生産地 クロ・ド・タール:ブルゴーニュの至宝、その神秘を紐解く
フランス東部、ブルゴーニュ地方の中心に位置するモレ・サン・ドニ村。数多くの特級畑がひしめくこの村に、たった7ヘクタールほどの小さな区画が存在します。それが、「クロ・ド・タール」と呼ばれる単一畑です。かつてはかの有名なモメサン社が所有していましたが、2017年からはフランソワ・ピノー氏の単独所有となり、現在もその体制が続いています。「クロ・ド・タール」は、三方を石垣で囲まれた独特の景観を持つことでも知られています。南向きに緩やかに傾斜した畑は、水はけが良く、ぶどう栽培に最適な環境です。表土は非常に薄く、その下には石灰岩質の土壌が広がっています。この特殊な土壌が、クロ・ド・タールで育つぶどうに、他のワインにはない独特の個性を与えているのです。濃厚で力強い味わいのワインが多いモレ・サン・ドニ村のワインの中にあって、クロ・ド・タールは、エレガントで繊細な味わいのワインを生み出すことで知られています。しっかりとした骨格を持ちながらも、絹のように滑らかな舌触り。熟した赤い果実やスパイスを思わせる複雑な香りは、飲む人を魅了して止みません。世界中のワイン愛好家が「幻のワイン」と賞賛するのも頷ける、まさに孤高の存在と言えるでしょう。
