り、通常の収穫期よりもさらに1週間程度、ぶどうを樹にぶら下げたままにすることで、太陽の光を浴び続け、糖度の高い果実へと成長します。 霜が降りるほどの寒暖差の中で、ぶどうの果皮には貴腐と呼ばれる菌が発生することがあります。貴腐菌は、ぶどうの果皮に小さな穴を開け水分を蒸発させる一方で、糖分やアミノ酸などの成分を凝縮させる働きをします。こうして生まれた貴腐ぶどうから造られるシュペートレーゼは、蜂蜜やアプリコットのような濃厚な甘みと、上品な酸味とのバランスがとれた、まさに自然の奇跡と呼ぶべき逸品です。 晩秋の冷気の中、黄金色に輝くシュペートレーゼは、その芳醇な香りと共に、私たちに秋の深まりと、冬の訪れを告げるかのようです。