
ノン・ドザージュ:究極の辛口シャンパーニュを味わう
華やかな泡立ちと爽やかな酸味が特徴のシャンパーニュ。その魅力的な味わいを決定づける重要な工程に「ドザージュ」があります。シャンパーニュは瓶内二次発酵という独特な方法で造られます。まず、ベースとなるワインを瓶に詰め、酵母と糖分を加えて密閉します。すると、瓶内で再び発酵が始まり、炭酸ガスが発生することで、あの美しい泡が生まれます。
その後、一定期間熟成させた後、「澱引き」という作業を行います。これは、瓶内に溜まった澱を凍らせて取り除く作業です。この澱引きの際に、瓶内の減った液体を補う目的で、少量のワインと糖液を混合したものを加えます。これが「ドザージュ」です。
ドザージュに使用されるワインと糖液の比率は、シャンパーニュの最終的な味わいを大きく左右します。糖分を多く加えれば甘口に、少なくすれば辛口に仕上がります。このように、ドザージュはシャンパーニュの味わいを調整し、最終的なスタイルを決める重要な役割を担っています。
例えば、「ブリュット」や「エクストラ・ブリュット」といった辛口のシャンパーニュは、ドザージュで加えられる糖分が非常に少ないため、ブドウ本来の風味が際立ちます。一方、「ドゥミ・セック」のような甘口のシャンパーニュは、デザートワインのような感覚で楽しむことができます。
このように、ドザージュによって様々な味わいのシャンパーニュが生み出されるため、自分好みのスタイルを見つけるのもシャンパーニュを楽しむ醍醐味の一つと言えるでしょう。